14歳の参議院選挙

今、まさに(盛り上がらない)参議院選挙の真っただ中ですが、私が記憶がある中で一番はじめに関心をもった国政選挙も参議院選挙でした。1989年、平成元年の夏に行われた参議院選挙で、私は14歳でした。
 
正直、今回の参議院選挙は後世振返った時に最も盛り上がらなかった国政選挙として記憶されるのではと懸念していますが、この1989年の参議院選挙は、国政選挙史上も最も盛り上がった選挙の一つとして歴史に残っています。
 
当時、リクルート事件というリクルート社を中心とした汚職事件が幅広い政治家を直撃していて、毎日のニュースの中でこの事件が取り上げられない日がなかったほどです。特に、安倍晋三(安倍元首相のお父様)氏や宮澤喜一氏といった次期総理候補と言われていた人達が打撃を受けていました。
 
加えて、消費税の導入が議論されていました。直近の総選挙で中曽根元首相が大型間接税を入れないと言っておきながら当時の竹下内閣が導入しようとしていたこと、また消費税は低所得者層の負担が大きいという野党からの批判もあり、世論の反発も大きいものがありました。
 
リクルート事件に消費税導入という複合的要因から、当時の竹下内閣は極めて低い支持でした。導入された消費税の税率が3%だったのですが、竹下内閣の支持率も消費税並みという、笑うに笑えないニュースが流れていたのを覚えています。
 
消費税の導入の後、竹下内閣が退陣し、宇野内閣が成立したことで、自民党の支持回復が期待されました。しかし、弱り目に祟り目とはこのことで、宇野首相の女性スキャンダルが噴出したのです。
そうした中で参議院選挙に突入したのですが、宇野首相は全く街頭演説に立てず、当時の橋本龍太郎幹事長が事実上党首として選挙を戦いました。後にも先にもこんなことはありません。
 
ちなみに、当時の野党第一党・社会党の党首は土井たか子委員長でした。当時の土井さん人気は凄まじいものがあり、「おたかさん旋風」とまで言われていました。
 
そんなこんなで、踏んだり蹴ったりの自民党は参議院選挙で大敗し、参議院全体でも過半数を割ることになります。
当時はそこまで予測していた人はいなかったと思いますが、実はこの後27年間自民党は参議院の過半数を確保できず、政界再編、連立政権の原因となりました。この選挙がその後の政治に与えた影響は小さくなかったのです。
 
それにしても、当時はまだまだ政治の話題にエネルギーがあったようにも思います。それが14歳だった私に興味をもたらしたのです。今の政治情勢だったら、14歳だった私はそこまで興味をもったかなと感じます。少なくとも、今回の選挙に興味をもてたという自信はもてません。

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