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思春期のイライラ

小学四年生から一緒に暮らし始めた継娘のツムギは、それはそれは気の強い子で、私をサンドバッグにして、激しい反抗を繰り返してきました。

周りのママたちには、「また喧嘩してるの?」なんて軽くあしらわれて、泣きたかった。本当に。


その甲斐あってか、ティーンになったツムギは、相変わらず自分勝手な解釈でわーわー騒ぐけれど、所謂反抗期と言われる様子よりは、ずいぶんとマシなのかなぁと感じています。


先日、こんなことがありました。

週に一回の部活の朝練の日、6時にセットした目覚ましは、最後まで止められることなく鳴り切り、7時には部活が始まると言うのに、起きる様子がなかったので、6時半過ぎ、「ツムギさん、朝練じゃないの?」と、声をかけに行きました。

ものすごく不機嫌な顔で「知ってるよ!」

一気に嫌な気持ちになった私。

その朝は、嫌な気持ちになったことを伝え、それ以上不愉快になりたくなかったので、ツムギには関わらないことにしました。


仕事を終えるといつも、今から帰るとLINEをするのですけれど、時間が経って気持ちも収まっていた私は、夕飯のことなど交えながら、いつもと同じようなやりとりをし、普通に(正確に言うと、ちゃんと普通通りに接して、朝のツムギの不機嫌を引き摺らせないようにしようと意識しながら)、「遅くなりました〜」と家に入って行きました。

それなのに、その雰囲気に乗り損ねたツムギは、その後、3日ぐらい、また部屋に篭り続けてしまったのです。


日が空いたので、夫にも促されながら、ツムギの話を聞きに行くと、ツムギは意外なことを言ってきました。

「ごめんなさい。朝、起きれなかった自分にイライラして、あんな言い方をしてしまったの」


別の日には、こんなこともありました。

試合のあった日曜日、私が自分の習い事を終えて帰ってくると、1時間前ぐらいには帰ってきていたであろうツムギが、ジャージのまま、ソファでスマホを見ていました。

「なんでまだ着替えていないの?」

スマホは着替えてから見ること、と、何度も伝えています。(余談ですが、それを習慣化する約束で、グミ10袋を買ってあげたという経緯もあります)

「え?だって、お風呂に入ろうと思ったら、お父さんが入ってたから」

「もうずいぶん前に出ているぞ!」

父娘の言い争いを聞くのも疲れるので、「はいはい、もう入れるんだから、入ってらっしゃい」と促しました。

洗面所にスマホを持ち込まない、というのも、きちんと明文化したルールでしたが、既に2度、2発2中で持ち込みを見抜き、約束通り没収されていたにも関わらず、その日、ツムギがお風呂に入った後のリビングには、スマホが見当たりませんでした。

はい、没収。

浴室に入っていたツムギは、案の定、出てきた瞬間尋ねてきました。

「スマホ、どこ?」

「最後に置いたのはどこなの?」

「洗面所」

「なら、答えは出ているじゃない?」

「なんで、勝手に没収するんだよ!見てなかっただろ!返せよ!」

スマホのことになると激昂するツムギ。

「約束は約束よ」

「見るのがダメなんだろ!ツムギ何も悪いことしてないじゃん!返せよ!かーえーせーよ!!」

どんなに怒っても、スマホ以外でこんな言葉遣いなどしないのに。
本当に、依存症みたいで、スマホって怖い。

夜勤に出かける直前だった夫は、私がやり過ぎだと言わんばかりに仲裁に入ってきたけれど、喚けばなんとかなると学んでほしくなかった私は、しばらくの間放っておくことにしました。

そろそろクールダウンしたかな?というタイミングを見計らって、ツムギの部屋を覗きにいくと、予想に反して、そこには恥ずかしそうに苦笑いするツムギがいました。
今までだったら、このタイミングでも、不機嫌の収めどころがわからず、ぶっきらぼうな態度を取っていたのに。

「ごめんなさい。試合で1回戦で敗退して、イライラしていたから、あんな態度になっちゃったの」


嗚呼、イライラを自覚できるようになったのね。

ちゃんと、自責であると、反省できるようになったのね。

自分の感情を理解できず、言葉にすることも苦手で、そんな自分にイライラして怒りん坊だったツムギが、またひとつ成長してくれた気がして嬉しくなりました。


思春期万歳🙌

イライラするよね。
理不尽だよね。
どうしたらいいかわからないよね。

こどもなんてそんなもんだよ。って、言われて頭でわかっていても、目の前の子が変わらないように見えて不安になっているときは、そんなアドバイスも素直に受け取れません。

きっと、みんな、母たちは、こういう我が子の成長の瞬間を見逃さず、そこに救いを得ながら、がんばっているのでしょうね。

サンドバッグはヘタるどころか、耐久性を増してきてるように思います。

こどもから大人に変わる、興味深い時期を、一番身近で見させてもらっているのですね。

なかなかハードで面白い体験をさせてくれて、ありがとうツムギ。

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