宇宙(ソラ)より高いこいのぼり
地球のこと、宇宙のこと。
考えてたんだ。
そういうタイミングって、たまにあるよね。
どのタイミング?
ちょっとぼくにお付き合いくださいませんか。
スナッキンが久しぶりに、夜の散歩に誘ってくれた。
余った青色の絵の具があったとき。
空を描いたとき。
空だとは思ってなかったけれど。
大きな画用紙を用意したけれど、そちらではなく。
捨てちゃうともったいないからと、見渡した。
この小さなハガキにぽってりと青色をおいた。
中に、こいのぼりがシルエットで見えた気がした。
45億年前には、僕のカケラはこんなことは想像しなかった。
存在すらしなかった。
80億年後、消滅するこの星を最後まで見守ろうと僕のカケラが静かに息を呑んでいる。
もう僕ではないけれど。
生きる死ぬのはなしも、愛も、ぼくたちのいる場所は、ほんの一瞬の輝きの中。
どれだけ時間が経っても、そのぶんの記憶はこの体の中に、螺旋状に存在する。
耳元で、大きな音が聞こえだす。
轟音。
オーケストラがケンカしているような、それなのに完璧な音。
痺れるような波動。
打ち付ける痛い雨。
そこへ近付いてはいけないという感覚。
そんなことがたくさんあった。
その中から選んできた。
道。
やむを得ずこうなった。
諦めたこともあった。
必然的なことだった、、そんな仮説に安心した。
今の後ろには必ず跡が残る。
絶滅と進化の途中に、取るに足らない小さなカケラ。
これ以上分けることのできない、カケラ。
手を伸ばせ。
求めて。
繋がりを。
光を。
光が。
光に。
届け。
不安が押し寄せる。
確実な最後の日を。
優しい雲が隠している。
迷うなら教えてあげよう。
呼吸をすることくらいでいい。
それがせいぜいな役割だから。
生き続けるんだ。
僕たちを構成するもの、カケラ。
僕たちを動かすもの、カケラ。
僕たちは宇宙。大きなカケラ。
AI?
自ら複製するんだって?
それって、、
ビーーー。。。
いつか会いたいね。
あ、もう。
はやっ。
あの人だよ、ね。
あの人、未来からきたの?
なんか、へんじゃない?
うん、へんだね。
そうか、言いにきたんだ。
ぼくがそのことすっかり忘れてるって。
最近よく忘れるんだよね。
あそこから昨日着いたの、リュウグウだっけ。
スナッキンがニヤッと笑っている。
オマエヤットキヅイタ
イッシュンガムゲンニアル
オマエノナカニミンナイル
あれ、スナッキン?
今日は、SFなの?
おっきな青い球。
こいのぼりだね。
そうだね。
こいのぼりだね。
どこまでも高いこいのぼり
子どもたちも大人たちも
おもしろそうに泳いでる
何億年先でも、泳いでる。
君に見つけてほしいな。
このカケラを。
*****
今日はちょっと嬉しい気分だと、言っています。
スナッキンのカケラ、見つけたらしいんです。
お付き合いくださってありがとうございます😊
ではまた🥰
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