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バンクシー監督「イグジット・スルー・ザ・ギフトショップ」は、実験である。

これは、とても不思議なドキュメンタリー映画です。
この映画の主人公は、
芸術には全く造形もない
ただビデオを撮ることだけが趣味の40代のおっさん。
バンクシーが主人公ではありません(;^_^A

このおっさんが、
ひょんなことからバンクシーの活動を
ビデオに収めることとなり、
自分なりに編集してバンクシーに見せたところ、
あまりにもひどい出来に、バンクシーがあきれてしまい
これじゃだめだ!俺が作る!とバンクシー自ら監督をすることになります。
そして、なんと、
被写体は、バンクシー本人ではなく
バンクシーは、そのおっさんの行動を撮影することにしたんです。

バンクシーは、おっさんにアート作品を作るよう指示します。
おっさんは見様見真似で、
アンディーウォーホールの模倣作品を製作します。
アンディーウォーホールの作品には、しっかりした製作意図があります。
なぜ、キャンベルスープ缶なのか。
なぜ、有名人のコラージュなのか。
深い意味があります。

でも、おっさんの作る作品には、全く製作意図はなく、
ただ、適当にコラージュしているだけです。
しかも、おっさんにはデザインスキルなど全くないので
実際に手を動かして作品を制作するのは
応募で集まった若手クリエイターたち。

かくして、大量の作品が出来上がってきたので
作品展を行うこととなります。

バンクシーが推薦文を書いたことで
メディアが取材にやってきて、
評判が評判を呼び、多くのお客さんが押し寄せます。

ただのおっさんが作った、でたらめなアート作品
作品展はいったいどうなるのでしょうか(;^_^A

そう、これは
でたらめなアート作品をバカに売りつける実験」を
バンクシーは行ったんです。

ギフトショップ、つまりお土産屋さんには
たいしたものは置いていません。
所詮は観光客相手なので、
どうでもいい物でも売れるからです。

ザ・ギフトショップと、定冠詞になっていて
名指しされたギフトショップとは今の現代アート市場です。
現代アートと名がつけば、
ただのガラクタも、何千万という値が付くのです。

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