58.生地の染色
皆さん、こんにちは。
皆さんが来ている洋服には、
当たり前のようにカラー展開があると思います。
考えたことのある方は少ないかも知れませんが、
あれってちゃんと理想の色を出すために染色しています。
同じ色でも基本は3段階に分けた濃度で何度も染色テストを行います。
この色のチェックも太陽光に当てて、
一人間が行なって、お客さんのチェックを得てバルク(量産)に進みます。
稀に、
意図そのものの原料(例えばポリエステル)で元々色がついているものもあります。
現着糸と言われます。
染め方には大きく3つあり、
先染めと後染め、製品染めと言われます。
ちなみに糸を作る紡績工場と、
染める染工所は別になります。
話は戻って先染めは、
糸の段階で染色すること。
糸の段階で染色することでのメリットは、
堅牢度(抵抗性)が高いです。
またボーダーが作れます。
デメリットは、染めに使う染料を後染めよりも多く使用するので生産コストが上がります。
またキレイに染まらない場合、
生地にするとムラがでます。
後染めは、生地の状態で染色することです。
メリットは、
染料が先染めより少ないためコストが安くなります。
デメリットは、
堅牢度が先染めより悪いです。
最後に製品染めです。
製品にしてから染色する方法です。
メリットは、
小ロットから対応することができる点。
ただコストが高いです。
色落ちを楽しむメンズの製品に多い気がします。
デニムは、
基本的に先染めで色落ちを楽しむ方も多いと思います。
特にリーバイスを代表に、
年代によって色落ちの仕方などに差がありマニアの間では高値で売買されております。
染色って奥が深いですね。
ただ繊維業界の水汚染はいろんな業界の中でもかなり影響を及ぼしており、
SDGsの観点から染色工程の改善をして行くことが必須になって行くでしょう。
そのため、現着糸やオーガニック綿を使った糸などの需要が高まっている印象です。
以上です。