漫画『RiN』と熊野
書き始めると書きたくなってくるのだ。
モチベーションと同じで書き始めることが最重要。
本日3つ目の記事。
ダラダラとタイトルを書き連ねたときには出てこなかった考えが降ってきた。
僕が熊野に行った理由。
それはヤッサンに会うため。
マンガ『RiN』とは
バンド漫画の傑作『BECK』の生みの親ハロルド作石先生の漫画で、単行本全14巻が出て完結している。
なんの漫画かというと、漫画を描く漫画。
(『バクマン。』がイメージつきやすいだろうか)
それにオカルトホラーの要素を盛り込んでいるが、正しく努力も友情も勝利もあって
主人公伏見の成長譚としてとてもいい作品だと思っている。
ヤッサンとは
そんな伏見の前に神出鬼没に現れ、予言めいたことを話す謎の存在、それがヤッサン。
カラスの着ぐるみを着た姿で現れ
尻尾にあたる部位が3本目の足の形をしているため
八咫烏を模していると考えられる。
ヤッサンは伏見が命名した。
5巻の表紙を飾るほど重要な人物。
熊野大社における八咫烏と復活の逸話
熊野国から大和国まで神武天皇を導く存在として日本神話に登場し、熊野大社では至る所にシンボルとして八咫烏を掲げている。
その熊野大社では、命が復活する(甦る)逸話が残っており、「よみがえりの地」と呼ばれることがある。
そのような逸話にあやかって「人生の再出発の地」としても有名な地となった。
漫画で伏見は、ヤッサンが現れる意味を探るために熊野大社にも訪れる。
魂は巡り、浄化され再生する。
漫画では
ややオカルトチックな文脈であるものの
生命の輪廻や魂の循環・浄化、そして再生(甦り)が語られ、それが伏見の生きる意味、漫画を描く原動力となっていく。
ひ弱で頼りない伏見少年は一度は夢破れたが、再起を決心し、流され巻き込まれながらも必死で漫画を描く。
特殊な力をもつヒロイン凛との交流や自身のルーツに気付いたことにより浄化(純化)された伏見は
確固たる意志を持ち自分のインスピレーションを指針に、一流の漫画家となっていく。
ハロルド作石作品の中でもメッセージ性が強い
脚本(ストーリー)の作り方に定評のあるハロルド作石先生の作品のなかでも、メッセージ性の強い作品になっていると思っていてとても好きな作品です。
(多分打ち切りだったけど。)
僕にとっては「熊野詣で」は2つの意味で聖地巡礼ということになる。
僕も伏見のように魂が浄化されただろうか。