自己肯定感の育て方
夜、夫の寝顔を見ていて、ふと思い出しました。
7年前、私たちが出会ったころ、この人の自己肯定感はものすごく低かったんだったな。と。
離婚をして娘を連れて実家に戻り、なんとか子育てを一緒にするパートナーを探そうとするもうまくいかず、不安に押しつぶされそうな中で夫は私に出会ったのでした。
そんな顔をしないで。
何度かそう言ったことがあったように思います。
私は10歳下の、まだ青年のようだった彼に、大丈夫だよ、大丈夫だよ、と声をかけ続けました。
ケイトに何もしてあげられていないと言う彼に、私はあなたがいてくれるだけでいいんだよ、と答えました。
7年の歳月は、こんなにも人を変えるのですね。
あのころの弱々しい彼はいつのまにか消えて、私の目の前には頼もしい夫がいます。
父親である夫の自己肯定感があんなにも低かったのですから、たとえ娘の前で気丈に振る舞っていたとしても、その影響は親子の間柄では、潜在意識として娘に伝染していたのではないかしら?と思いました。
根深い。
娘の自己肯定感を高めてあげるには、同じだけの時間、それ以上の時間が必要なのかも知れません。
私自身、自己肯定感の高いタイプではなかったと思います。
歳の近い姉は出来のいいこどもで、怠け者でだらしない私は母からしたら悩みの種に違いなかったと思います。
下手したら姉と比べられる人生の中で劣等感の塊のような大人に育ってしまった可能性もありました。
私の劣等感を払拭してくれたのは、他でもない、姉自身です。
姉は何でも自分でできるはずなのに、私の得意とすることを、ぜひお願いするわと任せてくれたり、自慢の妹と言わんばかりに、自分の友達との集まりにもたびたび呼んでくれました。
家族である姉が認めてくれるなら、他人がどう思おうと構わない。
相変わらず、姉と比べたら格段に怠け者でだらしないままですが、そのことによって自己肯定感が低くなることはないと感じています。
もうひとり、出来の悪い私を認めてくれる人がいました。
新卒で入った会社の先輩です。
アパレルの企画部に配属されながら、ほとんど服に興味がないと言う致命的な新人に、この子ができる仕事は何かしら?と考えて、任せてくれる人でした。
一旦任せたら、間違えようが任せた責任を全うしてくれる人。
私たちの間には、信頼関係が築かれ、その先輩もよくプライベートの友達と遊ぶときなど、私を連れていってくれました。
ヒントが、この経験の中にあるなぁと気づきました。
完全に下がり切っている娘の自己肯定感を、これからゆっくりと引き上げていってあげたいと思います。
長い道のりであることを覚悟しながら。