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家訓制定
娘との冷戦は二週間近く続いていました。
私は娘の躾は夫に任せ、直接注意することをやめていましたので、食事のマナーは相変わらずだらしなく、宿題も毎日の体温チェック表もその日を境にまったくストップしているようでした。
私はと言うと、自分がされて嫌なことだけ、お願いがあるんだけど、と言う言い方で娘に伝えていました。
サッカーから帰ってきた練習着のままで白い布のソファに座ると汚れるから嫌なんだけれど着替えてもらえる?
裸足でベタベタと床を歩くと真っ黒になって掃除が大変だからスリッパを履いてちょうだいね。
私からのお小言の回数が減ったからか、自分から気をつけられることも増えて来たように感じていました。
それでもやっぱり同じことを繰り返すことがあり、私もつい気を抜いて、サッカーから帰ってきたらすぐに着替えてって言ったよね?などと言ってしまうものですから、娘はまたぷーっと口を尖らせて、くるりと背中を向けてしまうのでした。
夫に言わせると、娘はものすごくプライドが高く、自分からごめんなさいと謝れたことがないそうです。
自分が悪いと思っていないので、反省もしないし、直すこともしない。なんで私だけいつも怒られるの?といつまでも機嫌が悪いままなのです。
昨日のことは反省したの?
ーしていない。
じゃあ、自分は悪くなかったのね?
私が悪かったなら意見を聞かせて?
ーそう言うんじゃない。
それならどうして怒った顔をしていたの?
ーわからない。
じゃあ、昨日はどんな気持ちだったの?
ー忘れた。
じゃあ、今不機嫌なのはどう言う気持ちなの?
ーほっといて欲しかったの。
自分で考えるからほっといて欲しかったの。
(あのー、昨日のことは忘れたって言ってましたよね?自分で考えるって、何を考えるつもりだったのでしょう?と言う言葉は飲み込み)わかったわ。
じゃあ、ほっておく。
あなたから話しかけてくるまで話もせず、挨拶もせず、ほっておいていいのね?
ーいい。
じゃあ、あなたから話しかけてくるまで、ご飯も作らず、買い物もしなくていいのね?
ーそれはいやだ。
それは通用しないよ?
自分ひとりで考える時間をください。って言うなら、ご飯も準備するけれど、ほっとくって言うのは何もしないことよ?それでもほっといて欲しいの?
ーうん。
じゃあ、やっぱりご飯は作らないよ?
ーうん。
ほっておいていいの?
ーうん。
お父さんもほっておいていいのね?
ーうん。
夜勤前でまだ寝ていた夫にそのことを伝えました。
すると、それはできないな。と。
学校が始まればまた日中はすれ違いが多くなる我が家。
外に出たら何が起こるかわからない世の中で、出かけるときは気持ちよく笑顔で挨拶がしたい。毛糸も前に同じことを言っていたよね?と。
確かに、私も娘にそう言って諭したことがありましたし、本心ではそうであることを願っています。
それでそこからまたいろいろと話し合い、私はここ数日で感じたことを夫に話しました。
子育てについて調べて様々な情報を読んでみているけれど、娘に対して、このようなときはどうしたらよいか?と調べると2〜3歳の子に教える方法に辿り着いてしまうこと。その時期、夫は仕事に必死で、義両親は孫の世話をすることに必死で、多くの親がするような、細かいひとつひとつの考え方や気持ちの持ち方、謝り方などを教えてあげられていなかったんじゃないか?一度仕切り直す意味で娘にそのことを詫びた方がいいんじゃないか?と思ったこと。
その後、娘と三人でテーブルに向かい合い、冷静に話し合いをしました。
そして初めて、我が家の家訓を制定することにしました。
1.注意する者は簡潔にわかりやすく話すべし。
1.注意を受ける者は一旦最後まで相手の話を聞くべし。
1.不機嫌は1時間以内におさめるべし。
(原文を要約(笑))
ノートに書いて、三人で署名をして、夫は夜勤に出かけて行きました。
まだまだ道のりは長いけれど、私たちは間違いなく、自分たちの理想とする家族の形に向かって、前進していると感じました。
そう言えば今月になって、真っ白な鳩に会ったり、何年ぶりかに大きな虹を見たり、鬱々とした気持ちと裏腹にラッキーのメッセージを受け取っていたんだと言うことに気付きました。
目に見えることだけにガッカリとせず、水面下での変化にも目を向けてみようと思うのでした。