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【奇奇怪怪】生活のつまらなさに耐える方法

また新しいPodcastを聞き始めてしまった。
僕の耳は2つしかないというのに。
2つもあるのに1つのことしか聞けないのに。

ラッパーTaiTanと音楽家 玉置周啓とによるPodcast🦣

日々を薄く支配する言葉の謎や不条理、カルチャー、社会現象を強引に面白がる。Podcast発での書籍化、アニメ化を果たし、ガンダーラを漂う耳の旅。TBSラジオで脳盗🧠 という番組もはじまった。

●毎週火曜18時頃の、基本週1回(+α)配信。

●最新のものから聞いていただくが吉です

●感想等は #奇奇怪怪 おねがいします

ご連絡、依頼などはメール or DMでお願いします。

📧 kikikaikaimeikai@gmail.com

🦣 https://twitter.com/kikikaikai_noto


■奇奇怪怪

奇奇怪怪というPodcastは有名どころであると思う。
前身は「奇奇怪怪明解辞典」という名前でポッドキャストアワードの「Spotify NEXTクリエイター賞」を受賞したこともある。
前身から数えると4年以上も続く人気番組で
あまり詳しくないが、ここ最近は「奇奇怪怪」と改称して配信しているようだ。

「奇奇怪怪明解辞典」時代のアイコン


これだけ長くやっているものを一から全部聞くのは骨が折れるため
まだトライしていない。
直近の10数回を視聴したのだが、すごくよかった。

■パーソナリティ

パーソナリティはヒップホップユニット「Dos Monos」のラッパー、TaiTanさんとロックバンド「MONO NO AWARE」のギター兼ボーカル、玉置周啓さん

https://spotifynewsroom.jp/2021-07-07/how-i-podcast-kikikaikai/

(二人のオラついた雰囲気に気圧されてしまうので、今まで聞いてこなかった面が少しある)

どちらも音楽活動をしており、作曲や作詞も手掛けるため、アーティストとしての意見や感想を交えつつ、トークをするのだが、
そんなことよりも何よりも
この二人のトークには独特のリズムがあり、そのリズムに魅了されてしまった。

■リズム

このPodcastには基本的にBGMがない。
二人の会話によりつくられるリズムがあるだけで、それ以外に何もないのにそのリズムと抑揚にハマってしまう。
これは音楽家の二人のリズム感なのかもしれない。

■視点

音楽家だからと言って、キラキラした話や制作秘話をメインにするわけでもなく
「日々を薄く支配する言葉の謎や不条理、カルチャー、社会現象を強引に面白がる。」
とのキャッチの通り、ある種庶民的で素朴な題材を彼らなりの視点から切っていく。

都知事選について話す回や
小山田圭吾の炎上について今一度語る回など、
理想論ではなく、地に足の着いた自分たちを語る二人の話が非常に面白い。


TaiTanさんが、話術としての軽妙さをもって角度をつけて切り出すテーマを
玉置さんが、繊細な感性でもってエモーショナルな反応を付けて進むトークは惹かれるものがたくさんある。
「身体性」というワードをPodcast内で何度か聞いたが、まさにそれを二人からは感じる。


■生活のつまらなさに耐える方法

タイトルにした回をもう一度貼る。

まず「生活のつまらなさに耐える方法」というタイトルがもう素晴らしく頭に残って最近はそればかリ考えている。


生活はつまらないのだ。本当につまらない。最近はそれを折に触れて感じている。
それと向き合うためにはどうするのか。
オモコロチャンネルの原宿さんと別番組でこのテーマをしゃべったTaiTanさんがそのことを振り返る。
原宿さんは「つまらないこと自体が面白いし、面白がる」というスタンスを
メインカルチャーに対するカウンターでもない、独自のスタンスとして確立している、それはどのようにして確立されたのか。

この原宿さんとのトークはTaiTanさんがやっている別番組「流通空論」で聴ける。

原宿さん
「つまらないものに出会った瞬間に面白さが始まっている」
「退屈な時間に面白さの触手を伸ばそうとしている」

言ってることはわかるが、正直感覚が追い付いてなくていまいち腑に落ちない。
面白いし大好きなのになぜか親近感がない原宿さん。


■人生のマンネリから抜け出すには

最新回の同じ種類の言及と思われる回も貼る。

これは元テレ東ディレクター上出遼平さんを迎えたゲスト回。
上出さんは過去にもゲスト出演していて、3人のトークはいつもとは違う方向にねじれていく感覚があってそれもとても気持ちいい。

上出さんのやっていたPodcast「ハイパーハードボイルドグルメリポート no vision」についても書きたいが割愛する。

上出さん
「移住やに拠点生活は攻めの姿勢ではなく、リスクヘッジという面がある」
「外圧を受ける環境に置くことのほうが楽」

原宿さんとの会話と少し違い、人生を主体的にサヴァイブしていくために、人生をマンネリ化させないためには、という視点で移住の効用を語る前半。

その中で、理論的なメリットを語りつつ、
人間としての喜び=多幸感を感じる瞬間も移住によって訪れるのだと実体験を語っている。

わかるし、スケールを落とせば、実行できるかもしれない。
歩いて走り回って、いろんな場所の空気を吸いたい、というのは結構思う時がある。

■いまつまらなさに耐えている

いま、これを書いているのは生活のつまらなさから。
なにか満たされない思いを抱え、何かないかと文章を打っている。

そんなことより早く風呂に入って歯を磨いて寝ればいいのに、文字を打っている。
生活が、人生が、つまらないからだ。

耐えろ。つまらなさに耐えろ。
それは積極的なことだけではない。
テレビを見て、映画を見て、Podcast聞いて、本を読む。
しゃべってみて、踊ってみて、文章にしてみる。

何につながるかわからない受け身を、何のことはない表現にしてみる。

色んな場所を歩いてみる、走ってみる。

なにかに糸口を見つけてふふんと一人で笑ってみる。

結局何をやってもつまらないかもしれないし、心のどこかではつまらないと思いながらやってる。
しかし、そうやってつまらなさに耐えることが、反抗姿勢であると信じている。
つまらなさに屈服しない姿勢だ。


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