まずはお客様に何を提供し、どのように貢献して喜んで頂くかが先
先日、アメリカ企業のGEがなぜ衰退し、解体までに至らないといけなかったのかを描いていった「GE帝国衰亡史」を読みました。
今から約20数年前、GEのCEOを務めていたジャックウェルチは経営の神様のように言われ、絶対的なカリスマを誇っていました。時価総額も長いことトップにありました。
それがウェルチの退任後、GEは転落を続けていき、金融危機を挟んで稼ぎ頭であったGEキャピタルを切り離すとともに、多くのグループ会社を整理して事実上の解体に追い込まれます。
本書を読んで感じることは、ウェルチ時代から数値目標ばかり追いかけてしまったことの弊害が大きかったのではないか、ということです。本書ではウェルチ後のCEOのイメルトに7割がた批判的ですが、私はその萌芽はウェルチに頃からあったのではないかと思います。
もちろん、お客様に支持される商品・サービス、事業を展開していった結果として数値目標が実現できていたのなら問題ありませんでした。
しかし、ウェルチからの数値目標のプレッシャーが大きかった各事業部幹部達は、かなり功名な会計のからくりを行ったりしていました。一例として、社外にSPCを構え、そこに資産売却することによって益出しするようなことをしていたといいます。
また、本書を読んで感じるのは、内部昇格等の内部向けには熱心でも、お客様に向き合った事業変革への熱意は感じられませんでした(トップが掲げるデジタル化等への追随には熱心でしたが)。
外部志向よりも内部志向が強い会社の中で数値目標のプレッシャーが強いと、お客様に向いたところではない数値作りに走ってしまうことになるのだと感じました。
まずはお客様に何を提供し、どのように貢献して喜んで頂くのかを突き詰めていくことの大事さを改めて考えました。