第12話:マーケティングを経済学の発想で見てみる

おやすみはいかがお過ごしでしょうか?
ビール飲んで昼寝してという生活をしています。

前回のおさらい

前回までは、新古典派経済学とマルクス経済学の価値論についてお話してきました。新古典派経済学は、価値は「効用」から生まれて、マルクス経済学は「労働」から価値が生まれるというお話をしてきました。

マーケティングを経済学の発想で見てみる

さて、今日は題名通り「マーケティングを経済学の発想で見てみる」という試みをしてみたいと思います。

これまで、経済を見るための3つのキーワードの話や、価値論についてお話してきました。今日はこれらを利用してマーケティングを見ていこうと思っています。

不平等を利用する


まずは、不平等を利用したマーケティングについて見ていきたいと思います。マーケティングの3つのキーワードの中には不平等というお話をしたと思います。その時に出した例は、青森のマグロと埼玉で買うマグロの値段は埼玉で買うほうが高いというお話をしました。マグロだけでなくて、りんごでも同じく青森で買うりんごと、東京で買うマグロは違います。

さて、他にも例があってサッポロビールが出しているサッポロクラシックというビール。サッポロクラシックは北海道限定発売されている商品です。また、富良野ビンテージという名前の限定商品もあり、ビールが好きな人は北海道に旅行に行ったときに買ってきて!とお願いされるぐらい美味しい商品です。(ちなみに、札幌に本社を置くコンビニチェーンのセイコーマートでは北海道でなくても買うことが可能です〜)

要するに、北海道にしか売っておらず東京では買えないという不平等をもたせることで、このサッポロクラシックの消費欲求を高めるわけです。これがどこでも売っている商品だったら、僕自身あまり欲しくなっていないかも?と思ってしまいます笑
限定商品というのは経済学の不平等というところの発想から来ているんですね!

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労働の結果を忘却させること

世の中には取ってつけたようにプレミアム〇〇みたいな商品がたくさんあると思います。
例として、プレミアムパンがあるとします。
なるほど確かに味は美味しい!パッケージもおしゃれ!売っている場所も都内の一等地の路面店で販売されてて、しかもテレビや雑誌で紹介されている!

しかしこれって、分解すると、、
▼味が美味しい
・研究開発
・良い材料を調達する
・商品生産にかける時間を上げる
▼パッケージがおしゃれ
・デザイナーさんに頼んでクリエイティブを作る
▼都内の一等地の路面店
・家賃が高い場所に入れる
▼テレビや雑誌で紹介
・広報部の頑張りでパブリシティを獲得

このように成功要因を分析することができます。

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味に関しては、生産にかける時間を上げること、要するに労働の投下量を上げただけに過ぎず、テレビで紹介されていることについても、広報部にかける労働の投下量を増やしただけです。

労働を強化した事によって付加価値を上昇させたに過ぎないのですが、それを「プレミアム〇〇」という言葉を使うことで、あたかもすごいように見えたり、マーケティングの結果としてもてはやされてしまうということが言えます。

まとめ

つまり、マーケティングも1つの労働の結果でしかないのですが、マーケティングがなにか特別な能力を発揮して売上に貢献することはほぼありえないわけです。

では、マーケティングは方法論に則ってうまくやれば成功するのかといえばそうでもないですし、クリエイティブの力でなんとかなるということもあります。

マーケティング論の議論の中に、「マーケティングはアートなのかサイエンスなのか」という議論があります。これは先程言ったとおり、科学的に理論に当てはめることが出来るのか、単純に法則化できないアートのようなものなのかという議論です。
マーケティングの理論はいつも後出しジャンケンなので本当にそれが科学なのかどうかということはわかりません。ただ、ある程度の理論が適応できるという曖昧な立場を取っています。

第1話でマーケティングは「学」ではなく「論」のままであるのはこういうところから来ているんですね。

マーケティング論研究の面白さはこういう曖昧さというところから来ているのかもしれません。

さあ、経済学のお話はここで一旦おしまいです。
また再び経済学の話は出てきますがまたお会いできるときまで一旦さよならです。
マーケティング論を理解するためには基礎知識としてしっかりと経済学を学ぶ必要があることを理解してもらえればまずはオッケーです。
次回からは、経営学についてお話していきたいと思います。この経営学もまた長くなりそうなので4話分ぐらいあると思います。

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ではさようなら。

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