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#読書 トップアスリートの動きは何が違うのか

目的

腕のスイング動作にみられる前腕部のひねりのメカニズムを解明する

解剖学的な複雑さを表す一例

肩関節の三次元運動の不思議をゴッドマンのパラドックスと言う。

90度版
基本肢位から外転90度→水平屈曲90度→伸展90度すると、元の基本肢位ではなく90度内旋した状態で終わる。

180度版
これを180度に拡張すると、基本肢位→伸展180度→伸展180度(内旋されている)→外転すると90度以上は外転できない→よって外転してさらに90度外転するともとの基本肢位へ戻る

ムチのようにしなる投球動作の分析

コッキング期
ワインドアップ期に続くコッキング期(初期・後期)では、まず体を開きながら外転する(肘の屈曲が始まる)。このとき、腕が最大に挙上する前から外旋が始まっている。これは外転だけだと90度までしか上肢を挙上できないが、その前に外旋を加えるとさらに上肢を挙上できるからである。体の開きを戻す体幹部のひねりとともに肩関節が伸展される。そして手が頭部付近まできたところで前腕部に回外が生じている。まとめると、コッキング期は腕を加速させる準備期であり、肩関節では3つの回転が加速方向とは逆に最大の可動範囲で発生している。

フォロースルー期
遠心力、コリオリの力、ジャイロモーメントが関与して発生する運動依存トルクによって、傾いた体幹の近傍で、体幹の軸回転とともにみられる、上腕と前腕による二重振り子が発生する。
リリース直前に内転が行われた際に、この二重振り子の回転面の傾きを変えることになる。つまり、スイング中の上腕の角運動量の方向を変えることになり、そのトルクはジャイロ効果で内旋に働く。同時に前腕の回内も引き起こす。ただし、肘が進展しているほうが内旋と同時に回内が起きやすい。一方で、肘が屈曲していると内旋しても回内が発生しにくい。

速度と正確性のトレーのオフ関係をフィッツの法則と言う。

以上

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