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一生幸せになりたいならハンコを買いなさい

 昔のテレビだったかラジオだったか、こんなハンコ屋さんが居たというネタを話している芸人さんがいました。「ハンコ屋さんが幸せになる方法を教えてあげましょうか?と声をかけてきました。『1日だけ幸せになりたいなら床屋に行きなさい。そうすればさっぱりして1日を過ごせるでしょう。1週間だけ幸せになりたいなら旅行に行きなさい。気分がリフレッシュするでしょう。1ヶ月幸せになりたいなら車を買いなさい。行動範囲が広がって優越感に浸れるでしょう。1年だけ幸せになりたいのなら家を買いなさい。自分の城を持つ感覚を味わえるでしょう。3年だけしあわせになりたいなら結婚しなさい。3年間はもつでしょう。では一生幸せになりたいならどうすれば良いか聞きたい?』と質問されたので、聞きたい!と答えたら『このハンコを買う事です!』と言われて思わず買ってしまいました!」というエピソードネタです。私はこれを聞いた時にそのはんこ屋さんは上手い事言うものだなぁと感心しました。

 確かに人間は、同じようなことを続けていたら飽きます。だから変化を求めます。仕事でも3年同じ事をやっていたら飽きがきます。“変える”“変わる”って幸せとつながる事なのだと思います。でも習慣は“変わらない”事が大事です。今月は筋トレ、来月はランニング、などとやっている事をコロコロと変えていたら習慣は定着しませんし、効果を実感する事もできません。習慣の場合は“変えない”が幸せにつながるのです。大事な事は、変えずに同じことをやる事で、いつの日か自分のスキルや充実感が加速度的に変わり、世の中が変わってくるという事です。決して変わらないわけではなく、「大きく変わるために変わらずやる」という事なのです。

 ただ、若いうちはこの「変わらずやる」という事が我慢できない人が多いものですね。それに気づけた人だけがたどり着く境地があると思うのですが。かくいう私も20代、30代の頃は、同じことをじっくりと腰を据えてやるという事が極端に苦手でした。もっと効率的にやる方法はないか?1秒でも早く終わらせられないか?本当にこのやり方は効率的なのか?と考えてワタワタと動き回るタイプでした。いつも汗をかきながら、せっかちに動き回るので「あせっかち」という形容詞がついたほどです。これはこれで間違いではなかったと思うのですが、これだけが正解では無い事にようやく気付けました。大きな事を成し遂げようと思ったら、グッと踏ん張ってやり続ける事も大切であること。習慣のダイナミズムに気づけたのです。

 今なら言えます。「もし一生幸せになりたかったから、自分磨きを“変えずに”続けなさい」と。20代の自分に戻って言い聞かせてやりたいです。

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