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京都
仕事の関係でこの2年京都に行く機会が多かった。
今回、仕事も一区切りつきプライベートでその気にならない限りは京都に行く機会もないと思う。
そして、この期に及んでやっと京都という街の大まかな、かなり大まかな個人的なポイントをつかむことができたように思う。備忘録もかねて今回のマイポイントをまとめてみよう。
一条通り
京の都を東西に走る通りは北に行くほど若い番手になる。先日何気なくつけたテレビ番組で一条通りが取り上げられ、その道の細さに驚いた。三条、四条と立派な道があり、その始まりであるはずの一条がこんなに狭いとは。
そして実際に行ってみた。一方通行で、せまく、「裏道」である。ただ、道沿いの家は一般の民家に混ざり、看板の出ている家も多い。宿やお店もあるが工務店だったり織物業だったりの家もある。主要道路?の証拠というかプライドが伺えるように思った。
晴明神社
テレビ番組のテーマは百鬼夜行とか結界とかだったと思う。たまたま目に入った番組だったのではっきりしたことを覚えてないのだが。番組の出発点は晴明神社であったので、私もそうした。陰陽師のボス、安倍晴明を祭った神社。五芒星といわれる印。日本の絵や書き物は曲線のイメージだがこの印は直線で構成されている。そしてグローバルにも展開しているデザイン。それが古よりこの京都にあるという異彩感。京都初心者の私としてはこの異彩感、違和感は嫌ではない。
妖怪ストリート
晴明神社から一条通りを西に20分くらい歩くと妖怪ストリートにでる。なぜ妖怪?なのかは当のテレビ番組をしっかり見ていなかったので知らない。それぞれの店先に妖怪を模した人形が置いてある。妖怪の存在も、なのだが、パン屋、雑貨屋、製麺屋等の個々の商店が健在である。そして、ここに限らず京都市内いろいろなところで個々の商店がある。京都の街を歩いてなんだかホッとするのは、古い神社仏閣の存在以上にこのような街並みが残っていることが大きな理由のように思う。
大将軍神社・北野天満宮
テレビ番組では妖怪ストリートにある大将軍神社と晴明神社が京都の結界であるということを言っていた記憶がある。実は私は「結界」の意味もよくわからないのだがもちろん大将軍神社にもお参りをしてきた。神社に対して失礼ながら、こじんまりとした佇まいがよい感じであった。
行ってみてわかったのだが有名な北野天満宮はこのエリアにある。菅原道真公を祀り、各地の天満宮、天祖神社の総本社だそうだ。
神社の参道には写真のような獣の像がおいてある。この理由をWikiで調べて書くのも無粋な気もする。ので各自で調べてみよう!
北野天満宮バス停の向かいにある蕎麦屋。当日のお勧めは「紅梅そば」。残暑の厳しさに梅の酸味が合い、期待以上に美味しくいただけた。
むくり
東京スカイツリーの構造美の特徴は「そり」と「むくり」だそうである。関東にいると、そり、はよく見かける。神社仏閣建築によく使われている。一方、むくり、はほとんど見かけない。私が見た中では浜離宮にある平屋の日本家屋の屋根が、むくっていて「これか!」と見入った記憶がある。
微妙だが、写真右の母屋の屋根が少し反り下がっているのが分かるだろうか?ここ京都には、むくった屋根を持つ家屋がかなりある。そういえば日本建築美の頂点の一つと言われる桂離宮の屋根もむくっている。いずれ実物を見に行きたい。
四条西洞院
今回の宿泊地は四条西洞院。どうやら商業地ど真ん中でそのため交通の便が良く、ここで書いた一条通のような少し離れた場所もバスで簡単に行けた。近くには堀川通りという京都市中心を南北に走る大きな通りがある。京都の町を把握するのには堀川通りを背骨として各条通りをあばら骨。便利の中心がここ四条である!と勝手に納得できたのが今回の最大の成果だと思う。
そしてこのあたりには一人で入ってくつろげる店も結構あり、何軒かをご紹介しよう。
中華そば 萬福 四条通りに面し、ここまでレトロな店構えなのでさぞや客であふれかえっているのかと思いきや意外にも空いていた。昔ながらの食堂で麺類はうどんやそば、ご飯ものは中華やてんぷらなど丼物、餃子や冷奴などのおつまみもある。私は初回は瓶ビールとラーメン。二回目は瓶ビールのみ、テレビでは阪神戦をやっていた。常連さんが多いらしくお店の人との、のんびりした会話とテレビの野球解説が瓶ビールに合う。また行きたい店。
ニューシンマチ 一人呑みにぴったりの居酒屋。最近東京の街にはこういう店が少なくなってきた。居酒屋だが会社帰りの食事をしに寄った風のサラリーマンが結構いる。店員が若くすれておらず、こういった点も丸な店。
中華料理 楊 四条通りと堀川通りの交差点近くにある街の中華屋。店名である「楊」という字がひっくり返った看板が目印。直前に北野天満宮の紅梅そばを食べたが、看板と佇まいにひかれて入り天津飯を注文した。店に入ってすぐにあるカウンターに座ると目の前にはたくさんの写真が飾ってあった。仕事の関係で京都市長の写真を扱ったのだが、まさにその京都市長と店の店主の2ショットや著名人そうな集まりの写真だったり。途中常連さんが入ってきて、今度中国で開催の中華料理大会に引率で行くことになった、という会話をしていた。どうやらなかなかの名店であるよう。肝心の味はさっぱりとしていてとても美味しい。ここもじっくりと訪れたい店となった。
前回までは、京都=和のメッカ という意識があり、食べ物も「おばんざい」的なものに目が、舌が行きがちだったが、今回中華にも幅が広がった。確か河原町の鴨川沿いには老舗の中華料理屋があったはずだ。
またいわゆる古刹名刹だけではなく街中の建物であっても歴史を感じるものが多くそして懐かしさを感じる。
近い将来、改めてプライベートでじっくり京都めぐりができることを願うばかりである。