社会人基礎力とは②(報連相)
「相談」の本質は、端的な「問い」
組織の一員となった時点で、最も頻度が高いのは「相談」だ。「相談」をするときに心掛けたいのは「内容」と「時間」である。
「相談」するとき、あなたは相手に何かしらの意見を求めている。
相手の話をしっかり聞けるよう、自分の時間は相談の1/3程度には抑える意識を持っていると、相手にとっても楽かもしれない。そして、何より端的な「問い」を持っていくことが重要である。
自分は何をしているのか?どうしてそれをしているのか?
それらを一言、一フレーズで言えるところまで凝縮しておく、ということだ。
ただし、いくら端的な「問い」をもっていったとしても、いきなりそれを伝えても伝わらない場合もある。その「問い」が相手に最短距離で伝わるように、そこまでの道筋を工夫することも忘れてはならない。
「報告」で欲しいのは「分かった。進めてくれ」の一言
仕事に慣れてくると、「報告」をする機会が増えてくる。「報告」で大事なことも「時間」と「内容」である。
「報告」をする場合は、相手に同意や承認をもらうことが目的で、狙うべきは、自分が話した内容が相手に伝わり、「分かった。進めてくれ」の一言をもらうことだ。
そうなると、自分の話は報告時間の2/3までは使っていい。そして、伝えるべきは、今後の行動とそれに伴って発生する結果である。そこが相手に納得できるものであれば、望みの言葉を引き出せるだろう。
しかし、相手が納得できるかどうかは、「報告」前にある程度感触をつかんでおくことも欠かせない。そのためには、普段からの会話やそれまでの経験の蓄積が必要だ。
「連絡」は布石を打つ感覚で
「報連相」の中で、最も意識されないのが「連絡」だろう。相手にその場でアクションを求めないという点で、「連絡」は「報告・相談」とは異質で、タイミングが肝だ。
仕事をしていると、想定外のタイミングで思わぬ情報を見たり、聞いたりすることがある。直感的に、この人に伝えておいた方がいいんじゃないか、と思うことがあるはずだ。まさにその時に行うのが「連絡」である。
その情報をきっかけに相手や自分の今後の動きを好転させる、または失敗を防ぐ、という点で「布石を打つ」感覚に近い。何かが起こってからの「連絡」は遅いわけで、相手にアクションを求めないため、しっかり時間を取って伝えることは少ないはずだ。
相手が興味を持つ情報を、興味を失わない程度の時間で伝える。これが「連絡」に求められることである。
入社5年目までで基礎固め
社会人基礎力も「知る」と「やる」では雲泥の差がある。入社3~5年目までは、こうした基礎力を磨くだけで仕事のアウトプットの質は継続的に高まっていくだろう。まずは10,000時間(8時間×250日×5年)、「PDCAサイクル・報連相」で基礎を固めれば、そのあとの成長が加速度的に伸びていくことは間違いない。