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台湾で学ぶ中国語

私は台湾の中国語を教える先生でした。よくある質問の中で一番多い多いものは…
「台湾で勉強した中国語って通用しますか?」
「やっぱり中国語勉強するなら中国大陸ですよね?」
「漢字が違うから二度手間だな」
「くせとかなまりとか付いちゃいますか?

などなど、台湾で学ぶ中国語に関すること。

台湾と中国大陸の中国語の違いはひとつ、漢字が違うこと。
台湾は画数の多い「繁体字」、中国大陸では「簡体字」を使用しています。

個人的な感想ですが…
台湾の漢字の方が日本語の漢字に近いです。
聞くところによると台湾と日本の漢字の約7~8割はほぼ同じ字体だそうです。
たしかに少しだけ違う漢字や画数がものすごく増える漢字もあります。しかしそれは新出単語として授業などで小テストをする際にいずれにしても覚え込む必要があるので、その時に日本語と簡体字とそれぞれの違いを確認しながら覚えるようにすると頭に入りやすいです。

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台湾でも標準的な発音の中国語(普通語)を学ぶことができます。
ゆる~い発音が台湾の特徴。学校ではピンインが主流です。

台湾の中国語の特徴といえば、ゆるーいこと!
巻き舌音も強くないですし、語尾を「啊(a)」「啦(la)」とか「 耶(ye)」を付けて伸ばすことが多いので、やさしい・かわいらしい雰囲気の発音になるんです。

よく「わかりました、OK」の意味で「好!hǎo」と言いますが、これを台湾ではよく「好啊!hǎo a~」といいます。

これは中国人でさえも台湾の中国語を聞くとそう感じるらしいのですが、女の人が話す場合限定のようで「台湾男性の中国語は女っぽ過ぎて気持ち悪い」という感想も聞いたことがあります(笑)
この語尾に意味はなく、日本語でいう「ね」とか「だよ」というようなものです。

発音記号についても、台湾の人は「注音符号」を使用しています。

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ただし、世界各国で「ピンイン」を使用しているため、台湾の大学付属の語学センターではどこもピンインを使用しています。先生により両方教えてくれる方もいますし、入門クラスなどでは注音符号を一緒に覚えることもあります。でも、よく言われたのが「注音符号で勉強した方が発音がきれいになる」ということです。

台湾語は台湾の方言ですが中国語とはかなりの違いがあるので、
中国語がわかる場合でも聞いてわかるものではありません。

台湾の言語=台湾語なのでは、というイメージを持った方もいますが、現状として台北ではほとんどの方が中国語を話します。年配の方同士などはよく台湾語で会話していますが、今の若者世代では結構話せない人もいます。

一方、地方都市(台中から南部)などでは街中で台湾語を聞く割合が増えます。「台湾語で話す方があたたかい、親近感が湧く」などとあえて台湾語を話す友人の意見を聞いたこともあります。

ただし、地方都市へ留学する場合でももちろんこちらが台湾語がわからないと気付けば中国語で話してくれるので不便などは感じないはずです。

ごくたまに「台湾語を勉強したい」という方もいますが、中国語がわからない状態でいきなり台湾語の勉強を始めるのは難しいと思います。

文法などは中国語と同じで発音だけが違い、さらにその発音は中国語よりも難しいです。中国語の声調は4つであるのに対し、台湾語はなんと8つもあります。でも、台湾語の語彙には日本語起源の語彙がいくつもあるので、よく聞いていると「あ!今の日本語?」ということがありますね

以上、今回は台湾の中国語についていろいろと語ってきましたがいかがでしたでしょうか。


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