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世界樹/ナラティブの終わり
本日はカウンセリング。
境界性パーソナリティ障害の行動化をやめる事を当初の目的として約4年。
行動化がなくなってからは…妙にあった生きづらさの解消。
セッション数は62回だった。
第一回から領収書は宝物のようにとってある。今日正式に「治療は終結」という事になりました。
そんな事はしなくても良さそうだし、調子悪くなったらまた箱庭作りに行くだろうし、ユング心理学をもっと知りたいしな。
また行くかも知れないけど、それは俺が「よりよく俺でいるために」だ。
中央の木のようなもの。
これが世界樹。
俺の内世界にある命。エネルギー?
その周りにはかつて俺のイマジネーションの中にいたパートナー付きの「獣」と「ヒーロー」俺のココロの中に居た別人格。
ピカチュウは「インナーチャイルド」
どこかにおき忘れて来た子供の頃の自分。
女の子は…アニマ。俺の女性的な側面。
鍋のような壺のようなものは「錬金の壺」
対立事項と融合し新たな何かを作り俺の認知を変革させるユング心理学の象徴。
右下いるのはその世界樹に後ろ髪を引かれながら去っていく自分。
心の中心は満たされながらも、そこに囚われてしまわず常に新しい何かを探しに行く事を望んでいる、過去と未来、観念と事象、内世界と実際の世界、あらゆる場所を巡って自分を見つける事を決めた「異邦人」である俺。
その他もろもろの雑多なパーツは今後俺が出会うであろう葛藤や迷い、あるいは「なにか良いもの」
コーラ瓶とか転がってたり兵士がいるのは、俺が認知するこの雑多なうつろい易い美しくもない醜くもないさえない「現実」を受けてめて行けるという自信?嬉しさ?悲しみ?達観?そんなようなもの。
風呂に入ったりらっくまは「どこかでまた傷ついた俺を見つける事もあるだろう」
「だけど多分大丈夫だ」と思える俺。
中央上にある太陽。
「明けない夜はない」という言葉が正直嫌いだった俺に太陽が昇ったとでも俺の深層意識は言いたいのだろうか。
妻は「心理士の先生だ」と言っていた。
そんな気もする。
あれだけレギュラー出演していた俺の内世界に祝福と呪詛、死と再生を産んだ「地母神」はもう居ない。
女神に頼まれてなくたって、望まれなくたって泥臭くのたうち回って生きてやる。
ココロの中の「俺」がそう言った。
左上の城は、、よくはわからんがなんとなく堅固な認知を持つ事が出来たイメージなのだろうか。
海の中の橋はどこにも架かっていない。
だがそれがいい。
無意識の海の中にある橋はどこか遠く、それでいて俺の心の中心にかかる、そんな橋だ。
何も変わっていないし、完治はしていない。
境界性人格は死ぬまであると思う。そう望んでいる。
決して手放しはしない。
トラウマも、未熟だった俺も、まだある少しの葛藤や苦しさも。
それが俺の構成要素だから。
俺の回復のリソースはトラウマそのものから生まれたから。
いつかそれらを「錬金の壺」で「賢者の石」に変えて見せる。
今日の箱庭の題名は「世界樹」にすると決めていた。
「ようやく終わった。」
そう俺のココロが告げる。
こんな日常的な、ごく「当たり前な」認知や心情を得るためにどれだけの時間と心のリソースを割いたのだろうと思う。頭の中の箱庭のパーツを得るためにどれだけの教養を詰め込んで来たのかとも。
そうして得たのは内世界に誰もいないただちっぽけな俺と空虚だと感じないかつて囚われていた狂おしいまでの渇望が消えた体とココロの中心。
あるいは幼い頃愛着を形成させる事につまずいた俺が手に入れた、ずっと大穴が開いていた愛着の新しい器?
たったこれだけ。
たったこれだけなんだ。
笑いたくなるほどシンプルなものでしかない。
でもそれが今は誇らしく思える。
新しい旅を始めた箱庭の中の俺が言った。
「ちょっとのお金と明日のパンツさえあれば!」
それさー 気持ちは解るけどコイン集めするライダーの剽窃だよね 笑
差分1
「個性化」を目指すかの学派では完全なる終結はおそらくない。
これは俺が作りたかった「節目」だ。
今後また学ぶ上で迷う事があったらまた行こうと思う。
差分2
たまたま「ベテランかつ境界例の治療を謳っている心理士」という理由で選んだだけの心理士。
箱庭療法の大家、元祖ではないが本家と言ってもいい臨床心理士という職業を日本に作り出し、文化庁長官も務められた偉大なるユング派臨床家である河合隼雄先生の孫弟子?だったのは僥倖以外の何物でもない。
そもそも俺は自己愛的な部分と激しすぎる気分変調と、何故か妻に抱いてしまう被害妄想と時たまある度を超えた苛立ち、自傷をなんとかするためにコフート派が良かった。
最初にしっかり学んだのはコフート派だったんだ。
自傷以外は似たものを持っていたんだよ、だから感情をトレースし易いし「推察」も当たり易い。決して俺の知的能力が高いわけではないんだ、と最近BPDに「なって」しまった方に言いたい。