うつになれない人
『うつは心の風邪』
とは、うつ病は誰でもなる可能性がある身近な病、という意味ですが、どんなに辛くてもうつ病になるほどメンタルを崩すことが出来ない人がいます。
どれだけ食べても太れない人を想像してもらえると近いと思います。
うつになれない人の辛さを、考察してみました。
1.うつになれない人とは
どんな人であれ、毎日の生活でストレスや緊張を感じない人はいないでしょう。
暑さ寒さ、渋滞や満員電車のような物理的なストレス、人間関係のストレス、慣れないことへの緊張など、その人の経験や年齢に合わせてそれなりにあるはずです。
ただ、同じ状況にあっても、メンタルを崩す人とそうでない人がいます。
そうでない人は、恐らく無意識のうちにガス抜きしているのでしょう。
起きた事態を再解釈したり、忙しい中でもこっそりストレス解消したり、イヤなことを忘れる方法を持っていたり。
ストレスが限界を超えた状態がうつ病だとすると、限界になる前にどこかで減らす作業をするのが上手な人ではないでしょうか。
2.うつになれない人の辛さ
ただし、ここで問題なのは「無意識に」ということです。
無意識ですから、本人は自分が「ストレス管理をしている」と感じていません。
反面、毎日のように降りかかるストレス源や緊張は「意識的に」感じています。
どんどん雨が降ってきて、そのままなら洪水になるはずが、下水管理がしっかりできているために雨水が溢れることはありません。
しかし下水管理が出来ていることに気づかず、空から降ってくる雨にばかり意識が集中しているので、雨が止まないことへの不安は消えません。
ストレスを減らすことが出来ているのに、その良い面に目を向けられずにいるのです。
3.第三者から見ると「強い人」
どんなにストレスフルな生活でも、心的負荷を無意識に処理できているため、潰れることがありません。
なので周囲からは、「あの人はタフだ」と見られます。当然ですよね。
だから仕事量やストレスが大きい局面を減らしてもらうことは出来ません。
場合によっては増えてしまいます。「あの人なら大丈夫」と思われているからです。
4.ストレス処理できているのに「辛い」
うつになれない人は、「うつにならないように」と意識的に自己管理しているわけではないので、
・いつか自分もうつになるかもしれない
・いつまでも忙しい。どんどん忙しくなる
・自分の辛さには誰も気づいてくれない
という不満や孤独、不安が募る一方です。
更に、ストレスフルな環境にいる場合、自分以外の周囲がどんどんリタイアしていくので、「自分も」と言いづらくなります。
心の辛さは表現しなければ中々周囲には理解されないものですが、それがしづらい状況に追い込まれやすいのです。
5.うつになれない人の解決策
上述したように、うつになれない人は自分の状況やしていることに無自覚です。
ですので、もっと意識的に過ごすことを心がけてはいかがでしょうか。
1つ目は、自分の辛さです。
「辛い」と漠然に思うだけでは、対処のしようがありませんし、表現も出来ないので周囲に気づいてもらうこともいたわってもらうこともかないません。
何が、いつ、どんなふうに、なぜ、どれくらい辛いのか。「5W1H」で分析してみましょう。
2つ目は、自分のガス抜き方法を知ることです。
無意識にやっていることですから、中々気づきずらいかもしれませんが、しっかり振り返ってみると他の人がやっていないようなことをやっているはずです。
どんなに忙しくても6時間寝ないと起きない、とか、疲労が溜まった時は人と会う回数が減っている、とか。
無意識なままでは、意図せず誰かに迷惑をかけたり自分が非難される場合もあるかもしれません。
それを防ぐためにも、自分が今している(らしい)ガス抜き方法を知り、有効活用する方法を考えましょう。
とはいえ、どんなに辛い状況でもうつにならずメンタルヘルスを保持できるのは良いことです。
無自覚なまま、漠然とした不安や不満だけを抱えているのはもったいないです。
意識し、自覚して、自分の強みを認識して、自信に転換していきましょう。
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