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来日前に英語で書かれたドナルド・キーン「日本の文学」:一戸信哉の「のへメモ」20220429

4月22日の北嶋先生のインタビュー、すでにロングバージョンで公開していますが、さまざまなお話をうかがいました。主には、ドナルド・キーン研究のお話なのですが、その中で、アーカイブでいうと23:30あたりから、「日本の文学」というドナルド・キーンさんの初期の著作に関する話が登場します。

北嶋先生は、ご自身のドナルド・キーン研究の原点となったこの本を、1963年に、新潟市古町にかつてあった「北光社」という書店で購入したと、番組の中でお話しされています。北光社が惜しまれつつ閉店したのは2010年ですので、学生たちがほとんど反応しなかったのも無理からぬところですが、私自身は、かつて北光社が果たしていた「文化拠点」としての役割を、垣間見たような思いがしました。

不勉強な私は、この本のことを全く知りませんでしたが、1952年に書かれたこの本は、吉田茂の長男である吉田健一さんによって翻訳され、ドナルド・キーンという日本文学研究者の慧眼を日本人にも知らしめたといいます。三島由紀夫はこの本を、「学問的に精細な類書はこれ以後に出ることがあっても、これ以上に美しい本が出ることは、ちょっと考えられない」と評したといいます。

没後1年の2020年に復刊されて、Kindleでも発刊されています。


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