その続きを贈らせて/2月24日
先日のキュンキュンドラマ(「恋つづ」)から興味があちこちに飛び火している。
今は主題歌を歌っていた「ヒゲダン」を聴きまくるところに行き着いた。毎日のように「イレーギュラーーーー」をリピートしている。もちろん、その他の曲も。聴けば聴くほど、良い。
Official髭男dism。第一印象は、「読みにくいアーティスト名だなあ」だった、気がする。当時、特に好んで聴いた訳ではなかったが、こちらが求める前に、いつの間にか至る所で「Pretender」が流れまくって、ああ、あの読みにくい名前のアーティストはこんなにヒットしたのか!となった。
そんなにも売れていると、どんな人たちなのか気になってくる。よくよく調べると、バンドメンバーの出身は鳥取・島根だとか。地方の、しかも日本海側の、というだけで、勝手に親近感が湧いてくる。そして、大体の作詞作曲を手がけているボーカル&キーボードの藤原くん(ふじはら、とお読みするらしい)は大学を卒業した後、地元の銀行で2年間営業をしてた経歴もあるとか(Wikipedia情報)。
そんな背景も相まってか、ヒゲダンの歌詞は力強くて、聴く人と同じ目線に立ってくれている曲が多い気がする。「そうそう、その気持ち、わかってくれる?」と思わず言いたくなる言葉を、軽やかなメロディに乗せて、代弁してくれている。
そして言葉の韻の踏み方も絶妙で、聴いていて心地が良い。
音楽の作り方のことは私は詳しくないから語れないが、あの、何度も繰り返し聴きたくなる曲の、そして何度聞いても飽きない曲の数々、多分緻密な音楽的なロジックの要素が、何層にも積み重なって隠されているんだろうな、と素人ながら想像する。
私の感覚では、「ヒゲダン」と「King Gnu」が同じくらいの時期にヒットしてきた印象だった。
単純に比較はできないし完全な主観だけど、「King Gnu」は音楽エリートが集まった、アートの一歩手前の音楽を作ってます、みたいなイメージ。曲を作っている常田さんのぶっちぎったアーティスト感、もはやオペラ歌手みたいな井口くんの歌声、さすが東京藝大。見た目もちょっと派手めの、憧れはするけど絶対に友達になれなさそうなオーラを放っている(まあ、友達になれるわけはないが)。
対して「ヒゲダン」はもっとマイルドな、庶民派な感じ(こちらなら友達になってもらえそう)。その雰囲気は、育ってきた環境もあるのか、売れていてもいい意味でナチュラルな雰囲気をまとったままで、見ていて安心感がある。曲で取り上げるテーマも、一般リスナーの生活や人生に寄り添ったものが多くて、勇気をもらえる。
曲を聴いたイメージは、「King Gnu」の音楽は、遠くの星がビッグバンを起こしていてその弾け飛んだ光を目の当たりにしている感じ、「ヒゲダン」は毎日歩く道の脇に咲く花の美しさと強さに勇気をもらう感じ、自分の受け取り方はこんなところだろうか。
どちらのアーティストも好きだ。素晴らしい音楽を作り上げる才能を持った人たち同士が出会った奇跡に、あんたは誰だよと言われるだろうが、ありがとうと叫びたい。そして、そんな素晴らしい音楽を享受できる時代を共に生きられる幸せよ。
特に彼らは自分と同世代だから尚更、育ってきた時代背景も近しい。これからも、その才能に痺れさせられたり、勇気をもらったりできることを、楽しみに生きていきたい。
いつか、どちらも生音で聴いてみたいなあ。
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