第0回 諸君！
私はボーダーが好きだ
諸君 私は境界性が好きだ
諸君 私は境界性パーソナリティ障害を負った人間が大好きだ
見捨てられ不安が好きだ
自己の空虚さが好きだ
いきなりの気分変調がが好きだ
気分がいいと無敵だと勘違いする調子の良さが好きだ
そのくせ鬱ってると「世界が終わったような」顔をして八つ当たりするのが好きだ。
翌朝心の中では大反省しているのに素直になれないのが好きだ
パートナーに鬼LINEするのが好きだ
ストイックかと思いきや自分に大甘なのが好きだ
リセット癖が好きだ
易怒性が好きだ
自分を責めがちなのが好きだ
平原で 街道で
家庭で 会社で
一人きりで サークルで
ギルドで マッチングアプリで
SNSで noteで
この地上で行われるありとあらゆる境界性行動が大好きだ
SNSで構築した友人関係をを吹き飛ばすのが好きだ
あの人どうしちゃったんだろうと心配になってる友人を別アカを作ってこっそり見た時など心がおどる
易怒性が好きだ
頭に血が昇って課金しまくったゲームや200時間やったモンハンのデータを消した時など胸がすくような気持ちだった
関係をある日いきなり「ナシ」にするのが好きだ
数日後やっぱり後悔しまくって別れた元パートナーのSNSに何度も何度も足跡をつけて「やっぱり寂しいですアピ」している様など感動すら覚える
そんな自分を憐れんで一人で悲しいバラードを聞いたり、深夜に翌日恥ずかしくなるロミオポエムを書く様などはもうたまらない
うっかり話して優しい目で見られたり、友人に「こわ」とドン引きされるのも最高だ
無駄遣いし過ぎて給料日前に3日間たまごかけごはんしか食べてない時など絶頂すら覚える
尽くした恋人や妻に滅茶苦茶にされるのが好きだ
必死に自分を殺して相手に合わせるのはとてもとても悲しいものだ
そんな自分に酔いつつも、一人になったら毒づいたり、そんな自分を嫌いになったりとグルグル思考して鬱になる二面性が好きだ
解ったフリで近づいてくるやつに心を許してる自分を認識するのは屈辱の極みだ
諸君 私は境界性を地獄の様な境界性を望んでいる
諸君 私と同じ苦しみを抱えている諸君
君達は一体何を望んでいる？
更なる境界性を望むか？
情け容赦のない●の様な境界性を望むか？
目まぐるしく変わる自分と人間関係の嵐の様な日常を望むか？
ボーダー『境界性！ 境界性！ 境界性！』
よろしい ならば境界性だ
我々は渾身の力をこめて今まさに振り降ろさんとする握り拳だ
だがこの暗い闇の底で生まれてから今まで堪え続けてきた我々にただの境界性ではもはや足りない！！
大境界性を！！
一心不乱の大境界性を！！
カッとなってやった。
少佐の演説をパロれるならなんでも良かった。
今は反省…なぞするわけがない。
ボーダーってどこかバンパイアめいたとこあると思わない？
はい、というわけで境界性パーソナリティ障害の寛解者である俺が、偉そうにどうしたらいいのか考えたり、科学したり、頭撫でてあやしたり、励ましたり、叱咤したり、知ったかぶりするマガジンの始まりです。
俺ね、なんだかんだ言ってボーダーの人好きなんですよ。
基本的に痛いくらい自分に対して真面目だから。
それでいいんだと思います。
「この特性がなくなればいいなぁ」とか「もっと頑張んなきゃ」とかそういうのも悪くないけどさ。
過去の大切な自分を否定するのも「見捨てられ不安」に繋がるからね？
だから特性をマイルドにしたり、ひっくり返したり、対象を別のものに移行させて一生付き合ってくしかない。
絶望的だと思った？
いやこれが案外悪くない。
どうしてそうなったのか、どうしたら境界性パーソナリティ障害のまま「豊か」になれるか。
それを追い求める駄文にどうかお付き合い下さい。