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学会のこと

よくもまあ査読過程でのハラスメントを2年以上、学会大会での暴言を1年半、学会から受けたハラスメントのせいで希死念慮が止まらないので対応してくださいという連絡を半年間、それぞれ放置して人の心に傷を残しておいて、Facebookへの投稿を誹謗中傷だのと抜かせるよな。

    • 林業経済学会 50周年記念誌 『林業経済研究の論点:50年の歩みから』 読書ガイド

      林業経済学会50周年記念誌『林業経済研究の論点:50年の歩みから』が、同学会70周年記念事業の一環としてデジタル公開された。同誌は重要文献であるが、50周年記念事業に関わった当時の会員の手に渡った割合が大きく、図書館の所蔵数がそんなに多くなく、古本の流通も限られていて入手がそんなに簡単ではなかった。筆者はもちろん持っていなかったので、大学の附属図書館で合計50回は借りたと思う。 この本は、一応林業経済学の当時の水準を示す好書であり、労作である。しかし、学部生や初学者がこの本

      • 持続可能性移行の研究者です

        最近、やっと自分の研究課題について、自信を持って述べられるようになった。というのも、私はもともとお寺や神社などの伝統木造建造物の造営や修理に用いられる大きな木材の確保策について研究していた。その後、林業部門におけるイノベーションの創出について少し手を付け、日本における林業経済学の歴史についても調べた。里海生態系の評価枠組みや、政策過程論の枠組みの一つである衝動連合枠組みの日本の適用状況についても共同研究したことがある。今は、化学品原料としての森林バイオマスについて定性的・定量

        • 続く社会と続かない社会

          「サステナブル」「持続可能」「持続的」といった言葉を毎日目にするようになって久しい。 でも、どこか借りてきた言葉、自分の感性の外の言葉という印象がぬぐえない。一種のフレーズになってしまっている感がある。 理由の一つは、日本社会そのものがunsustainableであることだろう。図1に示されるように、日本の人口はこれから減少していく。おそらく、経済成長期に構築された公式・非公式の社会制度(法制度に加え慣習や価値観も含む)が私たちの重荷となって、人口が減少していくのだと解釈して

          林業経済学会の欺瞞性:合意形成への参加をめぐって

          スウェーデンで開催されている、国際森林研究機関連合 IUFRO の世界大会に参加している。 森林の分野では参加型アプローチの重要性が、少なくとも2000年代から認識されてきた。参加や熟議の重要性は、持続可能な社会への移行の文脈でもよく論じられる。 林業経済学会(員)は、長きにわたり、学会シンポジウム等において、国有林経営のあり方を、資本や官僚による私物化を招く構造だと批判し、市民参加の必要性を訴えてきた。 最近では、学会主催の研究会において、森林・林業基本計画の改定をめぐ

          林業経済学会の欺瞞性:合意形成への参加をめぐって

          学問のアイデンティティについて

          私は、「林業経済学とは何か、どうあるべきか」という問いと向き合い続けてきた。言い換えれば、林業経済学のアイデンティティとその展開方向を求めてきた。 学問のアイデンティティについては、色々と文献がある。備忘も兼ねて記録しておく。 行政学 商学 政策科学・公共政策学 国際関係論

          学問のアイデンティティについて

          「コモンズ」定義考

          私は、コモンズ論が何となく苦手だった。 その理由は、コモンズ論では公有地や自然資源が「みんなのもの」であることを前提するからだ。 コモンズはみんなのもの、という定義がいかに普及しているかは、「コモンズ みんなのもの」で検索するとわかる。 コモンズ論の中で、多辺田の議論は違和感なく読めた。『コモンズの経済学』を友人に借りて、初めて読んだ時は感動して泣いたくらい。 多辺田によるコモンズの定義を見直したら、 「英語のコモンズ(commons)という言葉には,『共有地』『入会権』

          「コモンズ」定義考

          日本の「森林政策学」の特徴について:スポーツ政策論との比較から

          日本の森林政策学の特徴は、いくつかある。そのことについて、スポーツ政策論の教科書との比較から論じてみたい。 比較するのは、遠藤日雄編著『改訂現代森林政策学』(日本林業調査会、2012年)と菊幸一・齋藤健司・真山達志・横山勝彦編集『スポーツ政策論』(成文堂、2011年)である。 端的に言えば、『現代森林政策学』は個別の政策の解説である。『スポーツ政策論』は公共政策学や行政学の理論や方法、体系を踏まえて記述されている。これは、森林政策学が古い学問領域であり、一般の公共政策学者や

          日本の「森林政策学」の特徴について:スポーツ政策論との比較から

          林業経済学系研究室の名称

          林学・森林学は総合学であり、その中には森林と人や社会の関係を扱う領域が含まれる。この領域は、古典林学の中では林政学(forstpolitik)が扱っていたものであり、この分野の最大手の国際学術誌はforest policy and economicsである。一方、森林学の国際組織と言えるIUFROでは様々な部門divisionに別れている。 現在の日本で、この領域を専門に扱う学術誌は『林業経済研究』と『林業経済』の2つであり、現在の日本でこの領域は「林業経済学」と呼ばれている

          林業経済学系研究室の名称

          林業経済学会とそば屋

          相変わらず林業経済学のことを考えていて、一つ例えを思いついた。 私は林業経済学が色々なものの集合体であることに違和感があるのだが、分野内の人にはあまり理解してもらえない。分野内の人からしたら、林業経済学分野が色々なものを扱うことは、そば屋で親子丼や天丼が出てくることくらいのことなのかもしれない。そして、私は「”林業そば” はなぜそば屋なのに丼や定食を出すのだ!」といちゃもんをつけているように見られているのかもしれない。 ちょっと面白い思い付きだと思ったので、早速書いてみる

          林業経済学会とそば屋

          松島良雄『林業経済学』(1961年、地球出版)について

          私は、「林業経済学とは何か」について、強い関心を持ってきた。 なぜなら、「林業、林産業、山村さらには人間と森林との幅広いかかわりに関する社会科学および人文科学の理論的・実証的研究」を扱うことを自称する林業経済学会、およびそれと大同小異の林業経済研究所が主張する「林業経済学」なるものは現代の学術として当然具えているべきものを欠いているためである(いつか稿を改めて書く)。 林業経済学会の旧HPには、「森林, 林業, 山村, 木材, 緑, 環境, 教育, ボランティア, リクリエー

          松島良雄『林業経済学』(1961年、地球出版)について

          統合的理解と分析的理解

          研究を進める上で、理解する、ということは2つに分類できると思う。 一つは、自分の専門分野でこれまでわからなかったことをわかるようになること。もう一つは、他の専門分野で普通とされていることを理解し、それを自分の専門分野に応用できるようになること。 前者は分析的理解、後者は統合的理解と呼べる。学際的研究を行う上では後者が重要。 後者の理解のためには、必ずしも新しい知見を得たり、新しい研究方法を使う必要はない。

          統合的理解と分析的理解

          精神不調の正体

          この動画を見て、自分の精神不調の原因がいくらか言葉になったように感じた。いくら林業経済学の問題を訴えても、組織(集団)としての林業経済学会/林業経済学分野には何も響いていないような感覚。逃げ切り世代を体化し、もはや自分が逃げ切り世代であることしか気づいていないような上の連中、「自分たちもやったんだけど変わらなかった、地道にやるしかない」という失敗体験を無自覚に押し付ける中間層。 研究者だから何でもできるわけはなくて、専門家であることのほうが重要。専門家であるためには、自分の

          精神不調の正体

          朝起きて洗濯をちゃんとできたから

          朝起きて洗濯をちゃんとできたから 4月12は洗濯記念日 林業経済学会および学会員から度重なる存在否定行為を受け、傷ついていた今までは、朝5時に目を覚ましても寝床から起きられなくて、朝洗濯できたことがなかった。今までは自分が怠け者なんだと思っていた。 精神が荒んでいるとろくなことがない。

          朝起きて洗濯をちゃんとできたから

          林業経済学会における尊厳否定行為と、「林業経済学とは何か、どうあるべきか」について

          私は、林業経済学会において、数次にわたり深刻な尊厳否定行為(ハラスメント)を受けた。その中で最も明白なのは、筆者が林業経済学には「コア」「スタンダード」「ディシプリン」「教育システム」のいずれもが欠如しているという現状に対する問題提起を続け、 2022年3月に「林業経済学を問い直す:林業経済学とは何か、どうあるべきか」と題する意見論文を学会誌に投稿したところ、匿名査読者より「林業経済学に向き合お うとする誠実な態度、真摯な姿勢を欠き、独りよがりかつ稚拙である」「床屋談義」「経

          林業経済学会における尊厳否定行為と、「林業経済学とは何か、どうあるべきか」について

          新年度を迎えて

          2024年度が幕を開けた。 昨年度、一昨年度はあまりいいことのないと感じざるを得ない年だった。 学会でハラスメントを受けたからだ。そのハラスメントの問題には、一応ケリを付けた。 それと、新しい出会いもあった。私がこれまでこだわってきた問題も、一旦こだわりを収めることにした。 職場では、昨年度までは、全く異分野、全く新しいテーマに必要な周辺情報を集めることに必死だった。人間関係にも、気を回しまくった。 今年度は、主体性をもって進んでいきたい。 さあ、新しい年度の始まりだ!

          新年度を迎えて