【認知的不協和理論】「保守派」と「リベラル派」【脳の構造】〜「歴史修正(否認)主義者」の精神構造〜「ネトウヨ」が生まれる仕組み《考察》
Ⅰ.【認知的不協和理論】
★【認知的不協和理論】とは?
【認知的不協和】とは、人が自身の認知(理解・知識・信念・価値観・行動など)とは別の矛盾する認知を抱えた状態、またそのときに覚える不快感やストレスを表す“社会心理学用語”
アメリカの心理学者レオン・フェスティンガーによって提唱された
それによると、人はその“不快感”や“ストレス”を解消したり、低減させようとする心理的圧力がかかり、矛盾する認知の定義を改変したり、過小評価したり、自身の考えや態度や行動を改変しようとする
その考え方を【認知的不協和理論】という
★⟪不協和⟫を解消しようとする行動
1;不協和を低減・解消させるために何らかの圧力(行動)を起こす
具体的には“古い認知”か“新しい認知”のいずれかを否定する傾向にあり
そのどちらかのことが多い
その場合、比較的「変えやすい」方の認知を変えることで、「絶対に変えられない」認知を正当化しようとする
そうして不協和を低減・解消し、自分の行動(選択)を自己正当化しようとする
2;不協和を低減させる圧力の強弱は、不協和の大きさの関数である
不協和の度合いが大きいほど、それに比例して低減させようとする圧力は大きくなる
『自分の価値観』と『周りの価値観』との不協和が大きいほど⋯
『理想の自分』と『現実の自分』との不協和が大きいほど⋯
心の中の『不安・恐怖・不全感・劣等感・不快感・ストレス・怒り』が大きくなり、それを解消しようとする圧力が高まり、冷静になって客観的・論理的・合理的・体系的な思考ができなくなり、短絡的・衝動的・攻撃的・破壊的・暴力的行動をとりやすくなる
★【認知的不協和】の例⋯行動の正当化
ⅰ.タバコの例
認知的不協和の例として、よく知られるのがタバコ
このとき“認知的不協和”が生じる。そこで認知的不協和を解消するためには認知1を変更して
これで不協和が解消できる
しかし、喫煙の多くはニコチンに依存する傾向が強いため、禁煙行為は苦痛を伴い、結局は「禁煙」できない人も多い。その場合は、認知2に修正を加える必要が生じてくる。そこで⋯
「タバコを吸い続ける」という『行動を正当化する』ために、認知4・認知5を付け加えることで、認知2を否認したり、矮小化しようとする。そうすることで、自分にとって都合の悪いことを見えなくする
ⅱ.「酸っぱい葡萄」の例
また同じように、イソップ童話の中に『酸っぱい葡萄』という話がある。お腹を空かせた狐が、葡萄を食べたいのに、高い所にあるために取ることができず、諦める話で⋯
この不協和を解消するために、狐は『新しい認知』を追加する
そう決めつけることで、認知2の葡萄を取れなかったという“動かすことが出来ない事実(失敗)”を正当化し、不協和を解消しようとする。そこでは、失敗を失敗と認めない、失敗と認識できなくなる
ⅲ.「甘いレモン」の例
「酸っぱいブドウ」の対として挙げられるのが「甘いレモン」で、甘い果物が食べたいのに、やっと手に入れたのはレモンだった
このとき認知的不協和が生じる。そこで
「このレモンは甘い」と思い込むことで、認知的不協和を解消しようとする。そうして、自分の行動を正当化しようとする
ⅳ.地震の後に『デマ・噂・流言』が拡散する原因
人は自分の中の不協和が大きいほど、不協和を解消しようとする心理的圧力が強まり、冷静になって客観的・論理的・合理的な思考することができなくなり、感情的・短絡的・衝動的になる。つまり
そうすることによって、自分の中にある認知的不協和を解消しようとする
それが地震の後の『デマ・噂・流言』が広まる原因となる
自分の中の“不安・恐怖”を正当化するために、“デマ・噂・流言”を信じ、それを吹聴・拡散する(不安を煽る)ことで、『自分』と『周り』の不協和を解消しようとする
地震の後の混乱の中で
「自分の感情・価値観・行動」と「周りの雰囲気・価値観・行動」の間の不協和が拡大するうちに、自分を正当化したいという防衛本能が働き、“デマ・噂・流言”を信じ、拡散し、周囲の不安を煽ることで不協和を解消しようとする
つまり、自分の心の中の「不安・恐怖」が大きいほど“デマ・噂・流言”を信じ込み、それを拡散し、周囲の不安を煽ることで『自分の感情』を正当化しようとする
ⅴ.洗脳
✳「カルト宗教」
このとき認知的不協和が生じる。もし、認知2が少額であれば、「騙された」と信者を辞めれば良いが、全財産を処分し、行く所がない場合、不協和を解消する手段として、『新しい認知4』を追加する
つまり、「行く所がなく、教団に残るという行動」を正当化するために『新しい認知』を追加する
✳「ブラック企業」
このとき認知的不協和が生じる。このとき、例えば、賃金が高ければ、不協和は低く我慢ができるのだが、それは到底無理そう⋯。そのとき不協和を解消するために『新しい認知』を追加する
そうして自分の「仕事を続けるという行動」を正当化する
✳体罰・虐待・DV
それは体罰・虐待・DVでも同じで、常に殴られ続けている人(子ども)は、いずれ殴られていることを正当化するようになる
「自分が悪いから殴られているんだ。親は自分を愛しているんだ」
そうしていつの間にか体罰を正当化するように認知を改変する
↓
「殴られる方が悪い。体罰によってまともな人間になる」「甘やかすと非行に走る」「子どもが親に従うのは当然」「家庭が大事」など
★まとめ。【認知的不協和理論】とは
「自分の行動は正しい」と主張するために、「昔は良かった。今の若者は甘やかされている」と言いたがる
自分の中の不協和が大きい人ほど、「あの人は○○だ」と、常に他者の悪口・噂話を言い、他者を批判し、誹謗中傷することで、自分の行動の正当性を主張し、快感・万能感・優越感・安心感を得ようとする
自分の中の『不安・恐怖・不快感・不全感』が大きいほど、「認めてもらいたい。否定されたくない」という思いが強いほど、客観的・合理的・論理的・体系的思考失われ、騙されやすく、デマを信じやすく、陰謀論に嵌りやすく、簡単にコントロールされやすくなる
Ⅱ.【認知的不協和理論】「保守派」と「リベラル派」
★【『古い認知』の絶対化】と【「体罰・虐待・暴力」の連鎖】
人は生まれたときから、弱肉強食の競争社会の中で生きていかなければならない。その中で様々な【認知的不協和】が生じてくる。(それはどんな国家・地域・政治体制・組織・企業でも、どんな時代でも同じ)
その「古い価値観=社会的・精神的・物理的圧力」の中で、『理想の自分』と『現実の自分』、『自分の価値観』と『親の価値観』、その不協和の中で様々な問題・犯罪・暴力が生まれてくる
その負の連鎖(体罰・虐待の連鎖)の中で『古い認知』に疑問を持った者の中から、暴力の連鎖を断ち切るために『新しい認知』が生まれてくる
その『古い認知』と『新しい認知』の不協和の中で、自分の行動を正当化するために『古い認知』を絶対化しようとする「保守派」と、その『古い認知』を懐疑し、『新しい認知』を取り入れていこうとする「リベラル派」に分かれていく
“自分の存在=権力者・組織=ピラミッド支配構造”を守ろうとする「保守派・御用学者・ネトウヨ」に対して、その構造を改革し、権力者の責任を追及しようとする「リベラル派」に分かれる
自分の行動(「国の為に死ぬ」=暴力・軍国主義・大日本帝国・靖国神社)を正当化しようとする保守派(改憲派)と、戦争の反省から、その暴力(戦争)の連鎖を断ち切ろとするリベラル派(護憲派)に分かれる
そして保守派は自分の行動(暴力)を正当化しようとする「認知バイアス」がかかり、認知を改変する
その主張の裏には、『ピラミッド支配構造(権威主義・軍国主義・全体主義=大日本帝国)』を絶対化しようとするバイアスがかかっている
その「保守派」と「リベラル派」に分かれる原因はどこから来るのか?
★「保守派」と「リベラル派」の『脳の構造』の違い
英ロンドン大の研究によると
それを図で表してみると、↓のような傾向があると言える
縁故主義・友達優遇・利権拡大・地位保身に走り、規則の絶対化・家父長制・男尊女卑・夫婦同姓・スパイ防止法・厳罰化・軍備増強などを主張し、他者に強制し、異質者を攻撃・排除することで仲間意識を高め安心しようとする
それはつまり、「『問題』が生じたとき、あるいは『脅威(不安・恐怖)』に襲われたときの脳の反応と、それにどう対応し、行動するかによって、“保守派”と“リベラル派”に分かれる」と言える
『前頭葉』と『扁桃体』との関係(抑制機能)において
という傾向があると言えるだろう
つまり、不協和が増大したとき⋯
例えば、
『古い認知』と『新しい認知』
『信じてきた認知』と『否定する認知』
『自分の常識』と『他者の常識』
『自分の行動』と『他者の行動』
『理想の自分』と『現実の自分』
『成功・勝利』と『失敗・敗北』
など、自分の思い通りに行かないとき、どのようにして、その不協和を解消しようとするか⋯、
①「自分は間違っていない。すべて他者が悪い」と思うのか⋯、
②「自分は間違っていた。行動を改めよう」と考えるのか⋯
それはその人の《脳の構造》によって決定されると言っていいだろう
[例えば、地球温暖化に対して、①「地球温暖化なんて嘘だ、経済成長や自然開発を優先すべきだ」とするか、②「行動を改めて、CO2を削減すべきだ」とするかに分かれる。それは公共事業にしても、①過去の決定(既得権益)に拘るか、②新しい時代の変化に対応し、行動(考え)を変えるか]
そして、それが「保守派」と「リベラル派」に分かれる原因となる
Ⅲ.脳の構造−『理性』と『本能』の関係
★『理性』と『本能』の関係
脳は「知性・社会性等」を司る『理性』と、「感情・欲望等」を司る『本能』に分かれていて、『本能』から湧き出る「感情・欲望」を『理性』が制御コントロールすることによって 人は思考・判断・決定し、行動を起こす
『本能』から湧き出る、「○○が欲しい」「△△をしたい」とか、「他者に勝ちたい」「金持ちになりたい」というような《感情・欲望》に対して、“その目的を達成するためにはどうしたら良いか⋯” “今これをしたらどうなるか⋯”など、様々な選択肢の中から『理性』が客観的・俯瞰的・多角的に見て考える
そこで「今は必要ない」「身体に害をなす」 などと欲望や感情や行動を抑制したり、「他者に迷惑をかけた」「失敗した」などと過去の行動を反省し、もう二度とやらないように注意したり、逆に 「こうすれば解決する」「こっちの方法が良い」などという意欲・創意・工夫が出てくる
★脳の発達―「自立するということ」
子供の頃は『大脳辺縁系(本能)』の比重が大きく、生きていくためには、「親に守ってもらいたい。甘えたい。 構ってもらいたい」という思いで一心だったのが、思春期(反抗期)の頃から『前頭葉(理性・抑制機能)』が発達するに連れ、視野を広げ、自分で生き方を判断・選択できるようになり、親の「命令・期待」に対して自分の「意志・信念」を守ろうとする《自立心》が生まれてくる
遊びや勉強など、社会で生きていく中でいろんな興味や疑問を持ち、冒険や試行錯誤、失敗や挫折をくり返しながら、危機や困難にぶつかった時、「どうしたら解決できるか?」という、いろんな選択肢や可能性を“柔軟”に広げることができるようになる
しかし、その脳の成長には個人差がある。そして、その個人差はどこから来るのだろうか?
★神経伝達物質バランスの異常
その『理性』と『本能』の関係(脳神経ネットワーク)を形作っているものは“神経伝達物質”である
そして、その神経伝達物質のバランスは『遺伝的要因』と『環境的要因』で決まり、その中でもストレスへの耐性を決める要因として幼少期の育った“環境”が大きく影響し、特に不適切な養育(マルトリ)によって『脳の構造』が大きく変わってくる
人間は『強いストレス』がかかったり、『日常的・慢性的なストレス』がかかり続けると、身体がそれに反応し、神経伝達物質のバランスが変化する
ストレスがかかると、ドーパミン、ノルアドレナリンが過剰分泌され、セロトニン欠乏が起こる。その反応は、本来、脳を覚醒させ、集中力・判断力を高め、やる気・意欲・闘争心を向上させる。それは危機に対応するための『防衛本能』であるが、一方で、それが慢性的に続くと「不安・恐怖」を感じる《扁桃体》が活性化され、過敏になる
そうすると、ちょっとしたことでストレスホルモンである「コルチゾール」の分泌量が増加し、その濃度が上昇するにつれて、徐々に脳の神経細胞の活動が低下し、海馬が萎縮し、前頭前野の機能が低下し、感情の制御ができなくなる
そのことが、理性的・合理的・抑制的な判断ができなくなり、すぐにキレたり、非行に走ったり、自殺する原因となる
よく犯罪を起こした人⋯体罰・虐待・あおり運転・窃盗・性犯罪・レイプ・汚職事件など、「記憶にない」と否認し、嘘を付き、「自分は悪くない。誰かが自分を陥れようとしている」と、責任を相手になすりつけ、自分の責任を矮小化ようとする
それは
などの脳のネットワーク・バランス異常が影響していると考えられる
そのために、自分の行動を客観的に認識できなく、行動を反省し、欲望を抑制できなくなっている
⋯と同時に、都合の悪い記憶を消し去り、都合の良いように書き換える。現実と妄想・願望の区別がつかなくなる
『不安・恐怖』が暴走する中で、自分を正当化するために平気で嘘をつけるサイコパスになる。嘘をつくことに躊躇・葛藤がなくなる
ここから分かるのは、自信満々で饒舌な人ほど、「優越の錯覚」が強い人ほど、平気で嘘をつける傾向があり、その背景には『前部帯状回』の活動低下がある
またそれが、人が「保守化」する原因ともなる
そこでは“受験競争”の中で勝ち残っていったエリートが、権力者や組織を守るために、平気で嘘をつき、不正を働くようになる
国は『不況・貧困・災害・戦争⋯』が続く中で「右傾化」しやすくなる。それは「不安・恐怖」が増大する中で自分の存在を「正当化したい」という心理的メカニズム(防衛本能)がある
Ⅳ.『愛国心』という【依存状態】
★【優越の錯覚】ダニング=クルーガー効果【依存状態】
受験競争や体育会系、あるいは企業や官僚機構などの『ピラミッド支配構造』の中で、「競争に勝たなければならない。負けたら生きる価値がない」というような社会的・精神的・物理的圧力(ストレス・不安・恐怖)の中で、ひたすら頂上を目指し、「勝った、負けた」と繰り返していくうちに、いつの間にかその『ピラミッド支配構造』を絶対化するようになる
そこでは、他者との「比較・競争・勝敗・強弱・優劣」が価値の全てとなり、“人に勝つこと”、“強者=権力者に認められること”が喜び(快感)となる
そうして、いつの間にか脳が【依存状態】になっていく
そこでは、「勝ちたい、認められたい、否定されたくない」というような欲望(承認欲求・優越欲求)に支配され、1度その『報酬系の回路』が出来上がると、その“快感”を求めて、無意識の内に身体が行動を起こし、「やめたくても、やめられない」状態になり、自分の行動や感情を制御・抑制できなくなる
それは、ギャンブル・DV・体罰・虐め・煽り運転・買い物(ブランド・車など)・SNS(拡散)・痴漢・万引き・自傷行為などと同じで、その根底にはストレスなどによる前頭葉の機能低下と、扁桃体の活性化に伴う「不安・恐怖・不全感・劣等感」の暴走とがある
そこで、その「不安・恐怖・不全感・劣等感」を解消しようとする心理的メカニズムが発動し 「快感・万能感・優越感・安心感」を求め、無意識に身体が動き出す。⋯それが、“物質依存・行動依存・人間関係依存”だったりする
その心理的メカニズムの中で、何か大きなもの(神・教祖・親分など)に依存しようとする防衛本能が暴走し、その『ピラミッド構造(組織・権力者)』と同一化することで安心感・優越感・万能感を得ようとする
競争社会の中でストレスが強まるとともに神経伝達物質のバランスが崩れ、組織・権威への“依存”=【愛国心】(忠誠欲・服従欲)が強まるに連れ、【優越の錯覚】(ダニング=クルーガー効果:自分は正しい、間違わない)、【被害妄想】(誰かが自分を陥れようとしている)が強まっていく→カルトなど
そうして客観的視点が失われ、論理的・体系的・多角的・科学的思考ができなくなる。自分の保身と、権力者・企業・組織・既得権益を守ることが全てとなる
(例、水俣病における「御用学者」=アミン説・爆薬説)
★御用学者―「権力志向」と「反権力志向」
『古い認知』の中で、「勝ちたい、負けたくない、否定されたくない、認められたい」という思いの中で、『ピラミッド権力支配構造』に依存し、その構造を正当化・絶対化しようとする
そして、その自分の行動(忠誠欲・服従欲、支配欲・コントロール欲)を正当化するために認知を改変する
「“国の為に死ぬ”ことが正義」「国旗国歌を敬うのが常識」「夫婦同姓が日本の伝統」「靖国神社は日本の古くからの文化」「特攻のおかげで今の日本の平和繁栄がある」「マイナカードが普及すれば便利になる」など
その『とんでも校則・規則・道徳・靖国神社など』を守る(参拝する)ことで、組織・権力者への「忠誠欲・服従欲」を満たすと伴に、それを他者に守らせる(強制する)ことで、「支配欲・コントロール欲」を満たそうとする→【権力志向】
「自分の存在を正当化すること=その“権力構造(教祖・組織)”を絶対化すること」で、万能感・優越感・安心感を得ようとする“認知バイアス(確証バイアス)”がかかり、「企業や権力を批判し、責任を追及する者たち=その構造を壊そうとする者たち(リベラル・野党・学者・弱者・被害者・少数者)」に対して、自分を守ろうとする『防衛本能』から攻撃的になる
そこでは、“権力者に気に入られること”が全てとなり、権力者に“媚を売る”と同時に、反対者・被害者・少数者に対して、より過激に“誹謗中傷”することで、仲間に自分の『存在価値』を誇示しようとする。そして自己陶酔し、脳の抑制機能が低下し、自分を客観的に見れなくなり、他者に対する共感能力が失われ、行動が酷くなっていく
しかし、どんなに他者を攻撃・誹謗中傷しても、潜在意識の中にある「不安・恐怖・劣等感」は治まることはない。「自分は強い。優秀」という優越感・万能感を得るためには、常に⟪強者・権力者⟫側に立ち、⟪弱者・少数者⟫を攻撃し続けなければならない。そしてその時使う『防衛機制』は、「悪い(弱い)自分」の【否認】と、【投影性同一視】である
★【否認】と【投影性同一視】(防衛機制)
つまり、【投影性同一視】は自分の無意識の中の⟪悪⟫を写す鏡と言える
それらは、鏡に写った本当の自分の姿。「悪い自分」を否認し、それを相手に押し付けて非難・攻撃することで、自分の行動・差別・欲望を正当化しようとする
例えば⋯
最近、「“LGBT法案”が通ると、女性トイレや風呂に男が入ってくる」というような言説が盛んに拡散され、人の不安・恐怖を煽ることで、自分の差別を正当化しようとする動きが見られる。それは「野党が勝つと、中国が攻めてくる」と同じで、それも、1つの【投影性同一視】だと言える
つまり、自分が他者にやっている(やってきた)ことを、相手(トランスジェンダー女性・少数者・弱者・批判者・野党・在日外国人・仮想敵国)に投影し攻撃することで自分の差別を正当化しようとする
★【歴史否認主義】と【認知的不協和】
「悪い自分」の【否認】と、「自分は間違わない」という【優越の錯覚】と、「批判者は自分達を支配しようとしている」という【投影性同一視】は、自分の心を守ろうとする心理的メカニズム(防衛本能)から来ている
そして、それは国家についても同じことが言える
「虐殺はなかった」という【歴史否認主義】と、「日本スゴイ。日本は神の国・優秀」という【選民思想】と、「日本を陥れようとしている」という【嫌韓・反中・反共主義】は同じ『脳の構造』からきている
そこでは、「自分の行動(依存)を正当化したい、否定されたくない」という思いが強くなり、「大日本帝国」を理想化し、日本の侵略は「良い侵略(アジア解放)」、中国・ロシアの弾圧・侵略は「悪い侵略」というような【認知の歪み】が生じる
★「御用学者」「ネトウヨ」の【認知的不協和】
自分の心の中の「不安・恐怖・不全感・劣等感」を解消し、「万能感・優越感」を得るために⟪強者・教祖・権力者・組織⟫に同一化し、⟪弱者・少数者⟫を攻撃しようとする
自分の行動(依存)を正当化し、《不協和》を解消するためには、「国は悪い事をした」という(事実)を否認するしかない。「特攻隊は無駄死にだった。指導者は無能だった」では、自分の行動が否定されることになる。そこで、自分の行動を正当化するために認知を改変する
それらは、自分の「行動(依存)」を正当化しようとする心理的メカニズムから生まれる
自分の中の「不安・恐怖」を正当化するために、そして、自分の依存する権力構造・権威主義・全体主義・軍国主義を正当化するために、「不安・恐怖・憎悪」を煽って、他者を支配・コントロールしようとする
人は、無意識の内に「不安・恐怖」を煽ることによって、他者を支配・コントロールしようとする
(例えば、無意識の内に子供に対して「○○に怒られるよ」とか「✕✕が心配しているよ」とか「✕✕ちゃんはできるのに⋯」と言うことで、自分の思い通り動くように仕向ける。誘導しようとする
同じように、マイナカード取得させるために=支配欲を正当化するために、無意識の内に「不安・恐怖」を煽る)
自分の中の「不安・恐怖」が暴走する中で、⟪教祖・権力者・組織・国家⟫と自己同一化(盲従・服従)するとともに、⟪他者・子ども・少数者・弱者⟫を「支配・コントロール」しようとする欲望が暴走し、ファシズムに向かっていく