あなたの声に
私は自分の繊細な性質に気づいた時、私と同じような人達の共通点を発見した。
それは「声」である。
声が聞いていてとても落ち着くのである。
優しくて、ほっとする声質。
自分の声も、ありがたい事に褒められることが多いので、人を緊張から解す、声音というのがあるのかもしれない。(実際のところ、以前は自分の声は好きになれなかった)
人それぞれ好みがあるので、もちろん万人受けはしないが、
あなたの話し声が好き、と言われると嬉しいものだ。
今思い返す、出会ってきた優しい人々の声は、
眠れない時に呪文のように、脳内に再生する。
学校を卒業した後、あの優しい子はどうしてるかな…(ラジオから囁くように聞こえる、少し低めな優しい声)、
すでに亡くなった人(本当に私の事を心配したり、励ましたりしてくれた優しい声)
…には感謝の気持ちを思い返す。
一時苦しい事を忘れて、幸せな時間である。
この声判断は、割と繊細なHSPの人達のなかでは、常識的に言われてて、相手を判断する基準になるみたいだ。確かに実際に今まで攻撃してきた人達の声はキンキンしていて、わざと作ったように可愛らしくしゃべっていた。
今もそんな声を聞くと、私の中の腹黒レーダーが発動するので(新しい職場にいく度)、便利である。
声つながりで、私の好きなオペラの一曲は、
サムソンとデリラの”あなたの声に心はひらく“である。
このメゾソプラノが耳に心地よくて、メロディーも美しくて良い。
また、魔性の女のデリラの歌に対して、サムソンの歌い方は間抜けっぽくて、
ファム・ファタルにぞっこんな感じが面白い。(ごめんよ、サムソン)。
確か映画も昔レンタルして観たが、
サムソン、君はどうしてそんなに危機感ないの?ってくらい、
あっさりデリラに髪の毛を切られてしまう。
今も昔も、そんな単純さが微笑ましいと思うと同時に、変わらない人間の性に呆れるのだが、
あんな美女で、美声だったら、自分でもデリラの餌食になってると思うから仕方ない。
そんな感じで、私も私にぞっこんなってくれる
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