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第27話:マーケティング論から実務としてのマーケティングへ

前回のおさらい

マーケティングと心理学の関係についてお話してきました。マーケティングと心理学は、哲学や社会学より実務的な使われている関係にあります。
人間の購買行動は心理学を使った考え方をしていて、心理学と経済学を組み合わせた理論はノーベル賞を受賞するぐらいすごいものでした。

マーケティング論の実務上の課題

しかし、これまでご説明していたのは、学問としての「マーケティング論」を学ぶのに必要な知識を説明してきました。これまでの説明を理解していただけていれば、大学の卒業論文はテーマさえ決まってしまえば良い論文を書くことが出来ると思います。しかし、みなさんの目標は「マーケティング論」を知ることでも、良い論文を書くことでもありません。

優秀な研究者を養成するために、ブログを行っているわけではありません。優秀なマーケッターを養成するためにあると思っています。もちろん、明日すぐに役に立つわけではないんですけど笑

今一度、このブログの立ち位置を確認していきましょう。

・マーケティングの横文字にとらわれず、マーケティング思考が出来るようになる!すなわちマーケティング脳になる!
・マーケティングは魔法ではないということを理解する。
・この世の中(社会)の仕組みをマーケティング(ないしは、経済学、経営学)を通して解るようになる。

マーケティング脳になった場合のメリットは、どんな状況でも対応可能であるということ。一方デメリットは、実務上のマーケティングについての知識がないと使えないすなわち応用できないということ。
そのために必要な最低限の知識をこれから説明していきます。

それが、4P(マーケティング・ミックス)STPの2つです。
マーケティングの教科書の一番初めに必ず出てくるこの2つを確実に抑えるということが必要なのです!
今日は4Pを紹介していきます。

マッカーシーのマーケティング・ミックス

まずは、4Pのおさらいです。
マーケティングと言えば4Pとよく言われますが、これは企業がコントロール可能なマーケティング要素を適切に組み合わせることで、標的市場において目標とした成果を実現するために実施されるもののことをいいます。
これは、アメリカのマーケティング研究者のジェロム・マッカーシーが整理したものです。マーケティング手法と言うより、マーケティングって色々言われているので、整理しようという認識でいたほうが良いと思います。

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上記の図は、企業が行う政策と、顧客側で見たときの政策です。例えば、製品政策は、企業にとってどうにかしていい製品を作っていくということを考えますが、顧客から見たら、顧客自身の困りごとの解決方法を探すわけですね。流通政策でも同じく、どこに卸すのかを検討するものですが、顧客からしたら買いやすい場所で売ってもらえればそれで良いわけです。その関係を見ていくことも実は大切です。

製品政策(Product)

4Pの中の1つ目。製品政策です。
企業が提供する製品(もしくはサービス)に結びついた諸課題が検討されます。新製品をどのように開発したら良いのか、さらにブランドに係る課題、保証や返品などの課題も製品の領域で検討されます。

<製品政策のキーワード>
新製品開発
製品改良
製品廃棄
製品ライフサイクル
ブランド
保証

流通政策(Place)

製品をいかにして消費者の手元に届けたら良いかという課題が検討されます。チャネルをどのように設計し管理したら良いのか。原材料の調達などもここに含まれます。

<流通政策のキーワード>
チャネル設計
チャネル管理
コンフリクト
ロジスティクス

価格政策(Price)

提供している製品の価格設定に結びついた課題が検討されます。コストや競争や需要をどのように考慮して価格設定を進めたら良いのか。必要に応じて割引をしたり、消費者の心理を考えながら行います。

<価格政策のキーワード>
価格設定方針
割引
需要の価格弾力性
プロスペクト理論

プロモーション政策(Promotion)

消費者にその存在を知ってもらわないと販売につながらない。消費者に製品の購入を促すための諸活動のことです。

<プロモーション政策のキーワード>
広告
人的販売
販売促進
PR

まとめ

以上4Pについて見ていきました。マーケティングをより効果的に活かすためには、これらを統合しないといけません。統合する時にターゲットである標的顧客とのフィットや4つのPのフィットも求められます。
そのために次回のSTPと言う考えを確認していきましょう!

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