ワインの歴史
みなさん、ワインはどのような時に飲んでいますか?クリスマスやバレンタインのような特別な日、もしくは日常的に飲んでいる方もおられるでしょう。そんな世界全体で飲まれているワインはどのように生まれ、どのように広まったのでしょう。
今回はワインの歴史について記したいと思います。
目次
1 世界最古のワイン遺跡がコーカサス地方ジョージアで発見?
2 古代ワイン
3 中世ワイン
4 近代ワイン
5 日本にワインを伝えたのは誰もが知っているあの人?
6 ワインの格付けはナポレオン3世が始めた?
7 ワインの産地
8 ニューワールドワイン
9 日本ワインの可能性
世界最古のワイン遺跡がコーカサス地方ジョージアで発見?
PNASの2017年11月13日の発表によると、コーカサス地方ジョージアで紀元前6000年頃(8000年前)のワイン製造の遺跡(ガダチリリ・ゴラ)が発見された。
この発見は、イランのザクロス山脈で見つかっていた遺跡の1000年前のものとなる。
この時代のワインはなんの手も加えていない超純粋なワインだった。その後、いろいろ研究がされ、酸化を防止するために松脂やハーブ使われ始める。今では、酸化防止剤(亜硫酸)が使われている。
古代ワイン
ワインは原産地のコーカサス地方からエジプトに伝わり、そこからフェニキア人、ギリシア人によって地中海・世界全域に伝わったとされる。紀元前3000年前にはエジプト文明のピラミッドの壁画にブドウの収穫が描かれていた。
また、古代メソポタミアの文学作品のギルガメッシュ叙事詩の中にもワインに関しての記述があった。
そして、ローマ帝国に伝わってからは、当時の皇帝カエサル(シーザー)がヨーロッパ各地に侵攻し、広大な地にブドウ農園をつくったとされる。
中世ワイン
中世のヨーロッパは激しい乱戦により、ローマ帝国が滅んでからは暗黒時代と言われている。
そんな中、ローマ帝国時代の華やかな文化を保護したのはキリスト教の教会、修道院の人たちだった。現在、ヨーロッパの各地にあるシャトーというのは当時の修道院から始まったものだった。
ワインはキリスト教によって支えられ、進化してきた。
余談ですが、イエス・キリストは最後の晩餐でこのワインは私の血だ!と弟子たちに言っていたそうです。それを聞いてユダはどう思っていたのでしょう?(笑)
近代ワイン
現在の新世界(ニューワールド)ワインはヨーロッパが当時、植民地にしていた地域に伝えていった。そこから南米、アフリカ、アジアなど世界全体でブドウ栽培が行われるようになった。19世紀末には、ヨーロッパ各地のワイン畑がフィロキセラ(ネアブラムシ)の害にあい、多くのワイナリーがなくなった。
一方アメリカ原産のブドウ品種はフィロキセラへの対抗力を持っていた。
その結果、ヨーロッパブドウとアメリカブドウの雑種が生まれた。
このフィロキセラの問題からワインの歴史は大きく変わったと言われている。
日本にワインを伝えたのは、誰もが知っているあの人?
日本にワインが伝わったのは室町時代末期にフランシスコ・ザビエルによって伝えられた。
その当時は、大名の間では広まっていたそうですが庶民には知られていなかったそうです。
また、日本で最初にワインを飲んだのは、あの織田信長だったという説もあります。
確かに織田信長は新しいもの好きだから誰よりも早く飲んでいたのかもしれませんね!
そんなワインが一般市民にも伝わったのは、鎖国が解かれ開国してからヨーロッパの文化が入ってきて徐々に広がっていきました。
また、殖産興業政策の一環としてブドウ栽培やワイン醸造が行われたが、日本の気候ではどうしても良いワインが造れないとされていたが、そんな日本の気候に合わせたブドウ種(マスカット・ベリーA)が川上善兵衛さんによって開発された。
ワインの格付けはナポレオン3世が始めた?
当時、パリ万博が開催され、その企画としてワインの格付けがナポレオン3世によって提案された。この格付けは第一級から第五級までのランクがあり、そこで第一級に選ばれたのは(シャトー・オー・ブリオン)、(シャトー・ラトゥール)、(シャトー・ラフィット・ロートシルト)、(シャトー・マルゴー)の4シャトーだった。この内2シャトーをロスチャイルド家が所有していた。
ロスチャイルド家恐るべし!(笑)
ワインの産地
ワインの有名な産地は山ほどありますが、ここではフランスの4つの産地を取り上げます。
ここらへんは、ちょっとマニアックな話なので興味がない方は飛ばしてください(笑)
ブルゴーニュ
ブルゴーニュは畑でランク付けしていて、テロワールが重要視されている。
ボルドーのワインは色々な品種をブレンドして醸造しているのに対し、ブルゴーニュのワインは一種の品種しか使用しておらず品種の質がより一層重要になる。
また、ブルゴーニュのワインは小規模栽培だから値段がボルドーなどに比べると高い!
世界で最も高価なワインベスト50のうち40をブルゴーニュワインが占めている。
ブルゴーニュの最南端にはボージョレという地区があり日本でもボージョレ・ヌーヴォーで有名!ボージョレ・ヌーヴォーのヌーヴォーとは、新酒という意味でボージョレは地区の名前である。
日本では解禁日が11月の第3木曜日と決まっている。日本でボージョレ・ヌーヴォーが人気なのは、時差の関係で最も早く飲めるかららしい。
ボルドー
ボルドーの地名の語源は水のほとりという意味で、大きな川3本と小さな川1本が流れ、ワインにも大きな影響を与えている。
ボルドーワインの特徴は、複数のブドウ品種をブレンドして造ること。そのブレンド比率にワイナリーの個性が反映される。
ボルドーを流れるガロンヌ川とジロンド川の左岸は、水はけの良くカベルネ・ソーヴェニヨンの産地。
右岸は、湿った土地でメルローが主な産地。
ボルドーワインがブレンドする理由はバランスを取るためである。
カベルネ・ソーヴェニヨンはタンニンが強すぎて、メルローは個性に欠けるというそれぞれ長所と短所が存在するから、うまくブレンドして短所を補っている。
また、ブドウの質を補うためでもある。収穫前に雨が降って品質が落ちていてもブレンドすることで多少は補える。ここがブルゴーニュとの大きな違い。
アルザス
アルザス地区はドイツとの争いが昔からあり、ドイツの文化が残っている。
ボトルの形もすらっとしていて細長く、フルート型と呼ばれるワイングラスを使用している。
また、リースリングやピノ・グリなども造られ、白ワインでは、ゲヴュルツトラミネールやミュスカの代表産地でもある。
シャンパーニュ
フランスの北部に位置するシャンパーニュ地方は、なんと言ってもシャンパン!
シャンパンと名乗れるのはシャンパーニュ地方で造られ、ある一定の条件を満たしたワインのみ!
シャンパンの最大の特徴は醸造過程である。
その方法とは、瓶内ニ次発酵というやり方。
瓶内二次発酵法とは、まずブドウを発酵させてアルコール度数が低めの普通のスティルワインを造る。そして、瓶詰め時に糖分と酵母を一緒に加えて栓をする。すると瓶内で再び発酵が起こり炭酸ガスが生成される。だから、よりきめ細やかなシュワシュワした炭酸ガスができる。
ニューワールドワイン
ニューワールド(新世界)ワインとは、ワインの歴史が浅くて新しい生産地のワインのことを言う。アメリカ、チリ、アルゼンチン、オーストラリア、ニュージーランド、南アフリカ、中国、日本などが当てはまる。
一方、昔ながらの歴史があるフランス、スペイン、イタリアなどは旧世界と言われている。
ニューワールドのワインは新しい技術を取り入れて良いワインを造り出し、安価で注目されている。
EU諸国ではAOC(原産地呼統制法)があり、品種が明確になっていない。ワイン通の方なら良いワインを選べると思うが初心者の方はニューワールドから始めるのが無難だろう。
日本ワインの可能性
日本のワインはずっと下に見られてきたが最近は注目が高まってきている。
そこで日本の主な産地を紹介しよう。
山梨
日本の中のワイナリー数がNO1で70軒以上ある。山梨は日本で最もワインが盛ん。
長野
ワイナリー数は30以上でとても成長段階である。
長野県はワイン産業を推進するために長野盆地、松本盆地、佐久盆地、伊那盆地の4つのエリア(ワインバレー)に分け今まさに成長段階である。
北海道
ワイナリー数は30以上で北海道も今後の成長に期待されている。北海道は本州に比べて土地代が安く、気候が冷涼で本州とは違った品種が栽培できる。
日本ワインの魅力は、日本は南北に長く多種多様なブドウ品種が栽培できるところである。
また、日本ワインは海外のワインと比べて強さがないが、日本独自のワインができ、注目の的だろう!
日本は海外の土地よりも栽培が難しくより研究が重ねられ、より繊細なワインができるのではないだろうか?
実際に海外のソムリエたちも、日本の甲州ワインは寿司や天ぷらに合うと言われている。
まとめ
ワインの歴史は酒の中でも最も古く、8000年前からずっと人間が好んでいたのですね!
また、ワインの歴史はコーヒーの歴史と類似している所が多々ありました。アルコール飲料というのは宗教と深く関わっていますね!
現在は、ニューワールドの勢いがすごいですがあと何年かもすれば旧世界のワインは少数派になるんですかね?
個人的には、日本のワインが世界に進出して世界中で飲まれるようになったら良いと思ってます。
参考文献
最強のワイン学 石神/秀幸
教養としてのワイン 渡辺順子
これだからワインは素晴らしい 岡本隆裕
https://natgeo.nikkeibp.co.jp/atcl/news/17/111500443/
https://wine-mellow.com/media/2015/12/28/92
http://www.jizake-wine.com/brand