リモート学習の未来
自動運転の会で、リモート学習の導入により、物理的に登校する頻度を下げることは学習者の生産性へ大きく貢献するということを議論しました。
ところで、リモートが始まってみて、なんだか思った以上にうまくいかないことに気づく。まず、ネットワークが安定しない。ZoomとかTeamsとかでビデオ会議をしたときに、教室や会議室でいるときのようなリアル感を抱けず、十分にコミュニケーションができない。音楽の授業などやろうものなら、タイミングがうまく取れない。授業の質が落ちている。リモートだけでは教育はできないという思いが皆の中に芽生え始めているのではないだろうか?
おそらく、何らかの形での物理的なコミュニケーションをなくすことはできないというのはたしかだとおもう。しかし、今の技術をベースに判断してはいけない。未来は、どんどん良くなっていく。ここでは、今技術開発が進んでいる、というより実際に導入が始まっている技術を少し紹介し、未来の学校の在り方を考えてみる。
まず、ZoomやTeamsといったビデオ会議の問題点を克服しようとする動きを見よう。最も大きな課題は、隣の人に声をかけるときにひと手間必要なこと。誰が何をやっているかわからないので、まず状態をPCの前にいるか?電話中かなどを示すシグナルを使って、状態を確認し、念のためにチャットで電話していいか確認して、Callボタンを押して。。。とにかく手間がかかる。また偶然の会話から発展する議論も起きにくい。学校であれば、友達とのコミュニケーションや先生への質問などが、しにくい状況と同じようなものだ。この問題にたいしては、バーチャルな空間にアバターを配置するというサービスがすでに始まっている。まるでオフィスや教室にいるように相手がどんな状態かどこにいるのかを把握することができる。
もう一つの問題は、回線のスピードである。今話題の5GやWiFi6という技術、優先の通信プロトコルはこれらのスピードの問題を改善してくれるだろう。
最後は遅延の問題である。5G はこの遅延(Latency)の問題も解決してくれる。
このビデオでは、3つの世代の通信技術の遅延について分かりやすく説明している。正直ちょっと誇張されすぎているかとも思うのだが。真ん中の男性がボールを落として、携帯電話がその様子をカメラで撮ってそれがネットワークを経由して画面に表示されるというデモである。Latencyの改善って、地味だけど、ものすごくすごいことで、まったく違う通信の世界へいざなってくれる。
このことを知らずに、たぶん多くの人が下のビデオを1年ほど前に見て、どこがすごいのか、合成じゃないか?って思ったと思う。ライブで、世界3拠点で彼女たちは本当に、いつもと変わらない完ぺきに同期の取れたパフォーマンスを行ったのだ。
このビデオもLow Latency のすごさを示している。VRゴーグルの上についているカメラで映像を取って、5G をつかってVRの画面に映像を送る。パスされたボールを受け取り、シュートを決める。まるでVRを付けていないように。
ここまでできるようになれば、音楽の授業もできるし、書道とか手取り足取り系の授業もかなりできるようになる。
じゃあいつ頃こんなすごい技術が一般的に普及するのか?
まずWiFi6は来年あたりから普及期に入るだろう。
5Gは昨年から逐次導入が始まっている。本当の意味でのLow latencyやものすごい速度を体感できるようになるまでには、少し時間がかかるといわれている。日本だと2025年あたりから本格的な普及期に入ってくると考えられている。
技術の発展を見据えながら、学校の仕組みを考えていくことはとても大切なことだと思う。
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