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お寺との出会い

多くの場合、お寺との出会いは、身近な人が亡くなった時から始まります。

「〇〇が亡くなりました。」とお寺に連絡して、通夜と葬式の日程や会場が決まると、ホッと一安心という方もあるかと思いますが、では、いったい何のために葬式をするのでしょうか?

お寺に依頼する前に、そのあたりのことを知っておくと、心から故人を送ることができるし、無事に極楽に往生しただろうと思えれば、その後の心の平安に資するところが大きいと思います。

実は、お通夜より前に枕勤め(枕経)がございます。枕勤めとは、亡くなった方の枕もとでお経を称えることですが、もともとは、息のあるうちから枕もとで念仏を称え、極楽へ行く手助けをするものでした。阿弥陀如来は、念仏を称えた人を極楽に向かえてくれるので、念仏を称えながら亡くなるのが理想的なのです。

しかし、現在は、死亡を確認するのは医師の仕事と決められていますので、僧侶が臨終に立ち会うことは無く、亡くなってから連絡を受けて駆け付けるというのが、現在の枕勤めです。

さて、枕勤めでは、お剃刀かみそりの作法を行います。頭髪を剃り落とし、出家して仏弟子ぶつでしになるという姿を現します。仏弟子になると、戒名かいみょうが授けられます。こうして、極楽に迎えられる準備を整えるのです。

準備が整ったら、次はお通夜と思われがちですが、本来のお通夜は、亡くなった方を家族や友人らで夜通し見守るというもので、そこには僧侶の姿はありませんでした。

医学が今ほど発展していない時代には、故人が生き返ることがよく起こりました。そうなってはいけないので、一晩中見守り、確かに亡くなっていることを確かめてから葬式を行ったのです。現在でも、火葬は死後24時間以上経過してからと定められています。

日中の葬式より、夜行われる通夜の方が参列しやすいという都合で、通夜に参列して焼香する人が増えたため、現在では、通夜と葬式が同じような法要の形で行われているのです。

故人の葬式を通じて、お寺とのご縁ができました。お寺は葬式をするだけではありません。様々な法要や行事が行われており、困ったことやわからないことは何でも相談できる場所です。

気軽に足をお運びください。

南無阿弥陀仏


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