酔っ払いが変えてきた歴史
先週は『酔っ払いが変えた世界史』(原書房、ブノワ・フランクバルム著)を読みました。訳本としては読みやすく、かつ面白かったので、もしもこの題名で興味をもたれた方はおすすめします。
本書を読むと、酔っ払いやアルコール中毒により世界史が変わったことが想像以上に多いのだな、と気づかされます。
それも、多くの方の予想通りですが、良くない方に変えています。
若死、座礁、転倒、敗北、暗殺、、、、だいたい良くない二文字のオンパレードです。
そして20世紀後半から、アルコール中毒は「核戦争の危機」という二文字では収まらないスケールの危機にもつながってきます。
本書でよかったことといえば、アルコールのおかげでマルクスとエンゲルスの共産主義の議論が活発になったことくらいでしょうか(これもよかったのかどうか笑)。
一つ感じたのは、アルコールは社会の潤滑油やストレス発散という効能はありつつも、重要な局面や状況ではアルコールにおぼれないことです(適度にするか、適度にすまないなら飲まないことです)。そうした時にアルコールにおぼれたことが、だいたい悲劇につながってきたのです。
本書冒頭では、バークレー校で人類は猿の頃(100万年前⁉)から飲酒の習慣があったという説が紹介されていました。猿の頃からかどうか分かりませんが、かなり歴史が長いのは間違いなく、切っても切れない縁ならばうまく付き合いたいものです。