答えは山口弁にあった!
私が父の転勤で山口に引っ越したのは小学三年生の二学期からでした。
小四で転校させた娘の気持ちを理解するには、その頃の自分と照らし合わせるのが一番わかりやすいかと、最近では当時のことを思い出す機会が多くありました。
それでも、時代も違えば、環境も違い、あまり参考になることもないのですけれど。
今日は娘の10歳の誕生日だったので、なんとなく、呼称の話をしていました。
娘が、パパからお父さんって呼び方を変えた日のことを覚えてるよ。なんてことを言い出したので、まだ学校ではみんな、自分のことを名前で呼んでいるの?と聞いてみました。
ー前の学校では『ウチ』って言ってたけどね。今はまた名前かな。
出た。
私は東京の子が『ウチ』って言うのは違和感があって好きではないのです。
娘にも言いました。
『ウチ』は私にとっては方言だから、よく使う自分の呼び方だけ方言って言うのがなんだかしっくりこなくて気持ちが悪いのよ。と。
まあ、これだけ若い子たちの間で市民権を得てしまっていたら、使わないでくれとも言えないのでしょう。
家ではあまり使って欲しくないなと、お願いはしておきましたけれど。
そんな話の流れから、かつて自分が使っていた山口弁の話になったのですが、いろいろと説明をしているうちに、あ!と思う方言を思い出しました!
『はぶてる』
何怒ってんの?
ー怒ってないもん。
でも、口尖っているよ?
ー尖ってないもん。
ぷーってしてるじゃない。
正にこれ!
日々繰り返されるこの娘の状態が、山口弁で言うところの『はぶてる』なのです。
これは使えそうです。
なんはぶてちょるん?
例え娘に反論されても、娘は『はぶてる』の正しいニュアンスを知らないわけです。
そーゆーんをはぶてちょる言うんよ。
と言ってしまえばいい訳ですね。
そこだけ急に方言を使えば、私の中のトゲトゲしい気持ちも、山口弁の柔らかさによって和らぐような気がします。
しつこく言えばまた娘には嫌がられそうですが、試してみる価値はありそうですね。
母は山口に引っ越して間もなく亡くなったので、山口弁は話しませんでした。
私が今娘にお説教する言葉は、理詰めの母の受け売りだと思います。
山口弁のお小言は、遊びに行くと親切にしてくれた同級生のお母さんたちから聞いていた言葉。
なんしよんかね。はよーしんさー。
おおらか母ちゃんに憧れる私。
目標は、なおみのお母さんやさちこのお母さんやゆきのお母さん。
ここにも、私を育ててくれたお母さんがたくさんいました。