塊魂(かたまりだましい)と習慣
いきなりですが塊魂というゲームを御存じでしょうか?2000年代初頭のプレステ用ゲームとしてナムコ社から発売された名作です。ゲーム内容は、ある惑星の王様から「惑星を創るためにいろんなもの巻き込んで大きな塊を創れ!」とふざけた命令を受けた王子様が、とある家の中のコタツの上に舞い降りたところからスタート。塊を転がして、その塊より小さいものは巻き込んでいきます。おそらく最初の塊は1cm程度。その塊よりも大きなもの、ミカンとか筆箱とかは巻き込まれずにはじかれます。最初は消しゴムやチョコレートなど小さなものしか巻き込めませんが、塊がそれらを巻き込んでいくと当然その塊が大きくなるわけで。そうなるともっと大きなものを巻き込めるようになっていきます。部屋にあるものを巻き込みつくす程度に大きくなったら、部屋にある段差を転がって乗り越えられるようになります。今度は庭に出て、もっと大きなものを巻き込めるようになります。この時の新しい空間にたどり着いた時は、成長した自分にほんのり嬉しくなります。
塊魂の話を続けます。庭には、自転車やら工事現場においてあるような大きなコーンやらがあり、それを巻き込んでいくと、ますます塊は大きくなっていきます。その頃には塊は人の高さ程度になり、家の塀を乗り越えられるようになって、道路に移動していきます。そこは車が飛び交い、人間が跋扈する世界。塊は車に簡単に弾かれます。弾かれると、これまで巻き込んでいたものがちょっとはじけ飛びます。それでも懲りずに、塊よりも小さなものを転がしていくと、やがて人、車を巻き込めるようになり、そのあたりから「まじか!」と思うようなものまで巻き込めるようになります。
まだまだ、塊魂です。その後も、象を巻き込み、家を巻き込み、鉄塔を巻き込めるようになり、さらに大きくなって、学校を巻き込み、大仏様を巻きこみ、山を巻き込めるようになります。地球上のあらゆるものを巻き込みつくすと、宇宙空間に飛び立ち。巻き込みつくした塊が、惑星になるという話です。こんな内容ですがコンセプトは「世界が一つになる」という世界平和。最初はクソゲー扱いで見られていたようですが、映像のシュールさ、人をも巻き込むグロさ、音楽のPOPさ、クリア感あるゲーム性。まさに斬新な内容で、ゲームソフトとして初めてグッドデザイン賞を受賞した作品です。私も「こんなの面白いのか?」と最初は思いましたが、思わずのめり込み続編まで購入してしまいました。
いきなりですが習慣も塊魂と同じです。最初は大きな習慣でなく小さな習慣から少しずつ広げて、次のステージに進み、他の習慣も巻き込めるようになって、やがて加速度的に「まじか!」と思えるほどの大きな塊になる。今回は、塊魂をたとえ話に使って、習慣の話につなげる予定でしたが、ほぼ塊魂愛を語る回になってしまいました。でも、自分自身の習慣がグレードアップするたびに、塊魂を思い出してしまうのです。悪しからず。。。