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時代を動かした一人の人間

今週、旧ソ連の指導者であったゴルバチョフ氏が亡くなられました。数日違いで報じられた稲盛和夫さんのご逝去の訃報とともに、私にとっては大変な衝撃でした。
 
ゴルバチョフ氏が旧ソ連の最高指導者になったのは私が11歳の時でした。さすがにその時はソ連の指導者とかに深い興味を感じていませんでしたが、
 
中学2年頃になると、なんか大きな国のソ連のトップであるゴルバチョフという人が、国を大きく変える改革をやっているらしい、という認識が生まれました。「ペレストロイカ」という名の改革を。
当時、ゴルバチョフ氏が執筆した「ペレストロイカ」という本を買った記憶もあります。さすがに難しすぎて読み切れなかったですが。
 
そうこうしているうちに、1989年に東ヨーロッパに民主化の暴風が吹き荒れます。いわゆる「東欧革命」です。ソ連の衛星国であった東ヨーロッパ諸国の共産党政権が倒れ、民主化されていきました。
ベルリンの壁も壊れ、1990年にはドイツも再統一されました。
 
それもこれも、ゴルバチョフ氏のペレストロイカが生み出した成果でした。
そして、その動き出した時代の流れは、いつしかゴルバチョフ氏自身もとどめることができず、紆余曲折の末に1991年にソ連は崩壊し、ゴルバチョフ氏も権力を失いました。
 
私はこの間10代だったのですが、どこかで一人の人間がここまで時代を動かすことができるのか、と激しい衝撃を受けていたように思います。それが、その後の歴史への興味の一因にもなったかもしれません。
 
2年前、NHKでゴルバチョフ氏を特集した「ゴルバチョフ 老政治家の”遺言”」という番組を観ました。すっかり老けられた様子に少し驚きを感じましたが、その中でも一時代を担った重みを感じました。「自分はどこまでも社会主義者だった」と言われた時の様子と、年末の挨拶をするプーチン氏をテレビでじっと観られている様子がとても印象的でした。
 
この時代を動かされた偉人が、ある意味、今の時代を動かしている継承者をどのように見ていたのか等々、興味は尽きませんが、今はご冥福をお祈りしたいと思います。

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