【認知的不協和】「保守派」と「リベラル」を分けるもの【脳の構造】

「保守派」と「リベラル派」における【認知的不協和】

人は生まれたときから、弱肉強食の競争社会の中で生きていかなければならない。その中で様々な【認知的不協和】が生じてくる

◉『古い認知』
「競争に勝たなければならない。負けたら生きる価値がない」「規則ルールを守らなければならない」「子供は親の所有物。親の言うことは絶対。反抗してはならない」「皆と同じでなければならない」「レールを外れたら負け」「甘やかすと、自分勝手な犯罪者になる」など

その『古い価値観』中で、社会的・精神的・物理的圧力の中で、『理想の自分』と『現実の自分』、『自分の価値観』と『親の価値観』、その不協和の中で様々な歪・困難・問題・犯罪・暴力・戦争が生まれてくる

その負の連鎖の中で『古い認知』に疑問を持った者の中から、暴力の連鎖を断ち切るために『新しい認知』が生まれてくる。

◉『新しい認知』
“競争”より“ゆとり”。「1番でなくても良い。失敗しても良い。逃げても良い。頑張らなくても良い。回り道をしても良い。意見を言っても良い。批判しても良い。反抗しても良い。」、個性・自主性の尊重、自由・平等。格差是正。経済成長・開発より人権尊重・自然保護、体罰禁止、死刑廃止⋯

その『古い認知』『新しい認知』の不協和の中で、自分の価値観を正当化するために『古い認知(ピラミッド構造)』を絶対化しようとする「保守派」と、その『古い支配構造』を破壊し、『新しい認知(フラット構造)』を取り入れていこうとする「リベラル派」に分かれていく

「保守派」と「リベラル派」の価値観・思考

自分の『存在=教祖』を守ろうとする「保守派・御用学者・ネトウヨ」に対して、それを壊していこうとする=責任を追及しようとする「リベラル派」に分かれる

保守派は自分の価値観を正当化するために、教祖を守るために認知を改変する
「外国が攻めてくる。スパイが潜んでいる」「マスコミは嘘を言っている。日本を陥れようとしている」「自分は愛国者、批判者は在日。外国に忠誠を違っているに違いない」「国・企業は悪くない。被害者は嘘を言っている(水俣病)」「アベノマスクは意味があった」など

そして、その分かれる原因はどこから来るのか?


「保守派」と「リベラル派」の『脳の構造』の違い

英ロンドン大の研究によると

“リベラル派であるほど『前帯状皮質』の灰白質の容積が大きく、保守派であるほど『右扁桃体』の容積が大きい傾向があることがわかった”

政治的見解はあなたの脳に「組み込まれている」(google翻訳)

“前帯状皮質は複雑性の理解に関連しており、大きい人ほど不確実性や対立への認容性が高く、目新しいものや不確定さを追求する”→リベラル
それに対し
“扁桃体は恐怖心の処理に関連しており、これが大きい人ほど、反感や脅すような表情に敏感で、危機的状況・悪いことが起きそうな状況に対して身体が攻撃的に反応する傾向がある”→保守派

それを図で表してみると、↓のような傾向があると言える

「保守派」と「リベラル派」の脳の構造の違い、傾向

つまり、「保守派」は周囲の脅威に敏感で、自分の存在を守ろうとする防衛本能から『古い認知』を絶対化し、全体主義・排外主義的行動をとりやすい

縁故主義・友達優遇・利権拡大・名誉保身に走り、規則ルールの絶対化・家父長制・夫婦同姓・スパイ防止法・厳罰化・軍備増強などを主張し、他者に強制し、異質者を攻撃・排除することで仲間意識を高め、安心しようとする

それはつまり、「『脅威』に襲われたときの脳の反応と、それにどう対応し、行動するかによって、“保守派”と“リベラル派”に分かれる」と言える

『前頭葉』と『扁桃体』との関係(抑制機能)において
①強・自立抑制行動:客観的視点、原因の追求、科学的思考(リベラル派)
↕《抑制機能》←不安・脅威・ストレス(不況・災害・戦争⋯)
②弱・依存強迫行動:組織の強化・保身、異質者の排除・攻撃(保守派)
の傾向がある

赤脳、青脳: 民主党と共和党では評価プロセスが異なる(google翻訳)

↓参考)


『脳』の構造−「理性」と「本能」の関係

個人差の生まれる仕組み

脳は「知性・社会性等」を司る『理性』と、「感情・欲望等」を司る『本能』に分かれていて、『本能』から湧き出る「感情・欲望」を『理性』が制御コントロールすることによって 人は思考・判断・決定し、行動を起こす

脳の構造

『本能』から湧き出る、「○○が欲しい」「△△をしたい」とか、「他者に勝ちたい」「金持ちになりたい」というような《感情・欲望》に対して、“その目的を達成するためにはどうしたら良いか⋯” “今これをしたらどうなるか⋯”など、様々な選択肢の中から『理性』が客観的・俯瞰的・多角的に見て考える

そこで、「今は必要ない」「身体に害をなす」 などと欲望や感情や行動を抑制したり、「他者に迷惑をかけた」「失敗した」と過去の行動を反省し、もう二度とやらないように注意したり、逆に 「こうすれば解決する」「こっちの方法が良い」などという、意欲・創意・工夫が出てくる

脳の『理性(抑制機能)』の発達=自立

子供の頃は『大脳辺縁系』(本能=感情・欲望)の比重が大きく、生きていくためには、「親に守ってもらいたい。甘えたい。 構ってもらいたい」という思いで一心だったのが⋯

思春期(反抗期)の頃から『前頭葉(抑制機能)』が発達するに連れ、視野を広げ、自分で生き方を判断・選択できるようになり、親の「命令・期待」に対して自分の「意志・信念」を守ろうとする《自立心》が生まれてくる

遊びや勉強など、社会で生きていく中で、いろんな興味や疑問を持ち、冒険や試行錯誤、失敗や挫折をくり返しながら、危機や困難にぶつかった時、「どうしたら解決できるか?」という、いろんな選択肢や可能性を“柔軟”に広げることができるようになる

『自立』とは、いろんな選択肢を増やすこと

●『自立』とは、いろんな依存先を増やすこと
●生きる選択肢を増やすこと
●自分を客観的・俯瞰的に見ることができること
●相手の立場に立って考えることができるようになること

しかし、その脳の成長=「『理性』と『本能』のバランス」には個人差がある。そして、その個人差はどこから生まれてくるのだろうか?

神経伝達物質のバランス異常と《抑制機能》の低下

その『理性』と『本能』の関係(脳神経ネットワーク)を形作っているものは《神経伝達物質》である

その神経伝達物質のバランスは『遺伝的要因』と『環境的要因』で決まり、その中でも、ストレスへの耐性を決める要因として幼少期の育った“環境”が大きく影響し、特に不適切な養育(マルトリ)によって『脳の構造』が大きく変わってくる

神経伝達物質のバランス異常

人間は『強いストレス』がかかったり、『日常的・慢性的なストレス』 がかかり続けると身体がそれに反応し、神経伝達物質のバランスが変化する

ストレスがかかると、ドーパミン、ノルアドレナリンが過剰分泌され、セロトニン欠乏が起こる。その反応は、本来、脳を覚醒させ、集中力・判断力を高め、やる気・意欲・闘争心を向上させる。それは危機に対応するための『防衛本能』であるが、一方で、それが慢性的に続くと「不安・恐怖」を感じる《扁桃体》が活性化され、過敏になる。そうすると、ちょっとしたことでストレスホルモンである「コルチゾール」の分泌量が増加し、その濃度が上昇するにつれて、徐々に脳の神経細胞の活動が低下し、破壊され、海馬が萎縮し、前頭前野の機能が低下し、感情や行動の制御ができなくなる

「ストレス」と脳の異常

そのことが、理性的・合理的・抑制的な判断ができなくなり、キレやすくなったり、非行・犯罪に走ったり、自殺する原因となる

よく犯罪を起こした人⋯体罰・虐待・あおり運転・窃盗・性犯罪・レイプ・汚職事件など、「記憶にない」と否認し、嘘を付き、「自分は悪くない。誰かが自分を陥れようとしている」と、責任を相手になすりつけ、自分の責任を矮小化ようとする

それは
1:前頭前野の(認知・抑制)機能低下
2:扁桃体(不安・恐怖)の過敏・暴走・機能異常
3:(短期的な記憶や情報を制御する)海馬の損傷

などの脳のネットワーク・バランス異常が影響していると考えられる
そのために、自分の行動を客観的に認識できなく、行動を反省し、欲望を抑制できなくなっている

⋯と同時に、都合の悪い記憶を消し去り、都合の良いように書き換える。現実と妄想・願望の区別がつかなくなる。『不安・恐怖』が暴走する中で、自分を正当化するために平気で嘘をつけるサイコパスになる

ためらいなく嘘をつくサイコパスの脳
―収監中の囚人を対象とした脳機能画像研究で実証―(PDF)|京都大学

サイコパス傾向が高いほど嘘をつく際の反応時間が速い傾向にあり、また葛藤の検出などの心理過程に関わるとされる前部帯状回の活動が低いことが明らかになりました。これらの実験結果は、サイコパスがためらうことなく、半ば自動的に嘘をついてしまう傾向があり、その背景に前部帯状回の活動低
下があることを示唆する

ここから分かるのは、自信満々に捲し立てる人ほど、自分は間違わないと言う人ほど、平気で嘘をつける傾向があり、その背景には前部帯状回の活動低下がある

またそれが、人が「保守化」する原因ともなる


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