伊藤圭太

俳優です。アガリスクエンターテイメント劇団員。

伊藤圭太

俳優です。アガリスクエンターテイメント劇団員。

最近の記事

書きたいことはあるけど時間もなくはないけどやる気がない

    • 2024年のここまでとここから

       『なかなか失われない30年』が終演した。1月(というか昨年末)から、稽古がまばらな時期もあったけどほぼずっと何かしらの作品をやり続けている期間はこれで一段落。ホッとしていると同時に、いつになく抜け殻のような気持ちになっている(抜け殻の気持ちってどんなんだ)。ここまで隙間なく出演が続いたのは初めてだったので本当にありがたい限り。  昨年の10月末くらいに、2024年が青春事情→MELT→アガリスクと立て続けになることが決まり、11月10日にはアガリスクの次回作が『なかなか〜

      • 孤独なグルメ第三話はアガリスクエンターテイメント本公演『なかなか失われない30年』の会場で販売されるクリアファイルについてくる「裏Aga-zine vol.1」に掲載されます。

        • 孤独なグルメ 第二話 東京都小平市のにんにくカツ

           駅からの帰り道の一本奥に商店街がある。商店街とは名ばかりで、何軒かおきに総菜屋や花屋や洋品店があるだけのなんだか寂しい通りだ。飲食店もあるにはあるが、ただでさえ数が少ない上に、その半分はやっているのかいないのかわからないような有様である。   その中に一軒、とりわけ古びたとんかつ屋さんがある。その店の存在は以前から知っていたが、レトロな雰囲気とは言い難い、ただただ長い年月の経過だけを感じるたたずまいに、これまで足を踏み入れる勇気が出なかった。しかし年の瀬も押し迫ったある日

        • 書きたいことはあるけど時間もなくはないけどやる気がない

        • 2024年のここまでとここから

        • 孤独なグルメ第三話はアガリスクエンターテイメント本公演『なかなか失われない30年』の会場で販売されるクリアファイルについてくる「裏Aga-zine vol.1」に掲載されます。

        • 孤独なグルメ 第二話 東京都小平市のにんにくカツ

          孤独なグルメ 第一話 東京都台東区の冷やしたぬき

           仕事が思いのほか早く片付き、あらかじめ下調べしておいた銭湯のサウナで全身整っていた私は、ふわふわとしたいい気分で下町情緒を残した通りをふらついていた。…本格的な露天風呂もあり、本当にいい銭湯だった。水浴びしていた私のしぶきが自分にかかったと文句を言ってきた全身刺青のヤクザ坊主が、そのあと水風呂にざぶんと潜りざぶざぶと顔を洗い、あろうことかそこで泳ぎ始めるという、自分のより圧倒的なマナー違反を犯していたことに対して、何も言ってやれなかった自分の不甲斐なさに対して多少のモヤつい

          孤独なグルメ 第一話 東京都台東区の冷やしたぬき

          もう友達ってことにした

           2019年3月にアガリスクに加入したとき、これまで何かに所属するということをしてこなかった自分にとっては初めて友人でも恋人でもない仲間というものができたという思い、だと挨拶に書いた。これはけっこう良いフレーズだと思うし、当時の偽らざる本心でもある。  文学座の研究所の同期たちが風来ズという劇団を作って、僕はその全公演に出演したが、最後までメンバーにはならなかった。単純に大変でしんどそうだったからだ。誘われなかったからというのもあるが、入れてくれと言えば入れてくれたんじゃな

          もう友達ってことにした

          私のカレーレシピ・完結編

           ついに、芭蕉のカレーを食べることができた。  芭蕉とは群馬県桐生市にある洋食屋さんで、父が学生時代によく通っていたというお店である。古民家カフェのはしりというか、ただ古民家。趣きのありすぎる、遠慮なく言えばいつ崩れ落ちてもおかしくなさそうな建物。父が通っていた頃からそうだったらしい。ここの名物、印度カリーを父に連れられて子供のころ食べて「こんなおいしいカレーがあったのか!」と、自分のカレー観を覆された。  しかし、場所柄なかなか訪ねることはできず、しかも老舗すぎてホーム

          私のカレーレシピ・完結編

          続・私のカレーレシピ

           果たして前回(伊藤圭太のカレーレシピ)をどれだけの方がお読み頂けているか、はたまたご記憶かは分からないが、要約すると、私がカレー作りにおいて味の目標としているのは、父の故郷、群馬県は桐生市にある『芭蕉』というお店の『印度カリー』で、そのカレーはロイホのカレーにも松屋の創業カレーにもにているという話であった。カレーに対する思いを語っていたら、肝心のレシピを載せることが出来ず本当に申し訳なく思っている。  あれから1年。最大の変化と言えば父が亡くなったことであろう。肺癌だった

          続・私のカレーレシピ

          私のカレーレシピ

           アガリスクには偉大なるカレーマスター冨坂友がいるためいささか気が引けるが、数か月に一度作る伊藤圭太オリジナルカレーのレシピがほぼ完璧なものとなってきたので、ここに記録がてら記しておこうと思う。  ちなみに私がカレー作りにおいて味の目標としているのは、父の故郷、群馬県は桐生市にある『芭蕉』というお店の『印度カリー』。昭和12年創業の古民家カフェのはしりのようなお店で、店内には棟方志功の壁画があったりする。父が学生時代通っていたというこのお店のカレーを初めて食べたのはまだ小学

          私のカレーレシピ