004_習慣に焦りは禁物

習慣に焦りは禁物

 習慣作りを支援する時は、私は必ず「小さな習慣」を推奨しています。小さな習慣でなければ設定しないで下さいとまでお願いしています。この小さな習慣に取り組もうとすると、「こんなんじゃ目標に届かない。。。」「やっている実感を感じない。。。」という言葉がよぎり、「我にもっと大きな苦難を!」と求め始める人がたまにいます。大変よくわかります。私もこの小さな習慣の考え方に出会うまでは、「まだまだ自分はこんなものじゃない!」「イケてる自分はこういう苦行を軽々とこなせる自分だ!」と自分に言い聞かせては、苦行を課していました。


 自分が幼心にデブっている事を意識し始めたころ。ダイエット活動なるものに初めて取り組みました。「キュウリしか食べない日」などの行動目標を設定して、「今日はキュウリしか食べない日なんだよね。フッ。」とキザに振舞いながらキュウリをスニッカーズのようにかじってアピールしていた頃が懐かしいです。周りから見たら、こいつは河童に呪われたのかとしか思わなかったと思います。思春期の意地みたいなものもあって、そのダイエットは無事に10キロの減量に成功しましたが、それにより「目標の達成=激しい苦行」が自分の成功パターンとして刷り込まれたのです。

 社会人になり、運動しなくなると、お腹回り、背中回り、首回り、脂肪が蓄えられていきます。これはよくないと様々なダイエットに取り組みました。きのこダイエット、リンゴダイエット、糖質ダイエット、筋トレダイエット、ビリーザブートキャンプ、ロングブレスダイエット、、様々なダイエットに取り組み、一瞬痩せては、元に戻るを繰り返していたのです。そんな私が「小さな習慣」に出会って、「1日1回体重計に乗る」「1日1分運動する」を取り組んでからは、体重の減少こそ、苦行のようなスピードはないですが、10か月たった今でもベスト体重を更新しています。それどころか、勢い余って、月の総ランニング距離が200キロを超えるなど、グングンと運動量が増えていっています。それも苦しさを感じることなく。
 

 習慣は複利効果なのです。複利効果を語るときに引き合いに出される例があります。豊臣秀吉に将棋で勝った家来に、秀吉が褒美をとらせようとした所、「米粒が欲しいです。ただし、最初の将棋のマスには1粒、次のマスには2粒、次のマスには4粒と前のマスの倍の米粒を置いていって81マス分の米粒が欲しいです」と言ったとのこと。9マスになったって256粒。お茶碗一杯が3250粒。「余裕じゃ!」と秀吉が言ったかどうかは定かではありませんが。後になって秀吉さんは前言撤回します。50マスを超えたあたりでは500兆を超えてしまうのです。これは令和の時代における日本の米の生産量を超えるのです。もしその家来にその量の米を渡すと、その他の全国民が糖質制限ダイエットに嵌ります。これが複利のすごさなのです。

 習慣というのは、この米粒と同じです。最初は小さな効果しか感じられません。それがしばらく続きます。でも、ここで焦ってはいけません。淡々と、楽しく、今日も取り組めた自分を褒めながら続けることで、後で大きな成果として跳ね返ってくるのです。自己アピールは、成果を出した後に存分にアピールすればよいのです。

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