コミュニケーションを考える
コミュニケーション、って、なんでしょう。
辞書で引いたり、私なんかに言われるまでもなく、誰もが毎日当たり前のように繰り返している行為ですよね。
毎日やっている(やらざるを得ない)のに、苦手意識は中々消えず、自分で満足できるコミュニケーションが取れることも珍しいです。
私が考えるコミュニケーションは、「その場に必要な情報を、必要な他者と双方向でやりとりする」ことだと思います。
1.やり取りを行うのは「言語」
コミュニケーションするときに情報をやり取りする方法には、
①ノンバーバル(非言語:声音、声のトーン、表情、その他体の動き、目線など)
②バーバル(言語)
の2つがあり、実は8割が①ノンバーバルによって情報を得ている、と言われています。
しかし、対面で会話している場合は①でも情報を伝えることが出来ますが、昨今は対面の場は減り、オンラインでもメールやSNS、メッセージアプリなどの、文字情報のみのやり取りも増えてきました。
文字のみで交流する中で、普段なら顔の表情などから「疲れてるってわかってくれるよね」と、特に言葉で疲労を表現していなかった場合には、上手く相手に疲労を伝えられず、最終的には相互理解を阻害することになってしまいかねません。
コミュニケーションでは、まずは「言語」で理解しておく必要があります。
2.「空気読め」はコミュニケーションにとっては害
空気を読む・読まない・読めないなどもよく言われることですが、私は前から必要ないスキルだと思っています。
もちろん、冠婚葬祭などで場にそぐわない振る舞いをすることはNGですが、それは「空気」ではなく「マナー」の話です。空気よりはずっと分かりやすく形式化されています。
空気を察することが前提にある、と考えて行動することは、「分かってくれるはず」という甘えの上に立脚している考えです。
相互に分かり合えている、と思えることは、理想的な関係です。そこに至っているなら、甘えることも吝かではないでしょう。
しかしここでも「相互に」と言うところがポイントです。
どちらか一方だけがそう思っているのなら、理解する努力を怠っているだけで、やはり良い結果は生み出さないでしょう。
空気など最初から読まない・読むものではない、と思っているほうが誤解や衝突を避けることが出来ます。
3.表情も空気も「言語化」することで成立する
ここで言語化と言っているのは、言葉にして相手に伝えることだけではありません。
自分の中で、言語として理解・把握しておくことも含まれます。
これを「内言」とも言います。
自分の中で言葉として理解・把握・分類したうえで、その場の状況に合わせて、相手が必要としている、または相手に理解して欲しいと思うものをピックアップして言語として伝えることが、コミュニケーションだと思います。
このとき、言語に付随して色んな情報も伝わります。
電話なら声のトーン、大きさ、早口かゆっくりか、息継ぎ、溜息、笑っている気配など。
文字だけでも、スタンプや絵文字、感嘆符、語尾などにも表れるでしょう。
ただ、どちらをメインにするか、によって、正しく情報が伝わる度合いが変わってきます。
きちんと言語として伝えたほうが、理解される度合いが高まるのは当然ですね。
そこに付随した情報で本音を伝えようとしても、スルーされる可能性は高いでしょう。
4.言語化をマスターしよう
普段から出来ている方は大丈夫ですね。
ちょっと苦手かな、出来ていないかな、と思う方は、練習することをでマスター出来ます。
①汎用性の高いキーワードは使わないようにする
会話ではよく使ってしまいがちですが、
「うざい」「やばい」「きもい」「だるい」などは、便利な反面、一つの言葉に色んな意味が込められているため、その時の自分の思考や感情がひとまとめにされてしまい、詳細な言語化を阻んでしまいます。
②語彙を増やす
一番いいのは読書ですね。それもビジネス書やハウツー本ではなく、小説などの文芸作品が良いと思います。
登場人物の心理描写が、色んな言葉を使って場面ごとに言語化されています。
何度も触れることによって、自分にぴったりの言葉を知ることが出来ます。
③文章化に慣れる
SNS、日記、手紙などで、自分の感情や思考を文章にすることに慣れましょう。
特にツイッターは、140文字以内に収める必要があるため、長くだらだら書かずに済みますし、必要な言葉に厳選して書く練習にもなります。
最初は一言二言。慣れてきたら140文字目指して。更に慣れたら逆に140文字以内に収める。
自分の思考・感情には、人に聞いてもらいたいもの(意見)と、他人には聞かれたくないものの二種類があります。
聞いてもらいたいものはSNSや誰か宛の手紙で、聞かれたくないものは自分だけの日記で、など、使い分ける方法もありますね。
④図式化する
言語化から更にレベルアップして、図にしてみましょう。
手順化したり、マトリックス化したり、グラフのように表現したり、要素同士の関係性を表現したり。
一度脳内に図が定着すると、それを土台にして人と話すことが出来るので、主張がブレにくくなり、相手にも理解してもらいやすくなります。
心理学に「二重拘束」(ダブルバインド)という用語があります。
親子関係などで、言葉とそれ以外の表現で、正反対の意味が伝わってくるような状況です。
例えば言葉では「心配したのよ」と言っている母親が、手元ではスマホをいじっている。言われている子どもは、どちらを信じればいいかわかりません。むしろ心配などしていない、と理解するでしょう。それなのに後になってから「心配するって言ったじゃない!」と言って怒られるのです。これほど理不尽な話はありません。
人間は二律背反、矛盾した存在ではありますが、その矛盾は自分の内に収めておきましょう。
誰かとコミュニケーションをとるときには、自分の中の情報を一つ選び、それを矛盾なく伝える。
そうすれば相手も理解してくれ、双方の交流がスムーズになっていくでしょう。
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