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隣のおかずは旨い

 定食屋でごはんを食べた時、隣の人が食べているメニューが妙に旨そうに見える時ありませんか?例えば自分で頼んだラーメンを食べている時に、遅れて入ってきた隣の客が頼んで届いたものが妙に美味しそうに見える時ありますよね。特に、その隣の客が常連気味に席に着くなり「タンメン一丁!」と小気味良く注文していた時には、「この店はタンメンが鉄板なのではないか?自分ははずれを引いてしまったのではないか?食事選びという大事な選択において大きな間違いを犯してしまったのではないか?」と疑心暗鬼に陥り、目の前のラーメンの味が心なしかまずく感じます。

 何人かで食事をしに行ったときに、他の人が頼んだものが妙に旨そうに見える時ありませんか?親しい間柄ならば器を交換できますが、先輩や後輩など微妙な間柄の場合はそうはいきません。食べたいけど食べられない、若い頃は悶々としたものでした。最近は、食も細くなり、他人の物を羨む余裕もなくなってきましたが。。。他の人の物が魅力的に見えるというのは、人間の本能なのでしょうか?恋愛などでも、「友人に彼氏を奪われた!」などの話はよく聞きます。ビジネスの世界でもあるあるです。他社が導入し成功した事例を「これが最先端だ!これを導入しない自社は遅れている!」と叫び、他者の新しい成功事例が出るたびにそれに飛びつく経営者などです。でも結局その施策をやりきることなく次に飛びつくので何も成長していかないのです。これをシャイニーオブジェクトシンドロームと言うらしいです。シャイニー=輝く、オブジェクト=対象物。他のものが光ってみるという事なのでしょうね。

 習慣のアドバイスをしていると、このシャイニーオブジェクトシンドロームに陥っている人を結構見ます。例えば“1日1回筋トレ”を習慣にしている人が、「最近はヨガが流行りだ!」となると途端に習慣を変え始めます。こういう人って結局、やりきって成果を感じるところまでいかずに流行りの物をおっかけるだけなので、習慣そのものを挫折してしまう傾向が強いものです。そういう人に、まずは味わえるレベルまでやり切ってみることをお勧めしています。たいていの習慣は1ヶ月では変化などは感じませんし、味わいも感じません。何かしらの“味わい”を感じるまでまずはやり続けてみること。“隣のおかず”であればすぐに味わえますが、“隣の習慣”を味わえるようになるにはやっぱり時間がかかるものなのです。

 また、若い人であればあるほど、「このままじゃ何も変わらない!」と思って習慣をコロコロ変える人を見受けます。変わらない理由はコロコロ習慣を変えているからなのですが。。。難しいかもしれませんが、3年タームで捉えてみましょう。良い習慣を続けていれば自分は必ず変えられます。焦らず、慌てず、悠々と。合掌。

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