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台所から考える言葉の多様性


台所、土所、泥所(でーどこ)、土間

昔は土間の釜戸で煮炊きをした。

安全に火を使える場所が土間、つまり土床(でーどこ)が調理場であった。

ネットで検索すると、台所の語源は平安時代の台盤所までさかのぼる言うのですが、貴族の世界の呼び名であり、庶民は土の床で煮炊きをするのでから「でーどこ」の方がしっくり来ます。

縄文時代から煮炊きは土間で行われて来たのであります。

関東の古民家園で土間の煮炊きをする場所を「泥床(でいどこ)」と書かれていた事を思い出す。

だが、ネットで検索しても「泥床」はヒットしないのです。

台所の由来は全国一律ではない筈である。

民俗学者の柳田国男の調査が全国を網羅していないように、全国一律の解答はおかしいのである。

少なくとも関東では「でーどこ」だろうと思うのであります。

私たちは辞書が正しいと単純に思っているのであるりますから、ネットでも解答の多様性が失われ統合化が起きております。

「だいどこ」が「土の床」「土間」を指し、安全に火を使える場所が台所となったと考える方が自然ではないだろうか。

英語のキッチンのKitchenの語源は、ラテン語のco-quina(火を使うところ)、古来語ではcycene(クチーナ)で、これらが転じてキッチンとなったといわれています。

「台盤所」が「台所」と言われるようになるより「でーどこ」が「だいどこ」なる方が言葉として自然な気がしないだろうか。

そもそも明治時代まで漢字表記は当て字でしたから、言葉の「でーどこ」を漢字に当てはめたのが始まりと考えるのが自然です。

江戸時代の古文書には、時計は"斗計"とかと"自鳴鐘=どけい"とか"斗圭"と書かれていた。つまり漢字は表音文字でありましたから、今日のように国語辞書で全国統一なんかしていなかったのであります。

私たちは教育の毒におかされ、答え一つしか無いように飼育されて来ましたから無理はありません。

明治時代以前は全国でバラバラに言葉を使っていましたからね。恐ろしい事です。

言葉の意味が全国統一されてしまいました。
ネットの普及で今後世界の言葉が統一されちゃうんでしょうね。恐ろしい。

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