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自動運転

今のところ、基本的に学校教育に関することを書くつもりなのに、なぜ自動運転の話を書くのか?まず話の前提として、中小規模の自治体の家庭から都市部の私立中学校や、高等学校に通うということを考える。中小規模の自治体は大体5万人以下の人口で、また人口密度が200人/km²程度の自治体ということにする。200人くらいの規模の自治体は数として日本の自治体の中央値当たりである(e-Stat 平成27年度データ)

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昔から孟母三遷の教えとあるように学ぶためにはある場所に集まらないとならず、そのためには引っ越しをもいとわないようにすべきだという故事である。その事情は現在でもあまり変わっていないだろう。交通の発達でかなり遠くからでも物理的に学校に通学できるようになった。しかし、その分コストがかかる。時間もかかる。下手すると学校授業料よりお金がかかる。家を引っ越そうと思えば、ものすごくコストがかかる。都市部にすめば、通学費はかからないが、住む場所のためのお金がかかり、田舎に住めば移動のためにお金がかかる。そもそも、場所によっては公共交通がすこぶる悪いところもあり、両親が最寄の駅まで送迎しないといけないところもたくさんある。人口密度が減れば減るほど公共交通機関を維持することがどんどん難しくなる。

リモートによって、そもそも学校に行かないでも済むようになるかもしれない。ただし、リモートではできないことも多い。物理的に学校に通う意味はなくならないだろう。リモートは学校に行かなければならない回数を減らしてくれると考えたほうがよさそうだ。どれくらい減らせるかによっても変わるが、これによって教育にかかわるコストを下げることを期待できる。通学に使っていた時間をもっと大切なことのために使うことができる。生産性向上である。

それでも移動は必要で、どのくらい便利に、どのくらい安いコストで低人口密度地域に提供できるかが、低密度人口地域の教育にとって重要である。そこで期待するのが自動運転である。

自動運転技術が導入された場合、おそらく自動車の保有するという必要性がなくなるであろう。例えば以下の記事を参考にしてほしい。自家用車は4%そこそこしか利用されていないのである。

自動運転+シェアリング=ほぼほぼ公共交通機関 である。低人口密度地域では運転ができる大人は自家用車、運転ができない子供や高齢者が公共交通機関を使っているため母数が小さく、そのため採算が取れない。しかし、大人も含めて自動車を所有しなくなれば、利用者母数は増え、公共交通機関としての自動運転車は十分安価な交通手段になりうるだろう。

リモート+自動運転車。そうなると人は住む場所を今ほどこだわらなくても済む。素晴らしい!!

ではいつ頃そんな時代は来るのか?

いくつかのロードマップを見てみよう。

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おおむね部分的な自動運転サービスの導入が2025年ごろにははじまり、普及期は2026年以降、おそらく2030年ごろになる可能性が高い。幹線のみ、または交通量の少ない田舎は導入が優先的に進むであろう。たった5年から10年で今の生活スタイルからは考えられない時代が訪れようとしている。

学校教育も今からその時代へ対応できることを考えておいてもいいだろう。つまり、リモートと通学の割合を戦略的に変えていくのである。または、物理的な校舎を一か所に固定せず、すでにある様々な既存のインフラを利用した校舎を広域に配置し、多くの生徒・児童にとって日常的な通学の負担を軽減する。授業はリモート+コーチ役の先生がそれぞれの拠点で行う。特に物理的に集まる必要のある実習系の授業を中心に。通信インフラが十分ではなかったり、コーチングが必要な生徒にとっては何らかの形での先生がいる環境下での学習は有効であろう。社会性をはぐくむという面でも有効であろう。もちろん家でも学習できる。必要に応じて自動運転車などの公共インフラを使って移動を行う。大学のキャンバス移動に概念は近いかもしれない。




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