六甲全山縦走ノ記②(完結)
加藤文太郎の歩いた六甲全山縦走を踏破する旅、二日目。
完結編!
前回の記事から見てもらえると嬉しいよ!
前回は1日目ながら、アップダウンのきつさにやられ
さらに車の移動で疲労がたまり、酒も満足に飲めない状況であった。
そんな中二日目スタート!
ルートとかをYAMAPでみても楽しいよ。
https://yamap.com/activities/17173585
■目覚めと出発と滝
休めたんだか、休めなかったんだか5:00くらいに目覚めてうだうだしながら準備をして6時過ぎに出発。
確かな疲労感を感じながら、朝の新神戸を味わう。
最初のチェックポイントは布引の滝。
神戸から程近いこともあり、大したことないだろと高をくくっていたが
大滝も大滝!
感動するほどきれいで雄大な滝でした。羨ましい限り。
登りのきつい道を登る。
ハーブ園にて、昨日見た花畑を見る。
まだ朝早いので人がいなくて、昨日とは違う雰囲気。
昨日下った道を登るという何とも気合の入らない行為。
頑張って、踏ん張って、昨日の分岐点までくる。ここが本当のスタート地点。
■行きたかった摩耶山、掬星台
いよいよ、摩耶山に向けて出発。
掬星台は前から行きたくて行けなかった場所。
岩っぽい道を行き、重たい体を引きずり、ズリズリと登っていく。
そしてついにたどりつく掬星台!
景色がいいねええええ!
これは良いですね。
公園も広くてきれいでいいですなあ
猫がいっぱいで目を奪われてしまう。
自販機やゴミ箱も整備されていて、ハイカーにやさしい掬星台。
■摩耶別山、杣谷峠、六甲ガーデンテラス
掬星台を出て、道路と山道を行ったり来たりしながら、下ってんのかのぼってんのか、って道を行く。
■ぼやぼやと六甲最高峰
飯食って、ぼやぼやしながら、次のチェックポイント六甲最高峰へ。
時間がやばいなあと思いつつ。ぼやぼや。
マジでガーデンテラスでてから、最高峰までの道程を覚えていない。
ぼやぼやしすぎ注意。
■急ぎ降ります。塩尾寺まで。
さあいよいよ。時間がやばい。
この時点で14時。
コースタイム(休憩なし)で計算すると宝塚まで5時間弱。
ヘッデンもあるし、夜間行動の準備はあるが、慣れてない山域であまりやりたくない。
少し急ぎめで歩くが、疲労が確実に蓄積している。
自分の中の飯塚が「蓄積ー!」と叫ぶがごとく、体が悲鳴をあげる。
トレッキングポールをもってきていてよかった。
体感で言うと体重の8割をポールに預けながら、つかまり歩きの子供のように進む。
スピードを上げては悲鳴をあげる体を宥めすかしながら、時折休憩をはさむことでお茶を濁す。
写真なんて撮る余裕なし。行動食は積極的にとる。
最高峰を超えたので、下りのみと思いきや、小さなピークを越える必要があり、疲労の限界に挑んでくる。
そんなこんなで大平山を越えてくると、いよいよ傾斜もゆるく、下りの道になってくる。
疲労の限界も超えてきて、ハイカーズハイ状態になる。
16時。スピードに乗ってきた。日暮れも近づいてきた。
太陽と俺の勝負だ、と意気込んていたら、老練なハイカーに追いつかれた。
トレランでもないのにすたすたと素早く歩く姿に、尊敬しながら、これ以上速度を上げることは、自分の体の構造上不可能と悟る。
道を譲り、自分は自分の最高速度で歩く。
最後にゆるい登りがあり、それを越えて少し歩くと塩尾寺に出る。
宝塚の標識がようやく出てくる。17時前。
もう安心だ。
気が抜けた。
ハイカーズハイが抜けてしまった。
そして舗装路ながら急こう配の下り。
膝に痛みを感じながら、引き締まらない気を引き締めて下る。階段がつらい。。
■ゴール宝塚駅。
四足歩行の動物に成り下がりながら、ゴールに近づく。
武庫川が見えてきて、それを渡る橋に差し掛かると、待望の二文字が見えてくる。
宝塚駅だ!
この4時間くらい、どれだけその二文字を待ち望んだことか。
集中力が散漫だったので定かではないが、六甲最高峰近辺の標識から塩尾寺までその二文字を見ることはなかった。
待ち望んだ場所についにゴール!
やり切った!17:40!かなり巻いた!
もう歩かなくていい!もう考えなくていい!
解放だ!
駅前のベンチに座り込み、汚く疲弊した我が身の周りをきらびやかな街と人が通りすぎる。
残っていた水と行動食をかきこみ、疲労の回復に全精力を注ぐ。
■エピローグ
しばらく駅前ベンチで放心したのち、車を回収。
帰り道のスーパー銭湯でやせ細った体を労わった。
そしてのろのろと運転して帰路についた。(終)
今回縦走の感想としては
もうやりたくねえええええええええええ
というのが正直なところ。
だけどこうして記事に起こすために振り返ると、魅力の多い山行だった。
特に二日目後半は、とにかく周りを見渡す余裕がなくもったいないことをした。
六甲の山は素晴らしい
加藤文太郎もこの道が好きだったのだろう。ただの修行の地ではなかったと今では感じる(偏見)。
50キロ以上の道を2日で歩き抜き、自身の記録を塗り替えたことは大いに自身になったし、体力もついたと思う。
(現在は酒におぼれながら記事起こししているが、貯金は残っているだろうか?)
総括としては
「六甲全山縦走は素晴らしいが疲れる。」
これに尽きるのだが、その中身はこんな感じだ。
それを残したく記事にした。
皆さんも挑戦して、その苦しさと素晴らしさをかみしめてほしい。