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勉強は誰のもの?

8月も半ばになって、そろそろ取り掛からないとマズいと思ったのか、ツムギが夏休みの宿題の計画を一緒に立ててほしいと相談してきました。

中学校最初の定期試験の勉強計画表のときも、計画の立て方がわからないと相談してきたのですけれど、あまりにも提出物が滞り過ぎていて、本人の希望を聞いてあげる余裕などなく、「こういう計画で進めていかないと、試験勉強はおろか、提出物も間に合わないよ!」と、無理矢理計画表を埋めさせてしまったので、ほぼ計画通りには進まず、なんとか提出課題をやり切るだけで、身になったんだかなっていないんだかの状態で初の試験に臨んだのでした。

結果はそれ相応。

夏休みの宿題も状況は同じだったので、計画を立てる様子から結果までデジャヴのようで、もう最後は、無理な徹夜などをしないように、生活の管理をするに止めて、宿題の進捗は追わないことにして夏休みを終えました。

苦手なものだけは、教えてほしいと相談してくるツムギ。

それは、やり方を教えてほしいというよりは、あわよくばやってくれというニュアンスの方が強いのだけれど、嫌いというだけで、課題を机に広げたままピタっと手が止まってしまう性格のツムギには、一歩でも先に進めさせる手助けは、まだ必要なのかと考えています。

家庭科の献立作り、英語、数学、自由研究、読書感想文…聞いてきたのはこれぐらいだったでしょうか。

これがまだ、残り一週間を切った時点で終わっていなかったのに、それでも日中はアニメを見たりスマホを弄ったりしていたのですから、ツムギの後回し癖は相当肝が据わっているのでした。

最後の週末に、私の姉が来ていて、「え?自由研究を親が赤入れしているの?」と驚いていました。

確かに、姉が中学生のときには母はすでに入院をしていたし、昭和サラリーマンだった父は、娘の勉強に口出しをするようなことはありませんでしたから、私たちは、親に宿題の相談をすることは小学生のときに卒業してしまっていたのだと思います。

私は、2学年上の姉に聞いていたかしら?
でも、中学時代はさほど仲良くなかったから、嫌味言われるぐらいなら聞かない方がマシと思っていたような気もします。

「まぁね、一理あるんだけれども、ツムギが見てほしいって言ってきたことには、私たちなりに応えようと思っているのよ。赤入れはあくまでも、見てどう思ったかの感想を書いているだけで、直すか直さないかはツムギに委ねるつもり」

姉にはそうやって反論したけれど、自由研究と言いながら、Google先生の言葉を継ぎ接ぎしているだけの成果物を見て、もうちょっと自分の頭を使ってほしいなぁと思いながら赤入れをしてしまったのは否めませんでした。

私がツムギの勉強に口出しをしてしまうのはどうしてかなぁ。

正直、いい学校に入ってほしいなどという気持ちは一切ありません。

そもそも、私の血は一滴も入っていないのですから、持ち前の才能は異なると思っていますし、そこに、期待も罪悪感もなく、好きな人生を送ってくれればいいんじゃないかと思っています。

ただ、自立はしてほしい。

私の考える自立とは、成人になったら、自分で自分の食いぶちぐらいは稼いで、自分で自分の人生を歩んでね。っていう話。

それに向けてがんばっていることには喜んでサポートするし、それによって失敗したり、上手くいかないことがあったら助けてあげたい。

ただ、脛を齧って全身で甘えてくるのはやめてくれよ。っていう話。


そこが根底にあるから、助言はしようと思っています。

中学生のツムギがまだ知らないこと、想像できないこと、その歳になってみないと気づけないこと。

それは、こういうこともあるよ。
聞くか聞かないかは自由だけれど、私は伝えたからね。と。


それから、一応、ツムギの性格を理解しているつもりなので、選択肢を増やしておいてあげたい。

今は、絵や音楽に夢中で、YouTuberになりたい!なんて言っているけれど、いつその夢を方向転換するかわからない。

そのときに、他の道を選べるくらいには、満遍なく基礎力をつけておいてほしい。


ツムギに対しては、それぐらいかなぁ。


それより何より、ツムギが今やっている勉強に、私自身が興味あるのだと思います。

自分が中学生のときには、ツムギと同じようにイヤイヤして学ばなかったことをもう一度なぞってみたり、純粋にツムギがどんなことを考えて課題をやったり作品を仕上げたりするのかを知りたかったり。

だけど、自分の好奇心を満たすために、過干渉になってはいけないと自制しているので、自分から覗きにはいきません。

あくまでも、ツムギから聞いてきたり、見せてきたりした場合だけ。


だから、夏休みの読書感想文は、結構積極的に関わってみたのに、最後の最後、後回しにされて、夏休み中には終わりませんでした。

「読書感想文は国語の時間に出せば良かったからセーフだった」

登校初日にそう話していたので、まだ読むチャンスはあるかと思っていましたが、次に聞いたときには「ちゃんと出したよ」で終わってしまいました。

読みたかったのにな。ツムギの感想文。

今年、ツムギが読書感想文に選んだ図書は、『そして、バトンは渡された』だったのです。

血の繋がらない父母に育てられた主人公優子の話を、ツムギがどう受け止めているのか…。

本音は書かないかもしれないけれど、読んでみたかったのです。


さて、夏休みが終わったばかりだというのに、来週はもう、第二回目の定期試験です。
しかも今度は九教科。

早速ツムギは、「計画表手伝って!」と言ってきましたが、今回はお断りしました。

「もう、二回も計画の立て方を教えてあげたじゃない。それを参考にしてちょうだい。
それに、せっかく計画を立てても、その通りに進まないんだから、私の勉強の仕方はツムギちゃんには合わないのでしょう?」


更に、昨晩はこんな事件が起きました。

仕事で遅くなった私が、家族LINEで、夕飯のメニューを伝えて、先に作り始めていてね。と、夫と娘に頼んでおいたのに、帰ってみると、キッチンに立つ夫の傍らで、免罪符とばかりに学校支給のiPadに向かっているツムギ。

夏休みの宿題のうち、予め、9月6日が提出期限と決まっていた社会科の課題を、せっせとやっていたのです。
学校から帰ってついさっきまで、アニメを見ていたというのに。

「先にご飯にしましょう。みんなで支度するよ?」

「だって、明日提出しなきゃいけないんだよ!」

「そもそも、夏休みの宿題なんだから、本来であれば夏休み中に終わっているはずのものでしょう?」

「ケイトが6日までにやればいいって言ったんじゃん!」

「人のせいにしないでちょうだい」

「そっちだって、ツムギのせいにしてるじゃん!」


…。

やっぱり、干渉などしなければよかった。

誰の宿題だよっ!

やっただけの成績
やっただけの人生
やらんにゃあいけませんぜ

未だに忘れもしない、中学時代の国語の先生の言葉です。

中学生の勉強は、もう、本人のものだと、親も覚悟を決めないといけませんね。

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