広がる行動範囲
先日、私が仕事の日にあったサッカーの練習に、娘はひとり自転車で向かっていました。
そのグランドには2〜3回行ったことがあったかと思いますが、私が一緒のときはわざわざ3駅電車に乗って連れて行っていましたし、両親共仕事のときには、車で送り迎えのある友達と一緒に連れて行っていただいていました。
自宅から4kmぐらい。自転車でも20分かからない距離だったんだと気づいたのは、娘が自転車で向かっているんだと、みまもりマップの娘の現在地を確認していたときでした。
その日は夫が休みだったので、てっきり夫が送迎してくれるのだと思っていたのに、夫の位置情報は自宅のまま。
一度も自転車で行ったことがない場所にひとりで行かせたの?と、一瞬驚きましたが、まあ、ツムギならなんとか到着できるだろう。と思い直しました。
後から聞いたのですが、その日、近所に住むKちゃんは、送り迎えをしようと思っていたお母さんの体調が悪く、その日は練習をお休みしたのだそうです。
Kちゃん母もツムギがひとりで往復したと知って、びっくりしたと話してくれました。
そして今日。
今日はまた、別のグランドで試合です。
5kmと、前回よりも距離は伸びますが、自宅前の幹線道路をひたすら真っ直ぐ進み、最後に右折したら大きな公園の中にそのグランドはあります。
比較的わかりやすいかな?
そもそも今日は夫も私も送って行くことができなかったので、ツムギに自転車で行けるか聞いてみました。
勇敢な娘の返事はもちろん「うん!」
Kちゃんも自転車で行くつもりか聞いてみて、自転車で行くなら待ち合わせをしたらいいよ。と、昨日の練習前に話していました。
夜、Kちゃん母からLINEが来ました。
『Kとツムギちゃんが一緒に行く約束をしたようですが、お母さんも行きますか?』と。
Kちゃんは今年度から、ツムギのサッカーチームに移籍してきたので、二年間同じクラスでありながら、Kちゃん母とはあまり接点なく来てしまっています。
丁寧に、元々ツムギひとりでも、親が付き添えなかったことを伝えると、Kちゃん母はまた体調が悪かったら、こどもだけで行かせることになるがよいか?と相談して来てくれました。
むしろ、Kちゃんは、ツムギとふたりで行ってみたいと思っているようでしたし、Kちゃん母も昨夜の時点で、ある程度の覚悟を決めていたのだと思います。
私はツムギに言いました。
「Kちゃん母は、ツムギとなら。ってことで、こどもたちだけで行かせてもいいかな?って考えてくれているんだよ。今回、大丈夫だったね、ってならなかったら、次はまたこどもたちだけじゃダメだね。ってことになるんだよ」
「責任があるってことだね?」
珍しく、キリリとした顔で返事をしました。
これで私にも責任がかかりました。
ツムギひとりと違って、Kちゃんの安全も負ったのですから。
ここの信号を渡って右に曲がるんだよ。と説明した四角で自転車が止まっているように見えたので、安心しかけたら、次の瞬間、その先まで進んでしまっていました。
慌てた私はツムギに電話。
あーでもないこーでもないとやりとりをして、またみまもりマップで様子を見ていました。
結局、私が説明していた道とは違うルートを迷いながら進んだようでしたが、なんとか待ち合わせ時間までにグランドに着きました。
もう一度電話で、チームメイトに会えたことを確認して見守り任務を終了しました。
その間、Kちゃん母ともLINEでやりとり。
『ふたりともがんばった!』と。
こどもたちは、きっとそんな心配している母たちのことなど知りもしないのでしょう。
私の父も、私が行きたい!と言えば、ひとりで出かけさせてくれましたが、内心はこんな気持ちだったのですね。
「お姉ちゃんは心配だけど、ケイトは道に迷っても、人に尋ねることができるからあまり心配していないよ」
そう父に言われたことがありました。
ツムギは不思議なぐらい私に似ているな。
似ているから、悪いところばかり目についてイライラするんだなぁ。と思いました。
いいところも似ているじゃないか!
親に心配かけながらも、どんどん行動範囲を広げて、楽しい人生を送るのでしょう。
さすが、私の娘だ。
今日は、ツムギの好きなサーモンのお寿司と、ケーキを買って帰ります。