ボタン電池を飲み込んでしまったら
お子様が異物を飲み込んでしまったら心配ですよね。特にボタン電池は危ないと言われていて、お医者さんでもおどおどする人がいます。しかし、おどおどする必要はありません。
こちらのガイドライン(英語で済みません)を見ていただくと分かりやすいです。
アルゴリズムになっています。UpToDateに引用されているので確かです。
UpToDateはアメリカの会社がやっている電子版の教科書で、頻繁に内容が更新され、非常にレベルの高い資料です。1年で数万円と有料かつ高額ですが、最新版の教科書を買い続けるのに比べたら安いと思って私は個人で購読しています。今勤めている病院では、病院のネットからアクセスすれば無料で見られるようになっています(が自宅でも見られるように個人購読は続けています)。「UpToDateに書かれていた」と言えば、反論出来る人は少ないです。よって、私は水戸のご老公と呼んでいます。
話がそれましたが、簡単に言えば、症状がなく、ボタン電池が食道(気管、耳や鼻もそうですが)に存在しなければ、経過観察で良いです(胃に電池があった場合に経過観察で良いかどうかは議論があるようです)。ボタン電池の種類とかは関係ありません。食道にあるか否かはレントゲンなどを撮らないとなかなか分からないので、いつでも病院に来て頂ければ大丈夫です。飲み込んだと思われる別の電池などを一緒に持ってきて頂けると嬉しいです。
病院に来るまでに出来ることは、蜂蜜を飲ませることです。これについては別の記事に記載します。1歳以下の子どもには飲ませてはいけないですよ。
ちなみにボタン電池の記号は意味があり、こちらに詳しいですが、[層数][電池系][形状][寸法]で表されるそうです。[層数]はほとんど記載される必要がない電池が多いようで、[電池系][形状][寸法]となります。
[電池系]は、CとLしか見たことがないような気がしますが、他にも色々あるようです。リチウム電池は起電力が大きいので危ないと言われますが、それはBとCの電池です。Gもリチウム電池ですが起電力が他の電池と同じく低いです。
[形状]は現時点ではRの円形のものしか売られていないようです。
[寸法]は色々ですが、CR48と言う電池があれば、直径は7.9mmで、厚みが5.4mmと決まっているようです。なぜ48という電池を選んだかと言えば、何故か46がなかったからです。NGZ46という電池があったら売れると思いますが(エネループのキャンペーンをしていた時はたくさんエネループを買ってしまいました)。数字が3桁以上であれば、後ろ2桁は厚み(10分の1ミリ)だそうです。CR927と言う電池は二酸化マンガンリチウム電池で、直径が9mm、厚みが2.7mmの電池と言うことです。直径が20mm以上の電池も危ないと言われているらしく、CR2012等という電池は直径20mmで厚みが1.2mmということです。
小さなお子様や高齢の方がおられる場所では、BとCがつく電池、そして直径が20mm以上の、特にBR2○○○、CR2○○○と言う電池は出来るだけ使わないようにしましょう。LR2○○○という電池も理論上はありえますが、先ほどのWikipediaには載っていませんでしたので、存在しないのかも知れません。
再度まとめます。
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