樋野敬太

会社員(主に人事、ちょっと広報)として、日々仕事に取り組んできます。 2007年に社会人になり、「大事だと思っていたんだ」という自分のこれまでの気づきをお届けします。

樋野敬太

会社員(主に人事、ちょっと広報)として、日々仕事に取り組んできます。 2007年に社会人になり、「大事だと思っていたんだ」という自分のこれまでの気づきをお届けします。

最近の記事

製造現場のリーダーに不足しがちなもの

最近、製造現場からリーダー育成に関する相談が寄せられることが多い。 話と聞くと、就職氷河期にあたる40代の現場リーダー層が不在で、50代のベテラン社員が現場を取り仕切っている。ただ、あと数年で60歳の定年を迎えるが、技術継承もさることながら、現場をまとめるリーダーがいない、という話だ。 現場のリーダー候補である30代の中には、仕事ができる人間はいる。ただ、「リーダー」ではないそうなのだ。 リーダーとは何なんだろうか? 製造現場の話をまとめると、上司がイメージするリーダ

    • 共有フォルダは組織の写し鏡である

      多くの会社では、組織で「共有フォルダ」を持っており、作成したデータや企画書を保存している。共有フォルダの中身は、その組織の歴史そのものであり、整ったフォルダ構造は整った組織からしか出てこない。 フォルダにも適用できる「コンウェイの法則」 ソフトウエアエンジニアリングの世界で有名な法則に「コンウェイの法則」がある。 組織体制とシステムの構造には相関性があるとされており、共有フォルダを組織データを管理するためのシステムと考えると、この法則が適用される。 プログラミングによ

      • 人事の持つべき「公平・公正」②(公正)

        人事の持つべき「公平・公正」①(公平)はこちら 絶対的な正しさは存在しない 「公正」とは漢字の通り、公に正しいことである。社会に向けて胸を張れる、といったことだ。 これがことのほか難しい。法律を守っていれば胸を張れるのか?そんなものでもないだろう。日本社会の道徳を守っていれば大丈夫か?今の世の中、日本の常識が世界の非常識となることもある。さらに社会の気分は移ろいやすい。昔は許された、もっと言うと他人もやっているのに、いきなりSNSで炎上する、なんていうこともある。 全

        • 人事の持つべき「公平・公正」①(公平)

          人事として仕事をしているとよく聞く言葉が「公平」と「公正」だ。 「公平」とは「かたよらずに、えこひいきがないこと」(広辞苑第6版)とされ、「公正」とは「①公平で邪曲のないこと。②明白で正しいこと」(同上)とされる。 公平とよく似た言葉である「平等」は「かたよりや差別がなく、すべてのものが一様で等しいこと」(同上)とされ、辞書の上では似たような意味のようだ。 置かれた環境はみんな違う 人事として仕事をする上では、「公平」は機会均等、「平等」とは結果の均等という意味で区別

          AI時代の夜明け。私たちは何をすべきか

          AI時代が到来する、といった記事を目にする機会が増えている。 きっと、90年代のWindows95の発売当時と似たような雰囲気なのではないだろうか。 時代は韻を踏むを言われるが、AIもWindows95当時と同じく、5~10年程度またはそれ未満の時間をかけながら、普及していくだろう。 今、私たちがWord・Excel・Poiwerpointを基本に考えて仕事をするように、10年後にはAIを発想のベースに仕事をする時代が到来するのではないだろうか。 そのために、私たちは今

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          研修講師の役割とは

          ダラダラとしゃべり続ける研修講師。良いことを言ってるんだけど、すでに頭の容量はパンクして、声が音となって右から左に流れていく。 そんな経験、誰しもお持ちではないだろうか? 私は研修講師は、学校の先生や学者ではいけないと考えている。あくまで、組織人としての成長や行動変容をサポートする伴走者であるべきだ。 気づきを与え、行動変容を促せ 研修とはOff-JT。普段働いている職場は、何か気づきを得てきてほしい、行動が変わってほしい。ひいては、それによって組織に良い影響を与えて

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          大きな組織で働くということ

          大きな組織で働くってどういうことなんだろうか? 一昔前の「大企業に入れば安泰だ」なんていう声は今は昔。もはや安定のために、滅私奉公する時代でもない。 20世紀サラリーマンの「お給料もらっているんだから、我慢は必要」という主張と、将来を担う20代の「やりたいことに挑戦したい」という主張の対立は日を追うごとに激化している。 多様性をはらんだ組織 そもそも「大きな組織」とは一体何なんだろうか? 「大きな組織」にはたくさん人がいる。老若男女なんて当たり前。今は異なる雇用形態

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          成長のマイルストーン

          「アンラーニング」や「リスキリング」。新しいことを学びなおす、といった意味の単語が世の中にあふれ、社会は半ば脅迫的に、人の成長をあおる。 終身雇用は「過去」に近づき、能力や業務内容に見合って処遇するジョブ型雇用が脚光を浴びる。 自分は成長できているのか?自分の現在地点に不安に感じる機会は少なくないはずだ。 ヒトは一直線には成長できない 私の経験と実感から言うと、人の成長はリニア(直線状)ではない。伸び悩み、もがき苦しんだ後、爆発的に成長することの方が多い。 困難を乗

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          心と体を健康に保つために

          年々重要視される「心身の健康」。40歳以降、優秀な会社員が成功できない理由の一つが健康問題とされる。 「心の健康」と「体の健康」は正反対 「体の健康」は、熱がない、痛くないなど、不足した状態を嫌う。また、中性脂肪が高くないなど、過剰の状態を避ける。 人間は恒温動物(外気温が変化しても体温を一定に保つことができる動物)で、暑すぎず寒すぎず、過不足のない快適な状態を維持することが「体の健康」の秘訣なのだ。 一方で、「心の健康」は新しいことを感じ続け、常に変化することが維持

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          会社における「コミュニケーション」とは

          職場でも研修でもよく聞こえてくる「コミュニケーションが大事だ!」という声。どうしてそんなに大事なのだろうか? コミュニケーションは「社会生活を営む人間の間に行われる知覚・感情・思考の伝達」(広辞苑 第6版)とされるが、業務におけるコミュニケーションはもう少し定義が狭い。 会社でも、人間関係構築を目的としてコミュニケーションは、会社生活を楽しくする・仕事を円滑に進めるうえで大事だが、ここでは「相手に自分の意図を伝えて、相手に行動を起してもらうこと」を目的とする「業務遂行にお

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          社会人基礎力とは②(報連相)

          「相談」の本質は、端的な「問い」 組織の一員となった時点で、最も頻度が高いのは「相談」だ。「相談」をするときに心掛けたいのは「内容」と「時間」である。 「相談」するとき、あなたは相手に何かしらの意見を求めている。 相手の話をしっかり聞けるよう、自分の時間は相談の1/3程度には抑える意識を持っていると、相手にとっても楽かもしれない。そして、何より端的な「問い」を持っていくことが重要である。 自分は何をしているのか?どうしてそれをしているのか? それらを一言、一フレーズで

          社会人基礎力とは②(報連相)

          社会人基礎力とは①(PDCAサイクル)

          「社会人、特に会社員として働いていくために必要な基礎力とは何か?」と問われると、まずは「PDCAサイクル」と「報連相」だと答える。 みなさんご存じの通り、「PDCAサイクル」とは「Plan(計画)・Do(実行)・Check(検証)・Action(改善)」の頭文字で仕事の質を継続的に高めていく働き方。「報連相」とは「報告・連絡・相談」で組織で効率的に仕事をしていくための手段である。 「PDCAサイクル」が始まるとき 会社に入社したときは、誰しも新入社員である。新入社員研修

          社会人基礎力とは①(PDCAサイクル)