旨味がほとばしるヤツが来た!
とても嬉しいニュース。ハガツオが来遊し始めました。
3年間、見よう見まねで漁らしきことをしてきて、「一番好きな魚は?」と尋ねられれば「いなサバ」になるのですが、次はハガツオかもしれません。
好きな理由は自分が食べて美味しいと感じることもありますが、お客様がとても喜んでくださるからです。
マサバもハガツオも青物らしく血が多く、そのせいで足が早い魚とされています。ただ、現場での鮮度保持処理を徹底すれば長持ちし、むしろ旨味が出て、熟成特有の美味しさを引き出すことができます。つまり、他の魚に比べて鮮度保持処理の有無による違いが大きく、お客様のその魚に対してもつイメージをいい意味で裏切れるのが魅力です。
昨日、自分たちで獲った魚(カサゴ)を漁協出荷する際、引き縄漁師さんの水揚げに立ち会うことができました。そこで雑談をしながら箱詰めが終わるのを待っていたら、「1〜2本持っていけ」とありがたいお言葉!
残ったハガツオの中から良さそうな2本をいただきました。一本は漁師さんが食べる用にエラをきって血抜きをした個体、もう一方は血抜きせずそのまま冷やし込んだ出荷用の個体です。(「食べ比べしたいから」という理由で強奪してしまいました。。)
市場出荷する際は血抜きの有無で価格差が出にくいことと、引き縄漁の最中に全ての個体を血抜きするのは難しいため、基本的に血抜きをしないようです。ただ、自分が食べる分はしっかり血抜きしているあたり、漁師さんも血抜きした方が美味しいことは知っています。
血抜きなし個体
身の血管に血が少し入っているのがわかります。それでもハラミ周り、少し脂持っています。
喉元切り血抜きした個体
ほとんど身に血が残っていません。個体の脂質も血抜きあり個体の方が上で、美味しそうです。
早速タタキにして食べてみました。まだシーズン序盤で脂ののりがいまいちかと思いましたが、かなりいい感じです。
旨味も強く、十分にお客様に出せるレベル。
今シーズンは僕たちも引き縄漁をやってみようと思います。というのも、やはり血抜きの有無で配送リードタイム後の身質がかなり違うため、絶対に血抜きした個体をお客様にお届けしたい。しかし、市場出荷を基本とした一般の漁師さんは、血抜きの有無で価格差がなく、ただでさえ忙しい漁中に血抜き処理をするのは難しいので、自分たちで釣る以外に血抜きしたハガツオを調達するのが難しいのです。
僕たちは2〜3名体制なので、操船役と漁獲・処理役に役割分担をして漁を行えます。これから漁師さんに弟子入りし、道具を一通り揃えて、本格シーズンに美味しいハガツオ(と「いなサバ」)をお送りできるようにしたいと思います!
漁で疲れた体にコーヒーを流し込み文章を書くのが好きです。いただいたサポートは美味しいコーヒー代に使わせていただき、文章で恩返しできたら最高です。ありがとうございます!