残そうとしなくても、残っていくものがある
「猫をかいたい」
ここ数年のむすめの願いである
今年のクリスマスプレゼントにも願っていたが
「サンタさんさすがに生き物はくれないと思うよ」
となんとかなだめた
どうしてそんなに猫を欲しがるのか?
うちに猫はいない、犬もいない、うちの実家にもペットはいない。ただ、5年ほど前まで義理の実家に猫がいた、寿命がきて亡くなった
たまたま泊まりに行っていたむすめが、義理の両親と一緒に、看取ったのだ
それ以来、猫と接したことはほぼない
外に遊びにいった時、公園で猫を見かけるくらい、そんな時でもむすめは
「連れてかえる。」
と言って遊具で遊ぼうともせず、ずっと猫を見張っている
猫を飼ってやらないものだから、猫のぬいぐるみがどんどん増えてゆく、きっと猫を飼うまで増え続けるんだろう…
義理の実家の猫が亡くなったとき、むすめは3歳だった
だから、はっきりとした記憶がない
覚えてはいるけど、どんな猫だったのか、
どんな風に接したのか、思い出として出てくることはない
わたしが覚えているのは、気の強い猫で、わたしがうかつに触ると「シャーッ!!」とすごい顔で怒られたが、小さなむすめが手加減なくさわっても、嫌そうだが、決して怒らなかった
ただただ
猫に触れたときの、ぬくもり
そばにいる、心地よさ
そんなものだけをむすめは覚えてるんじゃないかな、
記憶には残っていない
だけど、感覚がおぼえている
残そうとしなくても、残っていくものがある