ふと思い出した、あの頃の憧れ。
北国の内科医、keitoです。
小1、年長、1歳の子供たち、自営業夫と暮らしています。
『今こそキャンプしよう!』と思い立ち、キャンプデビューを目指すアレコレをほぼリアルタイムでつづっていきます。
前回までのお話し
ひょんなことでお友達にテントをいただいた私ですが、物置にしまい込んだままでした。
それが、第3子が誕生し、元気すぎる子供たちをどうにかしようと庭にテントを張るだけの「家キャン」デビュー。
大きすぎるテントは扱いにくい、という消極的な理由で買ったファーストテントに、なんだか気持ちが掻き立てられます。
雨の日のテントの中でふと思い出した、過去の憧れ。
「そういえば私、ソロキャンがしたくて調べたことがあったな。」
それは、まだ独身で下っ端で、地方勤務の頃でした。
外来で見ている患者さんの搬送要請があったら、当番を飛ばして私に直コール。
上の先生の患者さんの病棟ファーストコールは私、という体制に加え、プライバシーが希薄な環境に割とマジに参っていました。
「この現実から一気に脱出して、日常の全てから離れたい!!」
そんな欲求の行き着いた先が、キャンプへの関心でした。
砂浜に打ち上げられたヤシの実のように、星空を眺めてみたい。
テントに落ちる雨音を聞きながら、冷たい秋の森を眺めてコーヒーを飲みたい。
人語を忘れるくらい自分から解き放たれたい。
でも、キャンプには危険がつきもの。
たくさんの段取りが必要で、そんな思いつきで始められるものではありません。
おまけに当時は病院との連絡手段がPHSで電波も弱かったため、半径数キロ圏内の海岸線くらいしか行ける場所がありませんでした。
ほとんど遊泳禁止の上、下手したら誘拐に遭うかもしれない…
諦めきれない私は、病棟が終わったある土曜日の午後、矢も盾もなく飛び出します。
もうなんでもいいから海の見えるところで1人で過ごしたい!
夏も終わりかけでずーーっと曇り空だけど、僅かでも夏らしいことがした〜い!!
家に飛んで帰って服の下にビキニを着、レジャーシートをひっつかみ、今にもPHSが鳴るのではとヒヤヒヤしながらフレッシュネスバーガーをテイクアウトし、海岸線を目指します。
かろうじてアンテナが2本立つ海岸を見つけ、無理矢理レジャーシートを広げました。
でも風が強くて寒いし、ペグも持ってこなかったから風で巻き上げられたレジャーシートで簀巻きになってしまうし、全くちっともステキじゃなーい!!(号泣)
おまけにICUから未治療糖尿病の上肢切断がくると連絡が入り、ようやく諦めもついて帰宅したのでした。
ふと我に返る…『逆に今しかなくない?』
ひるがえって、現在。
「あれ??当時に較べたら、今キャンプができない理由ってほとんど無いんじゃ?」
熱い予感でドキンとしました。
考えてみたら、子供が親の趣味に付き合って遊んでくれる時期はあと何年あるんだろう?
特にうちは男女混合だし。
コロナの頃は夫婦とも本当に忙しくて、休みが取れたら何もかも放って泊まりに行くのがやっとだった。
それはそれで楽しかったけど、長男はすっかりレジャーが天から降ってくるものだと思っている。
そろそろ彼奴に、この母の野性を見せつけてやらねばな…。
そして娘。
対人関係や一部の運動が苦手を補うための療育がようやく軌道に乗ったけど、それは今まで娘だけを見て過ごす時間が少なかったことを補う手段でもあった。
それでも、「世間の目」みたいなのから私が完全に自由になり、娘だけを見ていられる瞬間がどれだけあっただろう?どこまで行っても、私、私、私がついてくる。
つまらない自分の枠をぶっ飛ばして、娘と付き合いたい。
娘ともっと色んなところに行きたい。朝起きたらこっそり2人で散歩がしたい。
それから夫。
私もそういうところがあるけど、いつも何かに過集中している。
プログラマーという仕事の特性上仕方ないけど、仕事の連絡が入るとすぐそちらに頭を持って行かれてしまう。
違うことをしながら考えてた方が良いアイデアが浮かぶと言うけど、もっと本格的にデジタルデトックスできる環境が必要なのでは?
年取って2人で過ごす未来があるなら、今から育てていける共通の趣味が欲しい。
末っ子ちゃんは…付き合わされるメリットはあまりないかもしれない。でも、家族みんなで過ごすのが大好きな子。
あまり負担をかけないよう注意して、広いところで自由に歩き回れる環境を整えるようにしよう。
よし、来年はキャンプデビューしよう。
かくして、秋の初め、キャンプデビューを密かに誓った私。
でもキャンプって何から手をつけたらいいんでしょう?
ほどほどのスタートってどうやったら切れるんでしょう?
冬の間スマホをぽちぽちして、考え続けることになったのでした。
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