研修デザインハンドブックを読んでみた①
ここ最近研修を受けたり、研修っぽいものを作ってみたり、これから研修を作る予定があったりと、2022年は何かと研修がキーワードになりそうな気がした。そこで研修を設計、デザインしていくうえでどんなことが必要になってくるのか、何をしなければいけないのかを知るために「研修 デザイン」で調べたら「研修デザインハンドブック」が一番上に来たので、ざっと読んでみた。
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1.良い研修とはどんな研修か
「良い研修」といわれたらどんな研修だろうか。私はみんなが満足感がある研修だと最初に思いついた。研修を受ける受講者が満足する、つまり欲しい情報が得られた、もしくは使えそうな情報が得られたと思ったから満足したと考えているからだ。しかし、早速研修に対する誤解という3つのポイントで自身の認識を改めさせられた。
早速私の認識が崩れた。一見よい評価をもらって、いい研修であるように思えるが、いくらいい話をしてインパクトに残る話を聞いたところで実践に結びつかなければ意味がない。参加者側には一過性の体験しかできず、現場に戻っても研修前と後で変化がない。これでは研修の意味がない。無駄になっている。ここまで言えばお気づきだろう。良い研修というのは「結果を出すために行うもの」。研修で得られた知識やスキルを、現場で活用し何かどこかしらで参加者が貢献し結果が出たときにはじめて研修の目的が達成されて、良い研修となると述べている。かなり難しいように思うが、確かに知識のインプットしただけではあまり意味がないと思う。研修内容をどこかに活かして初めて研修に意味が出る。この文だけで私は、研修を受けるとき何か持ち帰って活用してやるぞ!とより一層強く思った。
2.学習の法則
かなり独特な法則であるが、簡単に説明していく。大人は本を読んだり、話を聞くことで学ぶことが求められている。しかし、子供のころはいろんなことを体験して学ばなかったか?今思えば絶対やらないだろということも、実際にやって確かめてみたりしなかっただろうか?
私はある。小学生の頃の話だ。1、2か月くらいのブームであったが、うちの実家では缶の三ツ矢サイダーが流行っていて毎回箱で買っていた。特に何の気なしに飲んでいたが、突然不意に「この三ツ矢サイダーを鼻から飲んだらどうなるんだろう」という好奇心が押し寄せた。押し寄せまくった。小学生であったが結果が目に見えている。そう自分自身どうなるかわかっていた。しかし、もしかしたら炭酸のさわやかさですっきりするかもしれない。味を感じるかもしれない。となぜか訳の分からない理由付けをして実際にやってみた。フゴォ!という音とともに計り知れないつぶつぶの痛みが鼻を駆け巡った。二度とやるまいと心に誓った。
謎の体験談を挟んでいるが、何が言いたいかというと体験や経験は忘れにくく、学ぶことが多いということだ。体験を通して学ぶことは子供の特権ではない。大人だって同じことだ。研修だって、実際にワークをしてみたり自分の経験を話してみたり主体的に感じれば学びは深くなる。それを法則1では言っているのだ。
法則2、3、4に関しては文章だけでなるほどねと思ったり、理解出来たりすると思われるので割愛する。気になる方は読んでみてほしい。
問題は法則5である。キャッチーすぎるタイトルだが、キャッチーすぎて内容がわからん。実際の中身としてはこうだ。中国のことわざからヒントを得た法則らしいが、要約すると自分が習得したことを他の人に教えられるレベルになって本当に習得したと言える。法則4と似たところもあるが、結局のところ研修を受けて、実際に行動するところまでデザインするのが本当の研修の姿であるとここで言っている。
3.90/20/8
何の数字ですかいきなり?と思うと思いますが、これは学習に適した時間配分を端的に表したもの。まず人間の脳が集中をキープできるのは「90分」までといわれているらしい。90分たったら休憩をはさみ、脳も休息させなくてはなりません。じゃあ90分区切りで座学をやればいいのか!と思いますが、そうは問屋が卸しません。
大人が記憶を保持しながら話を聞くことができるのは「20分」といわれているらしい。20分ごとにリビジットを行う。リビジットは「復習」「おさらい」といった意味を持つらしい。参加者自身が復習をすることをリビジットとここでは定義している。20分ごとに重要な点は繰り返させるようにします。
さらに8分ごとに参加者を研修に参加させる。人間の脳は受け身な状態は10分以上続くと興味を失い始めるらしい。そのため8分が経過したら情報のインプットをやめ、今までやったことを振り返ったり、まとめさせたり、重要な点を繰り返したりをして実際に手を動かしてもらう時間をつくる。
ここから研修の理想的な構成として90/20/8というようになるようだ。
次回
CSRやEATと呼ばれる研修の構成方法について話をしていく。
今回は一旦ここまで。