「荒野の果てに」をアレンジ Mandisa「Angels We Have Heard On High」:一戸信哉ののへメモ20211224
2021年も大詰め、クリスマスの季節となりました。クリスマスイブの今日は、大学チャプレンの同僚、下田尾先生のインタビューを放送します。アメリカ・プリンストンで学ばれた留学時代のお話から始まって、クリスマスの意義、新発田のキリスト教会といったお話まで、いろいろお話しいただきました。
「キリスト教教育」を行う敬和学園大学ですが、ノンクリスチャンが多数派をしめる大学の中で、「キリスト教」を教育にどのように関わらせていくのかは、なかなか難しい問題です。今回のインタビューの中では、下田尾先生から、「文化としてのキリスト教」というお話が出てきます。「世界の文化を学びたい」ということを入試面接でいう学生は多いのですが、そのバックボーンにあるキリスト教、イスラム教など、日本ではマイノリティにある宗教(しかし世界では大きくの信徒を持つ)が、その理解において重要な位置を占めるということは、少なくとも入学時には理解されていないように思います(入学後は理解されていると信じたいのですが)。
一方、ラジオ放送と宗教についてですが、もちろん宗教法人がスポンサーとなっている番組もあるわけで、そんなに気にしなくてもいいという方もいるかもしれません。ただ私としては、番組をお預かりする立場から、少なくとも「多様性に配慮した」番組作りを心がけていて、キリスト教の大学だからといって、少なくとも他宗教に関わる話題を排除するというのはよくないだろうと思っています。大学のことと新発田・新潟のことを伝える営みの中に、当然仏教などに関わるトピックは入ってきます。逆に大学の日常の中にどのようにキリスト教の要素が入ってくるのか、学外の方にもここが伝わるといいなとは思っています。
という少し難しい問題とは離れて、音楽にしぼって調べてみると、キリスト教と関わりは、なかなか興味深い話がいろいろ出てきます。以前山田耕太学長に出演していただいたときには、賛美歌が日本に西洋音楽をもたらしたという点に話が及びました。ブラウン、キダーという、新潟英学校の創設に関わった2人の宣教師もまた、音楽を新潟に伝えたという話でした。
賛美歌と現代音楽の接点をさがしていくと、なかなか興味深いものがあり、賛美歌ルーツの曲をいろいろと見つけることができます(このテーマも、いずれわかりやすくとりあげてみたいとは思っています)。山田学長に出演していただいた日には、Whitney HoustonのJesus Loves Meを選択しました。教会附属の幼稚園に通っていた人にも、おそらくなじみがあるであろう、「主われを愛す」です。
今回のクリスマス企画でも、いろいろ曲を探してみました。私が子供の頃歌って、印象に残っている「羊を飼うもの 夜まきばにて」は、現代アレンジしたものは見つかりませんでした(古語がわからない子供には、「こうもの」という音が「こうもり」のように聞こえて、印象に残っていました。この曲を歌うと、クリスマスが近いと感じて、気持ちが高まった記憶もあります)。
もうひとつ思いついたのが、「荒野のはてに」。「あらの」という荒涼たるイメージから始まる歌詞、「グローリア インエクセルシスデオ」という原語の歌詞(子供には呪文のようでした)と、いろいろ印象が強いのですが、こちらはキリスト教圏では非常に親しまれているようで、いろんなバージョンがみつかりました。曲名は、「Angels We Have Heard On High」です。探すと色々出てくると思います。
いくつか見つけたものの中から一つ選んで放送でもお届けしますが、こちらもなかなかいいねと思ったが、Mandisaのバージョン。
Mandisaはアメリカのゴスペル歌手で、「『アメリカン・アイドル』シーズン5最終選考で第9位であった。」という記述が、Wikipediaで見つかりました。クリスマスに教会で歌われる、スタンダードな「荒野の果てに」とは異なる曲調で、迫力ある歌声を響かせます。
ほかにも、別バージョンの「荒野の果てに」、いくつか貼っておきます。
それでは皆さん、Happy Holidays!