#33 念仏の声するところ 31 慶運寺 2022年2月18日 07:54 法然上人の晩年弟子の一人が尋ねました。法然上人には、ゆかりのお寺がありません。亡くなった後、どこにお参りすればよいですか?高野山金剛峰寺や比叡山延暦寺のようにそれぞれの宗派には宗祖ゆかりの寺がありますが、法然上人には、そのようなお寺はありません。その時、法然上人は、一か所に決めてしまうとお念仏が広がりません。念仏の声がするところはすべて、わが遺跡ゆいせきです。と答えました。遺跡ゆいせきとは、ゆかりのお寺のことです。法然上人は、お念仏を全国津々浦々に広めることに生涯をかけてきました。全国から人が集まるような立派な建物を望んではいなかったのです。法然上人の御法語の中にあるお話です。法蓮房ほうれんぼう申もうさく、「古来こらいの先徳せんとくみなその遺跡ゆいせきあり。しかるにいま精舎しょうじゃ一宇いちうも建立こんりゅうなし。御入滅ごにゅうめつの後のち、何処いずくをもてか御遺跡ごゆいせきとすべきや」と。上人しょうにん答こたえ給たまわく、「あとを一廟いちびょうに占しむれば遺法ゆいほう遍あまねからず。予わが遺跡は諸州しょしゅうに遍満へんまんすべし。ゆえいかんとなれば、念佛ねんぶつの興行こうぎょうは、愚老一期ぐろういちごの勧化かんげなり。されば念仏を修しゅせん所ところは、貴賤きせんを論ろんぜず、海人かいにん・漁人ぎょにんが苫屋とまやまでも、みなこれ予わが遺跡なるべし」とぞ仰おおせられける。御法語第30 ダウンロード copy #慶運寺 #お念仏 #御法語 31 この記事が気に入ったらサポートをしてみませんか? サポート